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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

衆院選2026:Xの議論をAI OSINTで徹底分析:中道改革連合についてX民はどう言っているか?

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Gemini 3 ProのOSINT機能、つまりネット上に存在するありとあらゆる資料やSNS投稿などから意味のあるものを見つけてきて、プロンプト作成者の意図に基づいて構造的な整理を行い、分析をかけ、緻密な論理に基づく報告書を生成する機能は、やはり頭抜けたものがあります。必要に応じて60分でも120分でも必要な資料を探し回る馬力はChatGPT 5.2にはないものです。

衆院選2026の選挙トレンドを分析するためのChatGPTないしGeminiを活用した手法をあれこれ試しています。以下のベイズ確率的統合は、新聞やTVが用いているランダム・デジット・ダイヤリングによる架電をベースにした「世論調査」に比べれば、はるかに"知的"です。既知の内閣支持率(世論調査に基づく)に、公開資料を精査して分析した結果をベイズ確率的に統合するので、シルバー世論にネット世論で修正をかける形になり、「世論調査」の古臭さを是正します。

AIが「ベイズ確率的統合」で衆院選シナリオを詳細予測。結果は高市早苗政権が継続(2026/1/22版)

ただ惜しむらくは上の投稿のやり方ではSNS投稿のトレンドを織り込むことができませんでした。現在、それを修正するSNS投稿トレンドを織り込む手法を開発中です。近々、首都圏の動向を極めて解像度の高い形で分析した結果をお届け予定です。

さて。ベイズ確率論的統合という新しい時代の分析手法はよいとして、もっと素朴な疑問として、「Xの中ではどのような議論がなされているのか?」、また、私のような60代には縁遠い「TikTokの中ではどのような空中戦が繰り広げられているのか?」というものがあります。

Gemini 3 Proは比較的素朴なプロンプトでも対象メディアの議論の中身を丁寧に分析、報告することができるので、「Xでは衆院選2026についてどのような議論がなされているのか?」を聞いてみました。出てきたレポートが以下です。末尾の引用文献の多さにご注目。

Xでは、極端な言説を展開して膨大なインプレッション、いいね、リポストを集めるテクニカルな影響力行使が大きな問題ですが、それについても以下のレポートでは冷静に指摘しておりXの中で起こっていることが皆目わからない方々には大いに参考になります。私の肌感覚でもフェアな分析になっていると思います。

なお、国民民主党についての言及がないですが、これがなぜ起こっているのか不明です。修正するには、最初のプロンプトで、どの政党を分析対象にするか明示的に指示すればOK。以下のレポートは「素朴なプロンプトで何が生成されるか?」を理解する実験的な試みという意味があり、そのまま掲げます。他意はありません。参政党についても同様です。


2026年衆議院総選挙におけるX上の言説と政治構造の変容に関する包括的分析報告書

1. 序論:2026年体制の幕開けと「情報の戦場」

2026年2月8日に投開票が予定されている第51回衆議院議員総選挙は、日本の戦後政治史において特異点となる極めて重要な選挙である。本報告書は、ソーシャルメディアプラットフォーム「X(旧Twitter)」を中心としたデジタル言説の分析、および現地取材や報道資料に基づく政治動態の調査を統合し、現在進行形で何が起きているのかを客観的かつ包括的に分析したものである。

今回の選挙を特徴づける要素は、複合的かつ構造的なものである。第一に、約四半世紀にわたり日本の政権運営の基盤であった自由民主党(自民党)と公明党の連立関係が解消され、立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合(略称:中道)」が結成されたことによる政界再編である 1

第二に、高市早苗首相率いる政権が「保守ナショナリズム」を掲げ、70%を超える高い内閣支持率を維持しながら選挙戦に突入するという、過去の長期政権末期とは異なる力学が働いている点である 3

第三に、生成AI(人工知能)技術の汎用化に伴い、ディープフェイクや偽情報が選挙戦術として高度化・拡散し、有権者の認知領域がかつてない脅威に晒されている現状である 5

本報告書では、これらの要素がX上の言説空間でどのように受容、増幅、あるいは歪曲されているかを詳細に追跡する。特に、「戦後最短」とされるわずか12日間の選挙戦(1月27日公示、2月8日投開票)がいかに情報の質を劣化させ、有権者の判断を感情的な「バズ」や「ミーム」へと誘導しているかについて、多角的な視点から論じる 7

2. 政治的再編のマクロ分析:自公連立の終焉と「中道」の実験

2026年衆院選の最大の争点は、従来の「自公 vs 野党」という構図の崩壊と、それに伴う有権者の混乱である。X上の反応は、この歴史的転換に対する戸惑いと、新たな対立軸の模索を鮮明に映し出している。

2.1 「中道改革連合」の結成とデジタル空間の反応

2026年1月16日、立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表は新党「中道改革連合」の結成を発表した 2。これは、高市政権の急激な右傾化に対抗し、リベラルと穏健保守、そして福祉重視の層を結集させる「中道勢力の結集」を意図したものである。

Xにおける反応の二極化

この合流に対し、X上の言説は大きく二分されている。

  • 批判的言説(「野合」批判): 最も支配的なネガティブ反応は、「野合(やごう)」という批判である。長年、自民党の補完勢力として機能してきた公明党と、政権批判を繰り返してきた立憲民主党が手を組むことに対し、右派(自民支持層、日本保守党支持層)からは「節操がない」、左派(共産党支持層、れいわ新選組支持層)からは「第二自民党化」との批判が噴出している 9。特にハッシュタグ「#中道改革連合」周辺では、新党名を「昭和の香りがする」「古臭い」と揶揄する投稿や、過激派組織「中核派」をもじった「中革派」というレッテル貼りが散見され、ブランディングにおける苦戦が伺える 9
  • 肯定的言説(「現実路線」への期待): 一方で、高市政権の強硬な保守路線に対する防波堤として、現実的な選択肢を評価する声も存在する。世論調査においても、結党直後の政党支持率で自民党に次ぐ2位を記録しており、無党派層の一部には「安定した対抗軸」として受容されている兆候がある 1

組織票とデジタル票の乖離

X上の分析で特筆すべきは、組織論理とデジタル世論の乖離である。公明党の支持母体である創価学会票(F票)の動きは、従来「鉄の団結」とされたが、今回の合流によりSNS上では学会員と見られるアカウントからも戸惑いの声が漏れている。「仏教用語としての中道」を理念とする公明党が、リベラル色の強い立憲と組むことへの教義的な整合性を問う議論も発生しており、これが実際の得票行動にどう影響するかが焦点となっている 8

2.2 高市政権の「保守ナショナリズム革命」

対する自民党は、高市早苗首相の下でイデオロギー的純化を進めている。X上では、彼女を支持する層によって「保守ナショナリズム革命」が必要であるというナラティブ(物語)が強力に推し進められている 3

経済楽観論との結合

高市政権への支持を支える大きな柱は、株高への期待感である。著名な経済アナリストらが「与党大勝なら日経平均7万円へ」といった極めて強気な予測をYouTubeやXで発信しており、これが投資に関心を持つ層(特に若年層や個人投資家)を引きつけている 3。X上では「#高市政権」や「#日経平均」といったタグと共に、株価上昇を政権の手柄として称賛する投稿が溢れており、経済的な実利とナショナリズムが結合した強固な支持層を形成している。

「強さ」の演出と若年層への浸透

高市首相のメディア戦略は、Xの動画文化と親和性が高い。ニコニコ生放送での党首討論や高校生との対話企画では、政治的な硬い話題だけでなく、メイクやファッションといった「柔らかい」トピックにも言及し、その切り抜き動画がTikTokやXで拡散されている 11。これにより、従来の自民党支持層(高齢者・組織票)に加え、政治的関心が薄い層に対しても「親しみやすいリーダー」「強い女性宰相」というイメージを植え付けることに成功している。

政治勢力

X上の主要ナラティブ

支持層の特性

デジタル戦略の傾向

自民党(高市政権)

「強い日本」「株高」「保守本流」

保守層、投資家、若年層の一部

動画コンテンツ(切り抜き)、経済指標のアピール、インフルエンサー活用

中道改革連合

「権力の暴走阻止」「生活者目線」

リベラル層、旧公明支持層、穏健保守

組織的な拡散、政策解説(しかし「野合」批判の対応に追われる)

日本維新の会

「身を切る改革」「真の第三極」

無党派層、現役世代、アンチ既得権益

地方議員によるドブ板的なSNS活動、徹底的な他党批判

れいわ新選組

「消費税廃止」「現金給付」

ロストジェネレーション、貧困層

ミーム画像、短尺動画による感情訴求、ハッシュタグデモ

3. デジタル空間における情報環境の変質:AIと偽情報の氾濫

2026年選挙において最も警戒すべき現象は、情報環境の劇的な劣化である。生成AI技術の普及により、真偽不明の情報が、精巧な視覚的証拠を伴って拡散されている。Xの「コミュニティノート」機能等による自浄作用は、情報の拡散速度に追いついていないのが実情である。

3.1 ディープフェイクによる「本人性」のハイジャック

高市首相を標的としたディープフェイク(AIによる偽動画)の拡散は、深刻なレベルに達している。

投資詐欺への悪用

XやYouTubeの広告枠において、高市首相が特定の投資プラットフォームや暗号資産を推奨しているかのように見せる偽動画が大量に出回っている 13

  • 手口: 実際の記者会見や演説の映像をベースに、AIで音声を生成し、口の動き(リップシンク)を合わせることで、違和感なく喋らせている。
  • 影響: 自民党公式アカウントが注意喚起を行う事態となっているが 13、これらは単なる詐欺被害にとどまらず、「首相の発言の真正性」そのものを揺るがす。有権者が「動画で見ても本物かわからない」という疑心暗鬼に陥ることで、正規の政治メッセージの伝達力が阻害される「嘘つきの配当(Liar's Dividend)」効果が生じている。

政治的対立を煽る偽造

より政治的な文脈では、高市首相と立憲民主党の辻元清美議員が総裁室で握手をしている偽画像が拡散された 5

  • 文脈: 高市氏を「隠れリベラル」「裏切り者」として描こうとする、党内対立や右派層の離反を狙った高度な偽情報工作(インフルエンス・オペレーション)の可能性がある。
  • 検証: 日本ファクトチェックセンター(JFC)等の検証によりAI生成であることが証明されたが、拡散された画像を見たユーザーの一部は、訂正情報に触れることなく、誤った認識を持ち続けている可能性が高い。

3.2 「ゾンビデマ」の再燃:現金給付情報の錯綜

経済的不安を背景に、過去の政策に関するデマがゾンビのように蘇り、拡散されている。

  • 「一律10万円給付」の流布: 2020年のコロナ禍で行われた特別定額給付金のニュース映像や記事のスクリーンショットが、日付を隠された状態で拡散されている 15
  • メカニズム: れいわ新選組などが掲げる「季節ごとの10万円給付」等の公約 17 と、過去のニュースが混同され、「政府が給付を決定した」という誤情報として、生活に困窮する層の間で急速に広まる。
  • X上の反応: 期待とぬか喜び、そして真実を知った際の落胆が、現政権への理不尽な怒りへと変換され、投票行動に影響を与えている。

3.3 排外主義的ナラティブと「外国人参政権」デマ

「高市政権や中道改革連合が外国人参政権を導入しようとしている」あるいは「すでに外国人が投票している」という偽情報も、X上で根強く拡散されている 5

  • 事例: 韓国の総選挙における在日韓国人の投票風景(在外投票)を映したニュース映像が、「日本の国政選挙で外国人が投票している証拠」として文脈を改変されて流布された。
  • 背景: これは、高市政権の支持基盤である保守層の不安を煽り、より過激な排外主義政党(日本保守党など)への誘導を図る、あるいは中道改革連合への攻撃材料として利用されている。

3.4 フィルターバブルとファクトチェックの限界

Xのアルゴリズムは、ユーザーの既存の信念を補強する情報を優先的に表示するため、ファクトチェック記事が届くべき層(誤情報を信じている層)に届かない構造的問題がある。JFCなどが精力的に検証を行っているが 5、訂正記事の拡散力(RT数)は、扇情的なデマの拡散力に比べて桁違いに小さいことが多い。

4. 地域選挙区における「混乱」の微視的分析:愛知県を事例として

国政レベルでの「自公解消」「中道結成」という地殻変動は、地方の選挙区において極度の混乱と軋轢を生んでいる。特に、これまで自公協力が強固であった愛知県(東海ブロック)の事例は、今回の選挙の構造的特異性を象徴している。

4.1 愛知15区:乱立する候補者と崩れる仁義

愛知15区(豊橋市、田原市)は、かつてない激戦区となっている 18

  • 構図: 自民党現職の根本幸典氏に対し、中道改革連合(旧立憲・公明)、日本維新の会(関健一郎)、れいわ新選組(辻恵)、共産党などが挑む、極めて多極的な構造である。
  • 中道の苦悩: 公明党組織にとって、長年敵対していた旧立憲系候補を支援することは容易ではない。現場からは「昨日までの敵を今日から応援しろと言われても無理だ」という悲鳴にも似た声がSNS上で観測される。根本氏(自民)は「食料安全保障」などを掲げ保守層を固めるが 19、維新の関氏は無党派層を、れいわの辻氏は反緊縮層を切り崩しており、票の行方は混沌としている。

4.2 愛知9区:世代と組織の代理戦争

愛知9区(稲沢市など)では、旧来の政治と新しい政治の対立が鮮明である 20

  • 自民 vs 中道: 自民現職の長坂康正氏(厚生労働副大臣経験者)は、強固な後援会組織を持つベテランである 21。対する中道改革連合の岡本充功氏(医師、元立憲)は、公明票の上積みを狙うが、過去の選挙戦での遺恨が完全に払拭されているとは言い難い 20
  • 新興勢力の台頭: ここに割って入るのが、日本維新の会の新人・浦上なな氏(25歳)と、参政党の加藤たいち氏(27歳)である 20。特に浦上氏はX等のSNSを駆使し、「20代としての責任」「身を切る改革」を訴え、既存政党に失望した若年層への浸透を図っている 24
  • 分析: 組織力で勝る長坂・岡本両氏に対し、SNSネイティブ世代の候補者がどこまで肉薄できるかは、今回の「デジタル選挙」の影響力を測る試金石となる。しかし、12日間という超短期決戦は、知名度不足の新人にとって致命的なハンデとなっており、X上でのバズを実際の投票行動(投票所への足運び)に変換できるかが最大の課題である。

4.3 「戦後最短」が生む現場の疲弊

X上では、選挙管理委員会(選管)の悲鳴も可視化されている。

  • 入場券の未達問題: 解散から投開票までわずか16日という日程のため、投票所入場券の印刷・発送が間に合わない自治体が続出している 25。これは有権者に「入場券がないと投票できない」という誤解を与え、投票率低下を招く懸念がある。
  • 候補者の焦り: 候補者は「とにかく時間がない」と口を揃え、1日10時間の街頭演説や、事務所の共同利用(中道系候補に見られる現象)など、なりふり構わぬ戦術をとっている 26。この必死さがXで拡散される一方、政策論争を深める時間は物理的に消滅しており、名前の連呼とイメージ戦略に終始せざるを得ない状況を生んでいる。

5. ソーシャルメディア(X)上の言説分析:ハッシュタグとインフルエンサー

Xは今や、単なる情報共有ツールではなく、政治的動員と世論形成の主戦場である。

5.1 主要ハッシュタグのトレンド分析

  • #衆院選2026: 最も一般的なタグだが、内容は玉石混交。ニュース記事のシェアから、個人の政治的信条の吐露、さらには無関係なスパム投稿までが混在している 27
  • #フェイクニュース / #偽情報: ユーザー自身が情報の真偽を疑い、警告を発するために使用される。しかし、皮肉なことに、自分と異なる意見を「フェイクニュース」とレッテル貼りして攻撃する道具としても使われており、タグ自体の信頼性が低下している 28
  • #政権交代 vs #高市政権支持: 支持政党を明確にするタグ。前者はれいわ・共産支持層が中心となり、後者は自民・保守党支持層が中心。両者のクラスターは分断されており、対話はほとんど成立していない。

5.2 インフルエンサーの影響力

  • 百田尚樹(日本保守党): X上での発信力は圧倒的であり、既存メディア(テレビ・新聞)への不信感を煽ることで、強固な支持コミュニティを形成している 30。高校生との対話動画などが拡散されており、若年層へのリーチも無視できない。
  • 山本太郎(れいわ新選組): 街頭演説のショート動画がTikTokやXのリール機能で爆発的に拡散される。「消費税廃止」というシンプルで力強いメッセージは、複雑な経済論争を飛ばして、生活実感に直接訴えかける力を持つ 17
  • 一般ユーザーの「論客化」: 専門家ではない一般ユーザーが、断片的な情報を繋ぎ合わせて独自の「分析」や「陰謀論」を展開し、数万のリポストを獲得する現象が常態化している。これにより、公式見解よりも「わかりやすい物語」が真実として定着しやすい環境ができている。

6. 「戦後最短」短期決戦がもたらす構造的影響

今回の選挙が「戦後最短」であることは、単なるスケジュールの問題を超え、民主主義の質に深刻な影響を与えている。

6.1 政策論争の空洞化と「イメージ選挙」の極致

準備期間の不足は、マニフェスト(政権公約)の熟読や、候補者同士の公開討論会の開催を困難にしている。結果として、有権者の判断材料は、X上の短い動画クリップ、キャッチーなスローガン、そして候補者の「顔」や「雰囲気」といった非言語情報に依存することになる 32。これは、複雑な政策課題(社会保障、外交防衛、エネルギー政策)を単純化し、ポピュリズムを助長する土壌となる。

6.2 組織力の優位と新人の排除

デジタル空間では新人がバズるチャンスがあるように見えるが、実際の選挙戦(ポスター貼り、選挙カーの手配、動員)において、短期決戦は圧倒的に現職と組織政党(自民、中道改革連合の旧公明部分)に有利である。準備不足のまま突入した新人候補は、物理的な露出量で劣勢を強いられ、Xでの活動に活路を見出さざるを得ないが、アルゴリズムの壁を突破するのは容易ではない。(今泉注:Xのアルゴリズムは高度化しており、「宣伝、宣伝したメッセージ」は拡散されにくくなっている。選挙戦で「宣伝、宣伝したメッセージ」をXに投下してもほとんど影響力はない。一方で、Xを以前から活用してきた国民民主党の玉木代表は、どこをどういじれば拡散しやすいか暗黙知的な知恵が既にあるようで、うまく使いこなしている。一言で言えば、人間臭い、ハプニングを意図的に情報発信の起爆剤とする、ユニークな<その人しかできない>投稿戦術が成功する。

6.3 投票率への懸念

入場券の遅配や、急な日程設定による周知不足は、無党派層の投票意欲を削ぐ要因となる 25。組織票を持つ自民・公明(中道)が相対的に有利になる一方、浮動票を頼みとする維新や国民民主党にとっては厳しい環境といえる。

7. 結論:混沌の中の選択

2026年衆院選は、日本の政治構造が「自公連立」という安定期を終え、新たな均衡点を探る過渡期の選挙である。X上での言説分析から浮かび上がるのは、高市政権による「強いリーダーシップ」への渇望と、中道改革連合による「チェック&バランス」への理性的期待、そして経済的困窮が生むポピュリズムへの熱狂が入り混じる、極めてカオティックな情勢である。

デジタル空間は、ディープフェイクや偽情報の嵐に見舞われており、有権者は「何が真実か」を見極めるコストを強いられている。高市首相のAI偽動画や外国人参政権デマは、民主主義の根幹である「正確な情報に基づく投票」を脅かしている。

最終的に、この選挙の結果を左右するのは、X上の「バズ」がいかに現実に着地するかである。保守ナショナリズムの熱狂が勝るか、中道結集の組織力が勝るか、あるいは冷笑と混乱による棄権が広がるか。2月8日の投開票日は、日本の民主主義がデジタル時代の情報の氾濫と、政治的再編の衝撃に耐えうるかを試す、歴史的な審判の日となるだろう。

表1:2026年衆院選における主要政治勢力のポジショニングとデジタル戦略

政党・勢力

代表者

政治的立ち位置

X(SNS)での主な戦略と特徴

自由民主党

高市早苗

保守、ナショナリズム、経済成長

首相のキャラクター(強さと親しみやすさ)を全面展開。ディープフェイク対策に追われる。株高予測を拡散。

中道改革連合

野田佳彦 / 斉藤鉄夫

中道、リベラル保守、福祉重視

「政権の暴走阻止」を訴求。組織票の引き締め。新党名の浸透と「野合」批判への防戦。

日本維新の会

(集団指導体制)

新自由主義的改革、地方分権

既得権益(自民・中道)双方への批判。「身を切る改革」の徹底アピール。若手候補の露出。

れいわ新選組

山本太郎

反緊縮、ポピュリズム、左派

「消費税廃止」「現金給付」のワンイシュー拡散。ショート動画による感情的動員。

日本保守党

百田尚樹

右派ポピュリズム、排外主義

自民党を「リベラル」と批判し、保守層の受け皿を狙う。ネット番組との連携。

表2:X上で拡散されている主要な偽情報・誤情報(2026年1月時点)

内容

真偽

拡散のメカニズム

ターゲット・影響

高市首相の投資推奨動画

偽(AI生成)

広告枠やスパム投稿として大量拡散。

投資に関心のある層からの金銭詐取、政権への信頼低下。

高市氏と辻元氏の握手画像

偽(AI生成)

「裏切り」の証拠として保守層に拡散。

自民支持層の分断、離反誘導。

「一律10万円給付」決定

誤(過去情報)

2020年の記事画像の再利用。

経済困窮層の期待を煽り、実現しなかった際の反政権感情を醸成。

外国人が国政選挙で投票

誤(文脈改変)

在外投票映像を国内投票と偽装。

排外主義的な感情の動員、中道改革連合への攻撃材料。

表3:2026年衆院選のスケジュールと影響

日程

イベント

デジタル・政治的文脈における意味

1月23日

衆議院解散

実質的な選挙戦スタート。Xでのハッシュタグ合戦が激化。

1月27日

公示

ポスター掲示開始。公的選挙運動期間(12日間)の開始。

1月27日 - 2月7日

選挙期間

「戦後最短」の短期決戦。空中戦(ネット・TV)の比重が極大化。入場券遅配問題の発生。

2月8日

投開票日

新たな政治体制の決定。

引用文献

  1. 新党「中道改革連合」結成後、政党支持率や高市内閣支持率はどう ..., 1月 26, 2026にアクセス、 https://go2senkyo.com/articles/2026/01/20/127537.html
  2. 新党名称は「中道改革連合」に...野田・斉藤両代表が発表 : 読売新聞, 1月 26, 2026にアクセス、 https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260116-GYT1T00245/
  3. What to look for in financial statements to identify potential mid, 1月 26, 2026にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=kMANY28EHO8
  4. 【#みんなのギモン】なぜ?高市内閣"高支持率を維持" 自民党「政党 ..., 1月 26, 2026にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=j9EdNqi7G2c
  5. 高市氏を「褒める」偽・誤情報、今後どう変わるか/JFC検証など7本 ..., 1月 26, 2026にアクセス、 https://www.factcheckcenter.jp/fact-check/others/fact-check-weekly-20251012/
  6. 高市早苗氏のAI偽動画詐欺に注意!政治家を狙うディープフェイク ..., 1月 26, 2026にアクセス、 https://gai.workstyle-evolution.co.jp/2025/10/28/takaichi-sanae-ai-deepfake-scam-detection-prevention-guide/
  7. 【衆院選2026】「中道改革」対「保守共闘」 自公解消 - 東愛知新聞, 1月 26, 2026にアクセス、 https://higashiaichi.jp/news/detail.php?id=26476
  8. 中道改革連合 - Wikipedia, 1月 26, 2026にアクセス、 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E9%81%93%E6%94%B9%E9%9D%A9%E9%80%A3%E5%90%88
  9. 中国につけいるスキをも与える公明・立憲の新党「中道改革連合」に潜む想像以上の危険性とは, 1月 26, 2026にアクセス、 https://news.livedoor.com/article/detail/30394643/
  10. 立憲「3日間限定」衆院選候補者公募に「どこまで国民を馬鹿に...」の声 「中道」は「締め切り後」に綱領発表, 1月 26, 2026にアクセス、 https://news.livedoor.com/article/detail/30398702/
  11. 【中継】高市新総裁に野党の反応は? - YouTube, 1月 26, 2026にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=MonLzKLCiPY
  12. 高市首相、国会議員から「ボロッカスに言われた」 メイク激変の ..., 1月 26, 2026にアクセス、 https://www.j-cast.com/2026/01/23511326.html
  13. 高市首相の偽広告が拡散 自民党が注意喚起「AI生成映像にご注意を ..., 1月 26, 2026にアクセス、 https://ledge.ai/articles/takaichi_fake_ad_ai_warning_afp_fake_news
  14. 「高市早苗」首相フェイクAIで個人情報ターゲット 自民党が注意喚起, 1月 26, 2026にアクセス、 https://cybergymjapan.com/%E3%80%8C%E9%AB%98%E5%B8%82%E6%97%A9%E8%8B%97%E3%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%AFai%E3%81%A7%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%83%E3%83%88/
  15. 「サラリーマンや無職でも100万円」SNSで横行する給付金詐欺の実態, 1月 26, 2026にアクセス、 https://diamond.jp/articles/-/246487
  16. 参政党・神谷代表「減税が一番スピーディー」? 減税は給付より時間 ..., 1月 26, 2026にアクセス、 https://www.factcheckcenter.jp/fact-check/politics/inaccurate-tax-cuts-faster-than-cash-handouts/
  17. 参政党 衆院選の公約を発表 外国人政策の厳格化や子ども ... - YouTube, 1月 26, 2026にアクセス、 https://www.youtube.com/watch?v=ADZaawlqNrs
  18. 【衆院選2026】激戦の愛知15区、6人出馬へ 14区は3人 さらに ..., 1月 26, 2026にアクセス、 https://higashiaichi.jp/news/detail.php?id=26492
  19. 【衆院選2026】愛知15区 自民・根本幸典氏が出馬表明 食料安定 ..., 1月 26, 2026にアクセス、 https://higashiaichi.jp/news/detail.php?id=26473
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