『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2011年8月30日

2011年8月31日の投稿

2011年9月1日 »

パソコン、携帯(スマートフォン)に続いて、今後大きなビジネスモデルの進化が予想されているのが、「スマートテレビ」です。

経済産業省の2011年8月11日の「産業構造審議会情報経済分科会中間とりまとめ」資料では「スマートテレビ」について以下のとおり整理しています。

○放送でも通信でもコンテンツ提供が可能なスマートTVの出現により、通信型のコンテンツ提供サービスがTV画面へ進出。従来の競争構造が大きく変化する可能性。

○また、スマートTVにおいては、コンテンツストアとハード(OS)をグーグル等が仕切る世界が生まれることとなり、従来の日本のお家芸であった、液晶テレビ等においても、ハードのみのビジネスではレントが大きく喪失する可能性(他方、多数の日本企業は3Dの品質を競争の基軸として事業展開)。

image

これまで、放送と通信の融合について、政策的や技術的などの視点から様々な議論や検討が時間をかけて進められてきましたが、ここにきて、動画配信サイトのHuluの日本市場進出など、国内にテレビ産業においてもグローバル化が進み、産業構造が大きく変化していく可能性が考えられます。

本取りまとめでは、電波の割当てに応じた国内市場向けビジネスからインターネット網を前提としたグローバル展開の可能性の高まりをあげています。そして、テレビのOSはグーグル等が握る可能性があり、インターネットTVへの進化によるTVメーカーの付加価値の喪失の可能性があると指摘しています。テレビは、パソコンやスマートフォンと同様の設計で製造できるようになれば、価格競争が激化し、日本のTVメーカーの競争優位性は弱まると考えられます。さらに、スマートフォンなどと同様に、AndroidやiOSがプラットフォームの覇権を握る可能性が十分に考えられます。

国内におけるテレビ視聴時間の推移は、情報通信白書2011の調査によると、5年前と比べると「全体は微減」「若年層は大きく減少」「シニア層は増加」という傾向となっています(関連記事)。これらの調査を見る限り、テレビの視聴率の減少は進むと考えられ、「スマートテレビ」のデマンド型へのニーズが高まっていくと予想されます。

ブラウン管のテレビの時代から、テレビは日本メーカーがグローバル市場において、存在感を示していた市場ですが、産業構造の変化に伴い、日本の放送局、テレビメーカー、そして、テレビCM向けの広告事業者などは、事業の見直しをしつつ、グローバル市場を視野にいれたテレビ向けサービスのあり方についてもさらに踏み込んだ議論や検討を進めていく必要が出てくると考えられます。

「スマートテレビ」の産業構造変化は、多くの規制に守られている領域で、テレビの購入サイクルが長いため、パソコンやスマートフォンと比べると、時間がかかると思われますが、市場へのインパクトは大きく、グローバル市場を視野にいれ着実に産業構造が変化していく可能性が考えられます。今後さらに競争の厳しい市場になると予想されますが、多くの事業者にとっては、またとないビジネスチャンスと考えられ、創造的破壊と新しいビジネスが創造される分野として期待されるところです。

※担当キュレーター「わんとぴ

OneTopi「クラウド」@cloud_1topi(クラウド)   OneTopi「情報通信政策」@ict_1topi(情報通信政策) OneTopi「電子書籍」@ebook_1topi(電子書籍)

OneTopi「モバイル」@mobile_1topi(モバイル) OneTopi「SmartTV」@smarttv_1topi(スマートテレビ)

OneTopi「地域活性化」@localict_1tp(地域活性化)OneTopi「スマートシティ」@smartcity_1tp(スマートシティ)

MASAYUKI HAYASHI

« 2011年8月30日

2011年8月31日の投稿

2011年9月1日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ