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2008年5月31日の投稿

2008年6月1日 »

 林さんが「ビジネス2.0」的視点で書かれた新幹線通勤のメリット。とても興味深く読ませていただきました。時間の有効な使い方や自宅選び、子供を育てる環境など、いろいろな意味で東京近郊から通常の電車通勤することへのオルタナティブになっています。

通勤時間は長くて遠いほうがいい

 林さんの場合には、新幹線駅から10分の距離ということや、定期代が会社からある程度出るらしきことなど、いくつかの条件が整っているようですが、かなり魅力的に思えます。

●自転車通勤という代替案

 では自分は、と考えると、ここ数年は自転車通勤を中心にしています。そのことについてはあまりくわしく書いてなかったので、これを機に振り返ってみます。

 自宅は練馬区なんですが、ここが特に近いという最寄り駅がなく、3つの私鉄駅からどれも同じくらいの距離。どれをとっても15〜20分くらいはかかる、「陸の孤島」とまではいかなくても不便な土地です。

 バスもありますが、210円も取られるうえに、座れるわけでもなく、運行間隔も長い。しかも頻繁に間引き運転をやってくれるので、時刻表を持っていたとしてもその時間にバスに乗ることは期待できません。自転車を駅側の駐輪場に置くというのも、100〜200円。バス代との比較でもメリットは少ない。

 電車もいろいろと経路を試してみました。電車に乗っている時間は60〜80分くらい。それに徒歩が加わるので1時間30分くらいはみておく必要があります。

 とはいえ、場所そのものは気に入っています。かなり大きな公園があり、野鳥が来る森や池、上からみると都内とは思えないくらいの自然な自然環境。その中で子供達もゆったりと育つことができたと思います。

●なぜ自転車通勤にしたのか

 自転車通勤を始めたきっかけは、地震対策でした。

 地震が起きたとき、自分や子供達が無事に帰宅できるように、ルートを把握しておこうと思ったのです。そのためには自宅から会社まで自転車で行けるかどうか試してみたらいいのではと考え、やってみたらなんとかできたのです。で、それからずるずると。

 「帰宅マップ」は、自転車通勤しようがしまいが作っておいたほうがいいでしょう。わたしの場合は自転車を使って自走してみて、子供達の学校の分も確かめてます。市販されているものもありますが、コンパクトな地図を自作してみてはいかがでしょうか。

 自転車通勤を始めた当時は、会社(アイティメディア)が今の丸の内に引っ越す前で、赤坂のまさに坂の上。駅からもけっこうな距離があり、必ず上り坂がある。けど、会社には駐輪場があったので、そこに自転車を止めていました。そのときには社内にシャワールームがあったので、そこを使うこともできたのは大きいですね。

 いまは、会社のそばにあるスポーツジムでいったんシャワーを浴びてから出社してます。通勤に要する時間そのものは、それを入れても電車通勤の範囲内に収まります。夏の暑いときにはサッパリしていいし、花粉の時期には、スギ花粉を振り落としてから出社できるので、この形式にしてからは症状が軽くなった気がします。

●どんな自転車に乗ってきたか

 初代の通勤用自転車は、いわゆるMTBルック車という、外見だけマウンテンバイクのやつで、値段が安いなりの品質のもの。1万円そこそこで購入したのですが、ママチャリよりは軽いものの、自重がそれなりにあり、つくりも粗雑なので毎日の通勤には耐えられず、早々に壊れてしまいました。その前に別の自転車に乗り換えたのですが、それが、Bianchiのクロスバイク、Backstreetというモデル。

 クロスバイクというのはMTBっぽいスタイルに、わりと細目のタイヤをはかせた自転車で、車道を走る分にはかなり快適に動けるので、自転車通勤を始めるのには適しています。Bianchiは、チェレステというカラーが初音ミクの色なんですが、これを買ったのはミク登場のはるか前であり、無関係です。

 そのBackstreetですが、自宅の車庫から盗まれてしまい、そのまま行方しれずに。代わりに同じくイタリアメーカーであるCOLNAGOのWindyという同じくクロスバイクを購入したのです。

 しかし、COLNAGO Windyも長くは続きませんでした。ハンドルの幅が広過ぎて自分には合わないのと、会社が移転して、駐輪場がなくなったために、置き場に困ってしまったのです。そこで登場したのが、小径車のBD-1。

 BD-1というのは、折畳みできる小型車ですが、折り畳んだ状態で移動させるためのコロをオプションで装着でき、友人にユーザーが多いことから、これを通勤のメインにすることに決めたのです。買ったのは、ドイツ車であるBD-1のOEM品で、やはりBianchiから出ているFrettaというモデル。結論から言うと、それまでのどの自転車よりも乗りやすく、スピードもまずまず。しかも、社内に持ち込んでも文句を言われることもなく、デスクサイドに置けるのです。

 ではいまもそのBD-1を乗っているかというとさにあらず。

 今はまたイタリアメーカーCINELLIのロードバイクに乗っているのです。会社ではロッカールームに置かせてもらっています(まだクレームはもらっていない)。友人から譲っていただいて。スピードがけっこう出るので、通勤時間が短縮できるし、ドロップハンドルのおかげで姿勢が楽で、腕の疲れとかは以前よりなくなりました。ドロップハンドルって、いろいろなポジションがとれるので、通常のバーハンドルよりも使いやすいんです。後で分かったことですけど。

●自転車通勤とダイエット

 これは非常に効果が大きいと言わざるを得ません。わたしは乗り始める直前に、「こいつにだけは」という人物から「最近太りましたよね」と言われたのがショックで、なんとかしようと思っていたときだったので、自転車通勤を始めて、3カ月ほどで8kg近くやせました。

 その後は年末になると太り初めて夏ごろに戻す、といったのを繰り返したり、胃炎になって乗るのをさぼっていたらやはり太りはじめたり、「赤信号をわたっていた歩行者をよけた自損事故」で鎖骨を折ったりいろいろあったのですが、いまは元気です。

 往復2時間の自転車通勤中は、これ自体が運動になり、運動量が足りないということはおそらくなくなります。雨の日は電車通勤になるので、毎日というわけにはいきませんが、週3回自転車でいけば、運動量を確保でき、電車通勤ストレスも減ります。メンタルもフィジカルも、わたしにはとてもいいようです。

 とにかく、会社に行くという一見無駄な(笑)行為がそのまま楽しみにかわるというのは自分で経験しても非常におもしろいものです。実現するには条件がいろいろ必要だとは思いますが、まずは地震用の帰宅ルートをたどってみる、というのはいかがでしょうか?

●新幹線が通勤のブロードバンドなら……

 緑に恵まれた自宅から座ったまま通勤できること。これは、林さんと似たようなメリットです。

 新幹線というのは、ネットにおけるブロードバンドと似たようなものですね。そのアナロジーだと自転車通勤はモバイルネットワークでしょうか。

 さて、きょうの仕事が終わったら、友人夫妻といっしょに富士山を自転車で駆け上がるレースに参加してきます。目標は完走すること。さあ、どうなりますか。

koya

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プロフィール

松尾 公也

松尾 公也

Mac誕生前夜の1983年業界入り。
PC Magazine、PC WEEK、MacUserなどを経て、IT業界の裏道を歩みつつ現在に至る。

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