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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2012年7月1日

2012年7月2日の投稿

2012年7月3日 »

IaaS(Infrastructure as a Service)市場は、Amazon Web Services(AWS)がマーケット・リーダとして市場をリードし、RackspaceTerremarkGoGridなどが追いかけ、さらに、マイクロソフト、グーグルなどが新たに参入し、厳しい競争が繰り広げられています。

IaaS市場に本格参入するマイクロソフト

マイクロソフトは2012年6月7日、Windows Azureの新機能を紹介するイベント「Meet Windows Azure」において、新たにIaaS機能として「Windows Azure仮想マシン」サービスのプレビュー版の提供開始を発表しました(関連記事)。

仮想マシンでは、Windows OSだけでなく、Hyper-Vのハイパーバイザー上でCentOS、OpenSUSE、UbuntuなどのLinuxベースの仮想サーバを操作できるようになっています。

Windows Azureは、これまではPaaS(Platform as a Service)サービスのみでしたが、競争の激しいIaaSサービスをランナップにいれ、IaaS市場に本格的に参入をしたこともなります。

日本マイクロソフトは2012年6月8日の報道機関向けの説明会において、業務執行役員 サーバプラットフォームビジネス本部長の梅田成二氏は

2016年までにPaaSとIaaSを合わせた国内市場でトップシェア、数字にして20%程度を獲得したい

と述べ、PaaSとIaaSによる相乗効果による国内のクラウド市場におけるトップシェアの獲得を目指しています。

 

日本DCからサービス提供を開始したNTTComの「Cloudn(クラウド・エヌ)」

IaaS市場においては、AWSを初め外資系が市場をリードしていますが、日本勢も追い上げを見せています。

NTTコミュニケーションズは、2012年6月27日、日本データセンターからの「Bizホスティング Cloudn(以下Cloudn)」の日本データセンターによるサービス提供開始を発表しました(ニュースリリース)。

Cloudnは、2012年3月30日米国データセンターからサービスを提供し、今回日本DCからもサービスを提供し、CDNやハイブリッドクラウドなどのオプションサービスを充実させ、パートナー企業14社との協業を進めるなど、サービスの充実と、パートナー企業との協業によるユーザの利便性の向上を図っています。

Cloudnの特徴は、約150のAPIを用意し、月額上限945円からの低価格でサービスを利用でき、ネットワーク転送料やロードバランサーやファイアーウォールが無料と、海外の主要事業者と比べても価格競争力のある料金体系となっています(関連記事:NTT Comが満を持して世界に放つ超低価格クラウド「Cloudn」の正体)。

Cloudnは、Citrix社の提供するオープンソースのIaaS基盤ソフトウェアであるCloudStack(Cloud Platform)を採用しています。CloudStackは、機能性と拡張性に優れ、コリアテレコムなど多数の商用導入実績があり、グローバルにIaaSの展開が可能となっています。

本リリースでは、Cloudnはさらに、2012年10月には、オブジェクトトレージの提供、Open PaaSのCoud Foundry、DNS、Virtual Netowork、Rerational Databaseなどのサービスの充実を図っていくことを明らかにしています。

Bizホスティング Cloudn オプションサービス提供予定一覧
出所 NTTコミュニケーションズニュースリリース別紙4 より

 

GoogleがAmazon対抗のIaaS「Google Compute Engine」を発表

そして、ついに、巨人Googleが2012年6月月28日、開発者会議「Google I/O 2012」において、AWSに真っ向から対抗する「Google Compute Engine」の一部のユーザー向けにプレビューを公開し、IaaS市場への参入を表明しました(関連記事)。

image

出所:Google Compute Engine トップページ

Google Compute Engineは、KVMのハイパーバイザー上でCentOS、UbuntuなどのLinuxベースの仮想サーバを操作できるようになっています。

Google Compute Engineでは、企業ユーザがGoogleのデータセンターを利用し、数万単位の仮想コアのクラスターを運用可能することができます。Googleは、世界最大級のデータセンター群とそれらを接続する世界最大級の通信ネットワークを保有しており、規模の経済(スケールメリット)を生かした安定したサービス展開が可能となります。

Google Compute Engine担当製品マネージャーのCraig McLuckie氏は、

当社システムは膨大な規模でも強力で一貫したパフォーマンスを発揮するよう構築されており、クラウド上で共有する環境においても中断や遅滞は発生しない

と述べ、サービスの安定性、信頼性を強調しています。

そして、「主要プロバイダーと同じ料金で50%増のパフォーマンスを提供する」と述べているように、後発ながらの価格競争力のあるサービス体系となっています。

image
出所:Google Compute Engine Pricing

 

世界は5つのコンピューターに集約される?

2006年11月、当時サン・マイクロシステムズのCTO、グレッグ・パパドポラス(Greg Papadopoulos)氏は自身のブログで、

「世界に“コンピュータ”は5つあれば足りる」
(The World Needs Only Five Computers)

1つはグーグル。もう1つはヤフー。それにアマゾン、マイクロソフト、セールスフォース、イーベイあたりを加えれば、もうほかに地球上にコンピュータなど不要になるだろう

とコメントしています。(当時のブログ)。

パパドポラス氏は「Computers」と大文字と複数形を使い、コンピューターリソースは、巨大なデータセンターを持つ企業のごく少数のクラウド=「Computers」によって集約されていくことを予測していました。

IaaS市場においては、先行するAWSに、マイクロソフト、そして、グーグルが新たに参入したことにより、5つのコンピュータは、現実味を帯びてきたように見えます。

果たして、5つのコンピュータに残り、IaaS市場をリードするクラウド事業者はどこになるのか。熾烈な競争環境と、クラウド市場全体を底上げする協調と共創を繰り返す中で、クラウドはコモディティ化し、クラウドへのシフトはさらに加速していくことになるでしょう。

 

※担当キュレーター「わんとぴ

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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