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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2012年6月10日

2012年6月11日の投稿

2012年6月12日 »

第一回はクラウド・エコシステムの概要、第二回は登場の背景、第三回は注目される6つの理由、第四回はSIビジネスの今後、第五回はコミュニティの存在、第六回はクラウドを推進する団体、第七回はオープンクラウド、第八回はクラウド・エコノミクス、第九回はソーシャルキャピタル、第十回はグローバル市場、第十一回は組み合わせ型モデル、第十二回は産業構造の変化、第十三回は経営者の視点、第十四回はベンチャー企業の役割、第十五回は政府の役割、第十六回は自治体クラウド、第十七回は教育クラウド、そして、第十八回では医療クラウドについて整理をしてきました。

今回は、「つながり」に焦点をあてて整理をしてみたいと思います。クラウド・エコシステムの進化に欠かせないのが、ソーシャルメディアによる人的な「つながり」から始まる他社との広範囲な連携の実現です。

日本IBMが世界の主要企業のCEOを対象とした「IBM Global CEO Study 2012」の調査結果によると、企業が優位性を確立するために、CEOは新たなテクノロジーを活用し、社員や顧客、ビジネスパートナーとの「つながり」を重視していることが明らかになっています(関連記事)。

背景には、ソーシャルメディアの進展によって人々が広く深くつながっていく環境が拡大しており、IBMはこの環境を「コネクテッド・エコノミー」と呼んでいます。

高業績企業のCEOが、コネクテッド・エコノミーにおいて企業の優位性を確立するために、

・ 価値観の共有を通じて社員に権限を委譲すること
・ 「個」のレベルで顧客に応対すること
・ パートナーシップによってイノベーションを増幅すること

の3つをあげています。

社員の権限委譲にあたっては、組織をオープンにして社員に権限を委譲し、社外とより積極的につなげることの重要性をあげています。

「個」のレベルで顧客対応では、「3年から5年後には重要な顧客接点になる」と回答した割合は57%と回答しているように、CEOはソーシャルメディアが「個」客に関する洞察の源泉であり、「個」客とつながる手段であると考えています。

パートナーシップによってイノベーションを増幅することでは、高業績企業では「イノベーションを実現するために他社と広範囲に連携する」と回答した割合が59%と、低業績企業に比べて他社とのつながりを重視する割合が28%高い結果となっています。

企業の優位性を確保するためには、ソーシャルメディアによる「個」のつながりにより、社外とつながりを積極的に行うことで、他社との広範囲な実現が可能となります。

この視点は、クラウド・エコシステムの構築にあたって重要な位置づけとなるでしょう。

これまでのSIビジネスは、ITゼネコンによる多重下請け構造が中心で、ビジネスの商流が上からの縦型となっていました。

一方、クラウドの進展によるクラウド・エコシステムの流れは、ビジネスの商流は水平分散型の横型のモデルとなっています。つまり、多重下請け構造ではなく、企業の規模に関わらず、双方が、Win-Win関係に立つパートナー同士になる必要があります。

そのため、これまで以上に、つながりによる人的な信頼関係を構築し、フラットな関係でビジネスを展開していくこと、つまり、コネクテッド・エコノミーの環境が重要となっています。

ここで参考となる事例をご紹介しましょう。

独自のクラウド・エコシステムで業界をリードしているAWSでは、ユーザ会でのコミュニティ活動や、エバンジェリストの存在など、AWSの社員の「人の見える化」が進んでいます。同時に、エコシステムに参加するパートナー企業の「人の見える化」も顕著で、AWSのクラウドサービスの広告塔としても存在感を見せています。

この後押しをしているのが、ソーシャルメディアのビジネスとしての活用で、クラウドビジネスに志の高いメンバーが集まるソーシャルメディアのグループなどでの情報交換を通じて、オフラインのユーザ会などと連動させ、信頼関係を構築しています。

フェイスブックなどのソーシャルメディアでは、各々のプライベートの活動も見え、「人の見える化」が進んでいます。人を理解し、お互いの信頼をしあった上で、ビジネスを進め、他社との連携を強めていくという営みが、コネクテッド・エコノミーをベースとした人の「つながり」を重視したクラウド・エコシステムを構築していく上で、益々重要となっていくでしょう。

 

※担当キュレーター「わんとぴ

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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