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 本日はFMシンセの「FMScreen」に続き、新作のiPhoneシンセサイザー「PASY01」が登場しました(App Storeへのリンク)。115円。

 開発したのはソーシャルパブリッシングサイトの「パンカク」を開発した、パンカク。主な業務内容の中に、「iPhoneアプリケーションの企画・開発・運用」とあるので、これから本格的に活動するということでしょう。

 で、シンセである「PASY01」の内容ですが、一発芸的なもので、加速度センサーのみでコントロールするテルミンタイプ。

 縦方向に動かすとLFOのスピードが変化し、横方向に動かすと、ピッチが上下します。

 テルミン系は本当に多い。本日アップデートされた「Cosmovox」を含め、いまインストールしてあるだけでこんなに:

・Thereminator
・Oscillator
・Tapstereo
・Android
・FingerSound

 テルミン系はギター系とならんで厳しい市場ですね。

koya

 9月中に出すといっていて果たせなかった期待のフルフィーチャーシンセサイザー「Noise.io」に代わって、iPhone用FMシンセ第1号となったのは、「FMScreen」(App Storeへのリンク)。230円なり。

 演奏方法は、KAOSSILATOR方式のX-Yパッド。これで音程とモジュレーションを変えていきます。加速度センサーを使った傾き検知でボリュームを変化させます。iPhoneのテルミン系アプリによくあるパターン。

 モジュレーションと音程の幅はピンチ操作で可変。レンジは4〜6オクターブ。

 3本指でタップすると、オクターブのグリッドが表示されて、音程が半音階スケールとなります。

 FMシンセシスは、パッド以外でのコントロールはできず、どのようなパラメータになっているかも不明。ただ、音色変化がむちゃくちゃ激しいテルミンっていう感じです。

 リングモジュレーターをかけたような音色からフィードバックかけたみたいな音まで、iPhoneアプリの中では最も過激な音を出せる楽器でしょう。

 普通のテルミンに飽き足らない人向け、ですね。飛び道具としてはいいかも。キース・エマーソンのリボンコントローラっぽいです。

 なお、スクリーンロックからの復帰時に音がならなくなるバグあり。

 この会社Piticuleは、Zimple-Gateという、GarageBandのAudioUnitsで使えるエフェクターを開発しています。AudioUnits用プラグインを作っているところは今後、要注目かもしれません。

koya

 AdobeがiPhone版Flash Playerを開発しているというのは公然の事実だったわけですが、AppleInsiderによれば、それがついに完成したようです。Appleが認めさえすれば公開できると。

 しかし、Appleが「インタープリタ」的アプリをiPhoneアプリとしては認めないという話もあり、現在の規約を曲げない限りは難しいのではないかとの推測もあります。

 Appleがこれを認めてくれれば、たとえばHyperCardライクなアプリも作れてしまうわけで、Flashを特に望んでいないデベロッパーにとっても自由度が高まることになります。

 その一方で、数多く存在するFlashベースのカジュアルゲームが、移植なしにiPhoneで動作してしまうことになり、単純なカードゲームや落ちゲーなどは、無料のオンラインベースのFlashゲームに駆逐されてしまうのではないでしょうか。オフラインでは使えない(おそらく)とはいえ、あまりレベルが高くない有償ゲームは駆逐されてしまうでしょうね。

 ただし、カジュアルゲームでも、iPhoneのタッチインタフェースや加速度センサーなどの機能をフルに使ったゲームならば、生き残ることは可能でしょう。

 AdobeはiPhoneアプリの開発に非常に熱心で、Appleがアプリ開発を開放する前からJailBreakベースのデベロッパー向けイベントを助けたりしています。とすれば、単に既存のFlash再生だけではなくiPhone SDKのCocoa Touchに相当する、iPhoneのタッチインタフェースをはじめとする特徴を生かしたアプリケーションづくりもできるようにしたいのではないでしょうか?

 仮にそのライブラリをAdobeがFlash開発者向けに用意するとすれば、デベロッパーはApp Storeを経由しないアプリケーション開発・配布を自由に行えるようになり、さらにAppleがナーバスにならざるをえない状況になりますね。

 iPhone版Flashを作るだけで、

・App StoreのiPhone向けカジュアルゲームが売れなくなり
・自由過ぎるアプリがApp Storeを経由せずにどんどん配布され
・iPhone SDKを使うカジュアルデベロッパーが少なくなり
・iPhone SDKを使うためにMacを購入するデベロッパーも減る
・そして、作られるアプリはAndroidやガラパゴスケータイと変わらなくなる

というふうに、AppleのiPhoneエコシステムにひびが入ってしまうわけです。


 まあ、それでもわたしはiPhoneでFlashはほしいです。初音ミク関係のFlashとかけっこうあるし、なによりニコニコ動画が視聴できるようになるだろうから。

koya

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プロフィール

松尾 公也

松尾 公也

Mac誕生前夜の1983年業界入り。
PC Magazine、PC WEEK、MacUserなどを経て、IT業界の裏道を歩みつつ現在に至る。

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