『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2011年8月31日

2011年9月1日の投稿

2011年9月2日 »

スマートフォンやスマートテレビなど、世界市場において日本は苦戦を強いられている中、存在感を示しているのが、日本のゲーム業界です。

経済産業省の2011年8月11日の「産業構造審議会情報経済分科会中間とりまとめ」資料では「ゲーム」について以下のとおり整理しています。

○ゲーム分野では、ファミコン、プレイステーション等の日本のゲーム専用機がプラットフォームとして世界市場を席巻。他方、現在、PC等のネットワーク系ゲームやスマートフォン系ゲームの市場が拡大する中、専用機の市場が侵食されている

○これに対し、日本企業は、専用ゲーム機をインターネット接続することで、新しいプラットフォームを構築し、スマートフォン経由で提供されるコンテンツや電子書籍経由で提供されるコンテンツも利用可能とするなど、逆にゲーム提供に留まらない新たな競争構造を作ろうとしている。

image

これまでは、任天堂のWiiやソニーのPlayStationなどが世界各地で利用され、存在感を見せていました。しかし、これまでのコンソール型のゲームビジネスはやや頭打ちの印象の感があり、Zynga、そして日本ではDeNAのモバゲーやGREEに代表されるようにソーシャルゲームが台頭しています。

本取りまとめでは、専用ゲーム機もネット接続して多様なコンテンツと利用可能なプラットフォーム構築を企図している一方で、スマートフォンやタブレットなどによる専用ゲーム機以外経由でのゲーム提供が急速に拡大している点をあげています。

また、世界市場では、単純にゲームの世界だけにとどまらず、電子書籍など多様なプレーヤーを含めたグローバル競争が激化する時代に突入しています。

最近では、ゲームの要素を他のサービスやアプリケーションなどに展開するゲーミフィケーション(Gamification)の次のトレンドとして注目を集めています。

日本のゲーム市場は、今後は縮小が見込まれる一方で、アジアなど世界市場では急速に成長する分野として期待されています。

調査会社のシード・プランニングが2010年12月21日に公表した「ソーシャルゲームの世界市場動向とビジネスモデル分析調査」によると、市場は継続的に成長するものの、2012年以降はやや鈍化する傾向が見られます。

ソーシャルゲーム市場規模 2009年-2014年

国内で成功しているDeNAやGREEなどのゲーム業界も世界市場を視野にいれて、事業を推進しています。

DeNAの2010年度 決算説明会資料 2011.4.28を見ると、2014年度のビジョンにおいては、2010年度1,127億円から、国内事業を成長させつつ、2014年にはグループの売上高を4,000億円から5,000億円とし、国内・国外の事業構成を50:50に目指しています。世界市場ではほぼゼロのから国内市場と並ぶ事業収益に育てていくために、急速に舵を切ってくるでしょう。

image

出所:DeNAの2010年度 決算説明会資料 2011.4.28

また、GREEの2011年6月期の第4四半期決算を見ると、プラットフォームの仕様共通化を進め、海外事業の加速に向け、北米の現地法人に加え、中国の北京にGREE Beijing(仮称)を設立するなど、事業拠点もさらに増やして予定です。また、スマートフォン向けゲームなどを展開する企業とも資本提携し、さらにはさらに今後、欧州やアジア諸国など世界各地に拠点 を設ける予定です。

先日、JETRO主催の「ゲーム分野の海外最新事情および海外ビジネス展開セミナー」に参加をしてきましたが、中小企業のゲーム開発の業界においても海外に進出していかなければゲームビジネスが今後成り立たないという強い危機感と、世界に大きな市場がこれから大きなビジネスチャンスがあるという期待が入り混じったセミナーで、今後の大きな変化の予兆を感じました。

世界のゲーム市場において、日本がコンソール型、そしてソーシャルゲームともに、日本企業が競争環境で勝負できる環境は整っています。しかし、海外への展開を躊躇すれば、瞬く間に産業構造は変化し、苦戦を強いられる可能性があります。日本のソーシャルゲームは、サービス品質やビジネスモデル的にも世界をリードしていると考えられ、この先、さらに世界市場、特にアジアにおいて存在感を示すことができるか、重要な岐路に立っているのかもしれません。

※担当キュレーター「わんとぴ

OneTopi「クラウド」@cloud_1topi(クラウド)   OneTopi「情報通信政策」@ict_1topi(情報通信政策) OneTopi「電子書籍」@ebook_1topi(電子書籍)

OneTopi「モバイル」@mobile_1topi(モバイル) OneTopi「SmartTV」@smarttv_1topi(スマートテレビ)

OneTopi「地域活性化」@localict_1tp(地域活性化)OneTopi「スマートシティ」@smartcity_1tp(スマートシティ)

MASAYUKI HAYASHI

« 2011年8月31日

2011年9月1日の投稿

2011年9月2日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ