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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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2012年7月12日 »

PaaSの種類やサービス形態などについて、整理をしてみたいと思います。 

完成度の高い「Proprietary PaaS」とオープン化を進める「Open PaaS」

代表的なPaaSは、セールスフォース・ドットコムが提供する「Force.com」やグーグルの「Google App Engine」、マイクロソフトの「Windows Azure」などの事業者がPaaS市場のシェアの上位に位置しています。

2012年6月6日には、オラクルが「Oracle Cloud」のラインナップとしてPaaSの「Oracle Platform Services」を提供しています(関連記事)。

これらの共通点は、最初からPaaS特化型のサービスとして提供し、導入実績も豊富な点があげられます。また、IaaSレイヤーを公開せず、開発言語や開発フレームワークは独自性が高く、データベースとミドルウェアをセットで提供するなど、完成度の高い垂直統合型の「Proprietary PaaS」となります。

また、IaaSレイヤではマーケットリーダであるAWSのElastic BeanstalkもAmazon EC2上のみで動作する「Proprietary PaaS」をβ版として無償で提供しています。AWSは2012年5月9日、これまで、OSがLinux、開発言語がJavaとPHPのみだったものを、OSにはマイクロソフトのWindows Server、開発言語には「.NET」への対応、そして、東京リージョンでも提供するなど、競合他社のOSや言語も取り込み、PaaSレイヤでもサービスの強化を図っています。

一方、2011年に入ってから、VMwareが提供する「Cloud Foundry」やレッドハットが提供する「OpenShift」など、IaaS上に構築されるインストーラブルなオープンソースのPaaS基盤ソフトウェアが台頭しており、マイクロソフトのWindows Azureなどの垂直統合型の「Proprietary PaaS」に対して、「Open PaaS」と呼ばれています。

Open PaaSは、IaaSレイヤーとは独立して機能し、JavaやRuby、Pythonなど複数の開発言語に対応し、オープン標準に準じた開発フレームワークをサポートしています。

Cloud Foundryは、ヴイエムウェアのOpen PaaS戦略に基づいて2011年4月に発表されたRubyで実装されたオープンソースのPaaSソフトウェアで、ヴイエムウェアが買収したSpringSourceのJavaプラットフォーム「SpringSource Cloud Foundry」がベースになっています。パブリッククラウドおよびプライベートクラウドの双方に導入できる点も大きな特徴です。

また、OpenShiftは、レッドハットが2010年11月に買収したクラウド配信・管理・監視ツールのMakaraがベースとなっており、Javaをサポートする数少ないPaaSで、2012年4月よりオープンソース化しています。OpenShiftも同様に、パブリッククラウドおよびプライベートクラウドの双方に導入でき、Linuxディストリビュータとして、自社開発ツールやPaaS連携の付加サービスを追加するなど、エンタープライズ分野での利用に向けたサービス拡充が期待されています。

米国の調査会社のエバンスデータ(Evans Data)が2011年11月16日に発表した「ユーザー満足度調査」によると、クラウド開発に参加しているソフトウェア開発者は、「トップクラウドプラットフォーム」の評価において、Cloud Foundryが全体での最高点を獲得しており、クラウドの実装だけでなく、フレームワークやアプリションサービスも含めた選択肢を提供したことが開発者から高く評価されています。

一方、Cloud FoundryなどのOpen PaaSが本格的に市場に登場したのは、2011年からのため、商用サービスが充実している等の完成度の高いProprietary PaaSに対して、Open PaaSの多くはこれから商用化に向けて機能や品質を改善していく段階にあると言えます。

2012年2月25日には、NTTとNTTコミュニケーションズが発起人となり、楽天、ヴイエムウェア、富士通SSL、NECソフトなどによるミュニティーの「日本Cloud Foundryグループ」が設立されています。Cloud Foundryに関する日本語の情報共有や議論の場を設け、Cloud Foundryの普及促進を図ることを目的としています。

IaaSレイヤーでは、「OpenStackユーザー会」や「CloudStackユーザー会」などのOpen IaaSの開発コミュニティーが充実していますが、Open PaaSでも今後こういった開発コミュニティーの活動が活発化し、開発者同士の情報共有や利用促進を図るための技術的な交流・活動の場を通じて、コードや機能、品質の改善などに取り組むことでOpen PaaSの機能向上と普及促進が期待されています。

米国では、OpenStackプロジェクトに参加している事業者が、Cloud Foundryを稼働させるためのパートナーシップをVMwareと締結し、将来的にOpenStackでVMwareベースのプロジェクトのサポートを発表するなど、今後は、OpenStackやCloudStack等のIaaS上で、Cloud Foundryをサポートするサービスが登場してくることが予想されます。

※訂正いたします 2012.7.11
富士通→富士通SSL

  • (1)クラウド・エコシステムとは何か? (2012.5.14)
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  • (7)オープンクラウドの展開 (2012.5.23)
  • (8)クラウド・エコノミクスの視点 (2012.5.24)
  • (9)エコシステムにおけるソーシャル・キャピタルの役割 (2012.5.25)
  • (10)グローバル市場へ (2012.5.28)
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  • (12)産業構造の変化と新規ビジネスの創出 (2012.5.30)
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  • (25)電子書籍ビジネス<前編>(2012.6.20)
  • (26)電子書籍ビジネス<後編>(2012.6.21)
  • (27)スマートテレビの台頭(2012.6.25)
  • (28)スマートテレビ市場をリードするのは?(2012.6.26)
  • (29)スマートテレビのプラットフォーム覇権争い(2012.6.27)
  • (30)スマートテレビ向けの開発者獲得競争(2012.6.28)
  • (31)スマートテレビのこれから(2012.6.29)
  • (32)加熱するIaaSレイヤ競争(2012.7.2)
  • (33)クラウド上で繰り広げられるエコシステム間競争(グーグル、AWS編)(2012.7.3)
  • (34)エコシステムで対抗軸を示すOpenStack、CloudStack(2012.7.4)
  • (35)オープンクラウドを推進するOpenStack、CloudStackとは(2012.7.5)
  • (36)オープンクラウドがAWSを超える日は?(2012.7.6)
  • (37)成長するPaaS市場(2012.7.9)
  • (38)OpenPaaSの登場(2012.7.11)

     

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  • MASAYUKI HAYASHI

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    プロフィール

    林 雅之

    林 雅之

    ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
    国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
    著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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