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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2012年7月12日

2012年7月13日の投稿

2012年7月14日 »

PaaSレイヤにおいても重要になるのが、エコシステムです。

PaaSサービスのビジネスモデルは、コアとなるPaaSアーキテクチャを基盤として、オープンなプログラミング言語や開発フレームワークを無償で提供しつつ、データベースや他のアドオンサービスを有償で提供し、収益を獲得するモデルが進んでいます。

自社で付加サービスを提供するだけでなく、開発者が魅力を感じるPaaSのエコシステムを、サードパーティーを巻き込みながら形成することが重要になりつつあります。例えば、あるPaaSサービスの場合は、従量課金を行いながら、サードパーティーによるアドオンサービスを多数そろえ、開発者が自由にこれらのサービスを利用できるようになっています。

最近では、ソーシャルネットワーク向けのアプリケーションやスマートフォン向けアプリの台頭が著しく、独自SDK(ソフトウェア開発キット)の無料提供によってクラウドサービスとの連携を容易にし、さらに、マルチプラットフォームに対応したアプリ開発環境が人気を集めています。

Salesforce.comが2010年12月に買収したPaaSサービスのHerokuの場合は、Heroku上でWebアプリケーションを開発し、すぐにリリースや更新が行えるのが特徴です。作成したアプリケーションは、さまざまなモバイルデバイスに対応し、Facebookなどのソーシャルネットワーク上で実行可能となっています。買収当時はRuby専用のPaaSでしたが、Javaなど多言語対応するなど、マルチ言語への対応も強化しています。

PaaSレイヤのエコシステムは、オープンソースベースのパブリックPaaSを通じて、スマートフォンなどのモバイル向けのアプリ開発ツールとしての利用が中心となるでしょう。さらに、ソーシャル認証や連携機能、課金・決済手段との連携などにより、アドオン・エコシステムを拡大させ、サービスのスケールの選択肢を増やしていくことが予想されます。

これらのPaaSのエコシステムは、次第に収益モデルを確立させ、中長期的には、エンタープライズ分野でのエンタープライズPaaS、さらには公共分野のPaaSなどを通じてのエコシステムを展開していくことが期待されます。

PaaSレイヤのエコシステムは、アプリケーションをはじめ、上位レイヤとの連携が多岐にわたるため、多くの分野でPaaSのエコシステムが形成されることになるでしょう。

PaaSレイヤの市場は、まだマーケットリーダが存在せず、成長が見込まれる中においても市場が混沌としている状況です。クラウド事業者は、PaaSレイヤまで事業範囲を拡大させ、競争優位に立つための独自機能による差別化戦略とオープン化を推進しつつ、サードパーティとの連携によるエコシステムを形成することで、安定した収益を生み出すためのサービスモデルを構築していくことが重要になっていくでしょう。

  • (1)クラウド・エコシステムとは何か? (2012.5.14)
  • (2)登場の背景 (2012.5.15)
  • (3)注目される6つの理由 (2012.5.16)
  • (4)SIビジネスの行方 (2012.5.17)
  • (5)コミュニティの存在感 (2012.5.20)
  • (6)クラウドを推進する団体 (2012.5.21)
  • (7)オープンクラウドの展開 (2012.5.23)
  • (8)クラウド・エコノミクスの視点 (2012.5.24)
  • (9)エコシステムにおけるソーシャル・キャピタルの役割 (2012.5.25)
  • (10)グローバル市場へ (2012.5.28)
  • (11)全体最適化志向の「組み合わせ型」モデルへ (2012.5.29)
  • (12)産業構造の変化と新規ビジネスの創出 (2012.5.30)
  • (13)経営者の視点 (2012.5.31)
  • (14)ベンチャー企業の役割 (2012.6.1)
  • (15)政府の役割 (2012.6.4)
  • (16)自治体クラウド (2012.6.5)
  • (17)教育クラウド (2012.6.7)
  • (18)医療クラウド (2012.6.8)
  • (19)コネクテッド・エコノミー (2012.6.11)
  • (20)ユーザドリブン (2012.6.12)
  • (21)クラウド・イノベーションによる新たな価値創造 (2012.6.14)
  • (22)ベンチャー企業とベンチャーキャピタル (2012.6.15)
  • (23)ソーシャルゲームビジネス<前編>(2012.6.19)
  • (24)ソーシャルゲームビジネス<後編>(2012.6.20)
  • (25)電子書籍ビジネス<前編>(2012.6.20)
  • (26)電子書籍ビジネス<後編>(2012.6.21)
  • (27)スマートテレビの台頭(2012.6.25)
  • (28)スマートテレビ市場をリードするのは?(2012.6.26)
  • (29)スマートテレビのプラットフォーム覇権争い(2012.6.27)
  • (30)スマートテレビ向けの開発者獲得競争(2012.6.28)
  • (31)スマートテレビのこれから(2012.6.29)
  • (32)加熱するIaaSレイヤ競争(2012.7.2)
  • (33)クラウド上で繰り広げられるエコシステム間競争(グーグル、AWS編)(2012.7.3)
  • (34)エコシステムで対抗軸を示すOpenStack、CloudStack(2012.7.4)
  • (35)オープンクラウドを推進するOpenStack、CloudStackとは(2012.7.5)
  • (36)オープンクラウドがAWSを超える日は?(2012.7.6)
  • (37)成長するPaaS市場(2012.7.9)
  • (38)OpenPaaSの登場(2012.7.11)
  • (39)PaaSを展開する国内事業者(2012.7.12) 
  • (40)PaaSレイヤのエコシステム(2012.7.13)

  •  

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  • MASAYUKI HAYASHI

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    プロフィール

    林 雅之

    林 雅之

    ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
    国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
    著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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