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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

中国ヒューマノイド企業:時価総額ランキング5社/欧米VC投資4社/売上高ランキング5社

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中国のヒューマノイド関連企業の中で時価総額の大きな5社(2025年5月時点)

1. Cambricon Technologies(寒武纪科技)

  • 証券コード:688256.SS(上海証券取引所)
  • 時価総額:約2,937億元(約6兆円)
  • 概要:AIチップの設計・開発を手掛け、ヒューマノイドロボットの頭脳となるプロセッサを提供。
  1. UBTECH Robotics(優必選科技)
  • 証券コード:9880.HK(香港証券取引所)
  • 時価総額:約385億香港ドル(約7,700億円)
  • 概要:教育、家庭、産業向けのヒューマノイドロボットを開発・販売。
  1. Changying Precision(長盈精密技術)
  • 証券コード:300115.SZ(深圳証券取引所)
  • 時価総額:約291億元(約6,000億円)
  • 概要:ヒューマノイドロボット向けの高精度部品を製造し、TeslaやFigure AI(米国ヒューマノイド最大手の1社)にも供給。
  1. Unitree Robotics(宇樹科技)
  • 上場状況:未上場(ユニコーン企業)
  • 評価額:約80億元(約1,600億円)
  • 概要:四足歩行ロボットやヒューマノイドロボットを開発し、国内外で販売。
  1. AgiBot(智元机器人)
  • 上場状況:未上場(ユニコーン候補)
  • 評価額:約9.8億ドル(約1,500億円)
  • 概要:産業用途に特化したヒューマノイドロボットを開発し、Tencentなどから出資。

欧米VCが投資する4社

以下は、欧米のベンチャーキャピタル(VC)や関連企業から出資を受けている主な中国のヒューマノイド企業。

  1. Unitree Robotics(宇树科技)
  • 欧米系投資家
    • Hexagon AB(スウェーデン):センサーおよび自律ソリューションのグローバルリーダー。
  • その他の主要投資家
    • Meituan(中国):フードデリバリーや生活サービスを提供する大手企業。
    • Shunwei Capital(中国):Xiaomi創業者の雷軍氏が設立したVC。
    • HongShan(旧Sequoia Capital China):米国のSequoia Capitalの中国部門から分離独立。
    • Matrix Partners China(中国):テクノロジー分野に特化したVC。
  1. AgiBot(智元机器人)
  • 欧米系投資家
    • Warburg Pincus(米国):グローバルなプライベートエクイティファーム。
  • その他の主要投資家
    • Tencent(中国):中国の大手インターネット企業。
    • BYD(中国):電気自動車およびバッテリーメーカー。
    • Lanchi Venture Capital(中国):テクノロジー分野に特化したVC。
    • C Capital(中国):消費者向けブランドやテクノロジー企業への投資を行うVC。
  1. UBTECH Robotics(優必選科技)
  • 欧米系投資家
    • Qiming Venture Partners(米国/中国):米国および中国に拠点を持つVC。
  • その他の主要投資家
    • Tencent(中国):中国の大手インターネット企業。
    • CDH Investments(中国):中国のプライベートエクイティファーム。
  1. Cambricon Technologies(寒武纪科技)
  • 欧米系投資家
    • Lenovo Capital & Incubator Group(中国/米国):Lenovoの投資部門で、グローバルに展開。
    • Alibaba Group(中国/米国):中国の大手テクノロジー企業で、米国にも上場経験あり。
  • その他の主要投資家
    • SDIC Venture Capital(中国):中国政府系の投資ファンド。
    • China Reform Fund(中国):国有企業の改革を支援する投資ファンド。

これらの企業は、欧米のVCや関連企業からの出資を受けることで、国際的な視野を持ち、技術革新や市場拡大を図っている。特に、Unitree RoboticsやAgiBotは、欧米の先進技術や市場へのアクセスを得ることで、グローバルな競争力を高めている。

日本の投資家にとって、これらの企業は将来的な成長が期待される有望な投資先となり得る。特に、欧米のVCが関与していることで、ガバナンスや透明性の面でも一定の信頼性が確保されている点が魅力。

中国ヒューマノイド関連企業 売上高ランキング(2024年度)

順位 企業名(日本語) 企業名(英語) 売上高(2024年) 備考
1 長盈精密技術 Changying Precision 約169.17億元(約3,400億円) 精密部品メーカー。TeslaやFigure AIに部品を供給。
2 優必選科技 UBTECH Robotics 約13.05億元(約260億円) ヒューマノイドロボット「Walker」シリーズを展開。
3 寒武紀科技 Cambricon Technologies 約11.7億元(約234億円) AIチップメーカー。ヒューマノイドロボットの頭脳となるプロセッサを提供。
4 宇樹科技 Unitree Robotics 非公開(推定数億元規模) 四足歩行ロボットやヒューマノイドロボットを開発。収益性を確保。
5 智元机器人 AgiBot 非公開(推定数億元規模) 産業用途に特化したヒューマノイドロボットを開発。Tencentなどから出資を受ける。




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