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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

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第二十三回以降は、数回に分けて、主にコンシューマ(消費者)向けのサービスに焦点をあて、クラウドエコシステムとの関係性について整理をしていきたいと思います。まずは、ソーシャルゲームビジネスです。

市場競争が激化するコンシューマ向け市場

産業革命のような動きは、世界をリードする複数のIT企業によって、市場の覇権争いが繰り広げられ、ものづくり、サービス、コンテンツのレイヤーを超え、クラウドと融合した新たな産業と社会構造の変革を起こしています。

中でも今後のさらなる市場成長と競争の激化が予想されるのが、スマートフォンやタブレッドなどのスマートデバイスを軸にしたソーシャルゲーム、ソーシャルコマース、電子書籍、スマートテレビなどの消費者向けの市場です。

ソーシャルゲームや電子書籍などの付加価値の高いコンテンツや、消費者がソーシャルメディアなどを通じて発信する情報などがネットワークでつながり、スマートフォンやテレビのデバイスへと配信されます。これらの膨大なデジタルコンテンツデータの蓄積や流通を支えるサービスプラットフォームとしてクラウドへの期待が高まっています。

競争が激化する消費者向けサービス市場において、ユーザの関心事は日々変化しており、サービス提供事業者は、短期間でユーザが求めるサービスを開発し投入することが求められています。

サービスの提供にあたって、自社でサーバを構築するのではなく、ユーザ数や利用頻度の増減にあわせて、サーバやCPUなどのコンピューティングリソースを効率的に配分するといった必要があります。クラウドの場合は、市場の急激な変化に対応できるよう必要なときに必要な分だけコンピューティングリソースを配分することができるため、消費者向けのサービス提供にあたって、親和性が高いといえるでしょう。

ソーシャルゲームの市場性

最近のテレビでは、DeNAやGREEなど著名な芸能人を起用したソーシャルゲームのコマーシャルが流れる頻度が増えてきています。

DeNAは、TBSからプロ野球球団を買収したことで、ソーシャルゲーム業界への認知度や信頼感も高まっています。これまでのプロ野球球団のオーナーの歴史を見ると、その時代において最も活力のある企業が多く、ソーシャルゲーム業界の球団買収は、その勢いを示す象徴的な出来事といえるでしょう。

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出所:「ソーシャルゲーム」産業構造審議会情報経済分科会中間とりまとめ 2011.8.11 参考資料

調査会社のシード・プランニングの2010年12月の調査によると、2010年のソーシャルゲーム市場は対前年プラス305%で成長し、市場規模は1,219億円規模に達しています。2011年のソーシャルゲーム市場は、対前年プラス49.3%の成長、そして、2014年以降は2,500億円規模に達すると見込まれています。

一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証券は2012年3月9日、「ソーシャルゲームの正体を探る(Ⅴ)」というレポートを発行し、2012年の市場は4643億円、2013年の市場を5766億円と予測しています(関連記事)。

ソーシャルゲーム業界は、コンプリートガチャ(コンプガチャ)の廃止の影響により、市場は若干鈍化することが予想されますが、それでもなお、今後の成長分野として期待されています。

ソーシャルゲームのビジネスモデル

ソーシャルゲームとは、ソーシャルプラットフォーム上に時間軸にとらわれないユーザコミュニケーション機能を持つゲームで、普及の背景には、SNSやネットにつながる携帯電話やスマートフォンが普及し、従来のゲームの利用者層よりも、手軽に利用するライトユーザまで対象を拡大できている点にあります。

ソーシャルゲームの大きな特徴は、「アイテム課金」のビジネスモデルです。MobageやGREEでは、ゲームの中で仮想課金を購入し、ゲームを利用する際に、ゲームで利用するアイテムを購入するシステムとなっています。アイテムがあることで、ゲームが有利になり次のステージに進めたり、キャラクターをおしゃれに飾ることもできるなど、有料のアイテムを購入したくなるなどの仕組みが取り入れられています。

ソーシャルゲームは無料から利用でき、ユーザが継続的に楽しみながら、対抗意識をもたせるなどの消費者マインドを的確につかみ、ある一定のステージに行くことで課金されるといったマネタイズのモデルを確立しています。

これまでゲーム分野では、任天堂のWiiやソニーのPlayStationなどの日本のコンソール型のゲーム専用機がプラットフォームとして世界市場を席巻してきました。ソーシャルゲームの台頭により、ゲーム専用機にパッケージのゲームソフトを売る「売り切り」モデルの市場が侵食される状況となっています。

ソーシャルゲームの「アイテム課金」モデルは、まずは、無料でたくさんの利用ユーザを集め、サービスへの評価とロイヤリティを高めることで、無料ユーザが広告塔となり、さらに利用ユーザを増やしていくことが可能となります。

その中で、「アイテム課金」をする利用ユーザを増やし、習慣化させることができれば、「売り切り」のパッケージソフトと比べても、デジタルのため在庫を持つこともなく収益率の高い持続的なビジネスとなります。

さらに、月額制などとは異なり、顧客単価の上限がないため、月間課金額(ARPPU)を上昇させていく施策が展開できれば、さらなる利益を見込むことができます。DeNAやGREEでは、営業利益率はおよそ50%と驚異的な利益率を出しています。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の調査では、2010年のARPPUが2,365円に対して、2013年は倍以上の5,510円になると予測しており、コンプリートガチャの逆風を克服し、さらなる新たなサービス展開によるARPPUの上昇が期待されます。

 

※担当キュレーター「わんとぴ

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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