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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

フリーライターの痛いWebマーケティング

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ITに強いビジネスライターの森川滋之です。

「"ビジネスライター"などと言われてもよく分からん」という人も多いようなので、一応ホームページに説明図を載せています。こちらにも載せておきます。

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◆自己紹介代わりに――「ビジネスライター」とは?

オレンジ色の楕円がビジネスライターの定義で、周囲の青い円が具体的な仕事ですが、たぶん分かりにくいですよね?

オルタナティブブログへの投稿は初めてなので、自己紹介代わりにもうちょっと具体的に書きます。

基本的にはIT関連の記事を書くことが多いです。IT関連の記事と聞くと、ガジェットの紹介とか、クラウド上の便利なサービスの比較だとか、そういうコンシューマー向けの記事を思い浮かべる人が多いんじゃないかと思います。

ですが、この辺は数多のGeek(中にはそうとも言えない人もいますけど)がひしめくレッドオーシャンで、そんな領域で食べていくのは大変そうです。

一方、エンタープライズシステムやSIerビジネスについて書ける「フリーライター」というのはあまりいません。システム開発はまだしも、運用・保守関連ともなるとほとんどいないと言っていいでしょう。

書ける人がほとんどいないと言うことじゃないんです。この手の記事を書けるのは、SIerやコンサルティング会社の社員だったり、日経BPなどに在籍する本職の記者だったりします。まあ、堅気の人たちですね。

しかし、それだけだと慢性的に書き手不足になるため、僕のようなフリーライターにも依頼が来ることになります。

しかし、その原稿料だけでは食べられません。僕は僕で媒体に寄稿することで実績を作って、その実績をベースに企業の導入事例やコラムあるいは小冊子制作のような、ある程度原稿料のいただける仕事をもらって生計を立てています。

つまり、コンテンツはビジネスについてだし、(出版社以外の)法人がお客様ということで、「ビジネスライター」と名乗っているというわけです。

地味な仕事でして、大ブレイクする可能性は小さいけれど、まあまあ安定的な仕事ではないでしょうか。それなりに自由がある上に、有意義な話も聞けるので、僕はとても満足しています。

◆フリーライターだってWebマーケティング的なことも必要

仕事をもらうきっかけは、紹介、知人からの依頼、ライター募集への応募、Webからの問合せです。多くはリピーターになってくださいますが、毎月のようなスパンでコンスタントに仕事をくださるところは少なく、顧客数は多いに越したことはありません。

今は応募して、継続的に書かせてもらっているというのが一番多いです。昨年の夏ぐらいまでは、紹介あるいは知人からの依頼に頼っていたのですが行き詰まってしまい、積極的にライター募集に応募した結果です。

最近増えてきたのが、Webからの問合せです。これも、昨年の行き詰まりの反省から、ホームページを作り直したのが良かったのだと思います。そして、今後はこれを増やしていきたいと考えています。

Webからの問合せを増やしたいのであれば、当然ながらWebマーケティング的なことも必要になってきます。

◆私見では、フリーライターはPPCよりSEO

フリーライターの多くはお金がないので、Webマーケティングなどと言ってもやることは限られてきます。

お金があればAdSenceで広告を打ったり、アフィリエーターに宣伝してもらったりということもできますが(どちらも、ライタービジネスとしての効果は疑問ですけどね)、そうでなければPPC広告かSEOぐらいでしょう。

一般的にはPPC広告のほうが柔軟性があって良いと言われます。検索結果の表示順がコンテンツ重視になったため、SEOではあるキーワードで上位表示させようと思うとサイト全体を見直す必要があります。それに対して、PPC広告であればランディングページを追加するだけで、様々なキーワードを試すことができるからです。

ですが、僕はフリーライターにはSEOのほうが良いと思います。

PPC広告が一番力を発揮するのはキャンペーンですが、フリーライターのキャンペーンはちょっと考えられないというのが大きな理由です(「原稿料、今なら半額」なんてやったら、その原稿料で当分据え置かれるでしょう)。

また、少なくともWebで問合せをもらおうというのであれば、「何でも書けます」では話にならず、得意分野と特徴で絞り込む必要があります。であれば、サイトのコンテンツを尖らせていくということになります。これは、まさに現代のSEOそのものです。

裏を返せば、検索結果の上位に来ないサイトを作っているようなフリーライターでは、Webから問合せをもらうというのは難しいということです(Webからの問合せが要らない人には関係ない話ですが)。

◆SEO自体は簡単だがキーワード検討は難しい

SEOなどと言うとちょっとハードルが高いと思う人もいるかもしれません。それこそお金が掛かると思っている人もいるでしょう。しかし、そんなことはありません。

実際、「ビジネスライター」というキーワードで検索してもらうと、僕のサイトが1位に来ています。まあ、「ビジネスライター」などという職種は、僕がでっち上げたものなので当然と言えば当然なのですが。

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ただ、やるべきことは少ししかなく、特に重要なのはキーワードにふさわしいコンテンツを継続的に増やしていくということなので、ライターであれば得意なことだと思われます。

しかしながら、どんなキーワードでSEOをするかというのはとても難しいことです。

僕は先日このことを痛感しました。

あるWeb広告会社から問合せをいただきました。SIerのお客様が多いのだけど、書けるライターがほとんどいないとのこと。訪問した時に、僕は社長に伺いました。

僕:どうやって僕のことを知ったのですか?

社長:検索しました。

僕:ちなみにキーワードは何ですか?

社長:"ITライター"です。

僕:え? それで上位に来ましたか?

社長:3ページ目ぐらいにありました。

かなり必死に探したのだと思います。普通は3ページ目などは存在しないも同然ですから。

Webマーケティングのプロでない者にとって、こんなことが意外な盲点だったりするんです。

僕は、「ビジネスライター」でSEOをしていました。なので、検索トップに来るわけですが、これはどう考えても「ITライター」のほうがキーワードとして良さそうな気がします。

そこで、すぐに「ITライター」でも上位に来るようにSEOしました。最高2位まで行きましたが、現在は6位あたりをうろちょろしています。SEOとしてはまあまあの成功でしょう。

◆マジかorz

SEOが功を奏したのか、いきなり「森川さんとぜひ一緒にお仕事がしたい」という問合せが来ました。結構著名なWeb媒体からです。

やるべきことはネットマーケティングだと思いましたよ、その時は。

で、もちろん聞いてみました。

僕:どうやって僕のことを知ったんですか?

担当者様(以下、担):それが、私は月島に住んでいまして......

僕:(???)

担:ネットでタウン情報が送られてくるんですよ。ネットに月島のお店の記事なんかが載るとリンクが付きのメールが来るんですね。

僕:ああ。もしかして、「まさみ」ですか?

担:そうです。記事が面白かったんで、どんな人が書いているのか調べたら、何とITの記事も書けるということなので、問合せしたんです。

いやあ。がっくりきましたね。

まさみ」というのは、日経BPのJAGZYというサイトで「愛を求めて やきとり漂流」という連載を持っているのですが、そこで取り上げたお店です。

この連載は、グルメレポートでもありますが、どちらか言うと「なぜこのやきとり屋は繁盛しているのか」ということについて書くほうに主軸を置いているので、ビジネスライターの仕事の1つと僕は捉えています。JAGZY自体、日経ビジネスのサブ・サイトですし。

ですが、せっかくのSEOの効果ではなく、やきとり屋さんの記事から仕事の話が来るなんて......。

まあ、「やきとり漂流」はそれなりにきちっと取材して、一生懸命書いているからこそ興味を持ってもらえたということで、結局は成果物次第で選ばれるということなんだと再認識した次第です。

ちなみSEOはしていませんが、「やきとりライター」で検索すると、トップを含めて4位までに3件僕のサイトが入ります。実は、「日本初のやきとりライター」と僭称しているからです。でも、もちろんこんなキーワードで検索する人はいません(笑)。

▼「ITに強いビジネスライター」森川滋之オフィシャルサイト

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