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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2010年8月2日

2010年8月3日の投稿

2010年8月4日 »

6月に「クラウド(データセンタ)特区(仮称)に関する公開情報まとめ」のブログでご紹介させていただきましたが、政府は、特区の創設に向けて様々な施策展開を検討しています。中でも注目されているのは、海外では既に導入が進んでいるコンテナ型データセンターの設置です。日本においては、建築基準法や消防法などの規制で、コンテナ型データセンターが設置できない状況となっており、クラウド(データセンタ)特区や、情報通信利活用一括促進法の策定による規制緩和の対応を進めています。

クラウド(データセンター)特区の創設の動きに伴い、各自治体でも誘致に向けて、税制優遇施策の検討を進めるなど、対応を進めています。

一方、受け入れ側の政府においては、内閣官房 地域活性化統合事務局にて、「構造改革特別特区域推進本部」を設置し、構造改革特区創設に向けて各自治体から募集をしています。地域活性化統合事務局が7月21日に公表した「構造改革特区及び地域再生に関する検討要請の実施について(お知らせ)」の「資料1(PDF)」では、提案自治体や要望事項などの一覧が確認できます。

要望事項一覧で目立っているのが、コンテナ型データセンターの規制緩和に関する要望事項です。コンテナ型データセンターと関連する要望事項について以下のとおりリスト化してみました。

提案主体名 要望事項 規制所管庁/
関係省庁
北海道 コンテナ型データセンター(サーバー機器などを収容した輸送用コンテナ)の建築基準法の建築物からの除外 国土交通省
美唄市 コンテナ型データセンター設置にかかる要件の緩和 国土交通省
石狩市 データセンターの電気設備に係る主任技術者の兼任基準の緩和 経済産業省
石狩市 データセンターの電気設備に係る法定点検周期の緩和 経済産業省
石狩市 コンテナ型データセンターにおける建築確認申請の省略 国土交通省
石狩市 コンテナ型データセンターのみを収容する建築物における建築確認申請の省略 国土交通省
石狩市 コンテナ型データセンターについては、建築基準法上の建築物としては扱わない。 国土交通省
石狩市 データセンターにおけるサーバー類及び電気設備の法定耐用年数の柔軟化

総務省
経済産業省

石狩市 データセンター建築に係る事前着手 国土交通省
石狩市 データセンター建築に係る建築確認手続きの簡素化 国土交通相
石狩市 企業立地促進法の計画期間の緩和 経済産業省
石狩市 企業立地促進法に基づく交付税補てん対象の拡大 経済産業省
石狩市 寒冷高緯度地域における情報通信基盤整備等への財政支援制度の創設 総務省
石狩市 環境配慮型データセンターへの支援制度創設

総務省
経済産業省
環境省

石狩市 データセンター移設費用に対する支援制度創設

総務省
経済産業省

岩見沢市ほか コンテナ利用による「環境配慮型クラウドデータセンター」実現に向けた省エネ法に関する特例措置

総務省
経済産業省

岩見沢市ほか コンテナ利用による「環境配慮型クラウドデータセンター」実現に向けた評価指標の確立

経済産業省
国土交通省

岩見沢市ほか コンテナ利用による「環境配慮型クラウドデータセンター」実現に向けた官民協働など利用促進措置

総務省
経済産業省

青森県 コンテナ型データセンターの建築基準法に関わる規制の緩和

国土交通省

青森県 コンテナ型データセンターの消防法に関わる規制の緩和 総務省
茨城県 45ftコンテナに係る諸規制の緩和 国土交通省
宮城県

コンテナ型データセンターに係る建築基準法及び消防法の緩和

総務省
国土交通省

 

提案数で最も多いのが、北海道石狩市です。既に、さくらインターネットが「石狩データセンター(仮称)」の建設を明らかにしており、今後のデータセンター建設にあたって様々な規制緩和の検討が進められていることがこのリストから確認することができます。

また、岩見沢市では、(株)はまなすインフォメーション、(株)トリエス、(株)オラクル、ネットワンシステムズ(株)、新日鉄ソリューションズ(株)、日本電気(株)、(株)アクセンチュア、(株)創建社、(社)北海道地域総合研究所、NPOはまなす活性化推進機構、といったように連名で申請をしています。岩見沢市では過去、コンテナ型データセンターの実証も実証しており、コンテナ型データセンター誘致に向けて体制整備を進めているようにも見受けられます。

その他、青森県、宮城県、茨城県といった自治体も名前を連ねており、いずれも原発の電源立地の地域を持つ地域でもあります。

以前のブログでも紹介をさせていただきましたが、4月10日の日経新聞の一面には、特区に関する記事が掲載されています。

記事の中では、

2011年春にも北海道か東北に特区を創設する。国内最大級のデータセンターの構築を目指し、建築基準法や消防法の適用除外などで設置コストを軽減する。

といったような内容が掲載されていますが、今回の構造改革特区の提案一覧を見る限り、北海道や東北地域での特区創設検討の動きが進んでいることが確認できます。

公開されている情報を確認する限り、クラウド(データセンタ)特区の創設は、2011年春となっています。

既にIIJは松江市、日本ユニシスは福井の原発周辺の電源立地の地域を選定していることが、日経新聞などで明らかになっており、外資ではマイクロソフトは館林の富士通のデータセンター、セールスフォースやアマゾンは東京近郊でのクラウドサービスの提供などが明らかになっています。

政府、自治体、日米のクラウド事業者など、ここ数年の動きが、今後のクラウドビジネスやクラウドビジネスのグローバル化、そして、日米のトラフィックの流れにおいて、大きな影響を与えることになるでしょう。日本上陸でのスカイコンピューティング戦争前夜、どのような幕開けをし、どのような市場争いが繰り広げられるのか、今後が注目されます。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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