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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

[業務告知]:[pepoz]のおもしろいところ(1):「人」に値段がつく

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[pepoz](ピーポーズと読みます)はめちゃめちゃおもしろいビジネスの構造を持っています。これを発案した人は天才ではないかと思えるぐらい(なんちて)。
現在これと同じものが存在していないので、正確な理解を持っていただくためには微に入り細にわたる説明が必要ですが、何回かに分けてそのさわり中のさわりをお伝えします。

おもしろい点(1):「人」に値段がつく

岩井克人氏が、企業価値の本質は差別化であり、グローバル化する現在の差別化の本質は「人」である、という意味のことを述べておられます。わたくし的にも大いに同感しております。

[pepoz]は「人」に値段がつく仕組みを持っています。高い値がつく「人」もいれば安い値の「人」もいます。値段の高低でその人の本源的価値が決まるものではないけれども、市場メカニズムの精妙さを考えるならば、値がついて売り買いができるということはいいことです。

ただし実際の売り買いを考えるならば、「人」そのものをパッケージングして物流に載せるなんてことができるわけがありません。従って、「人」そのものの売り買いに準じるものとして、

 ①その人ができることを「私のサービス」として定義し、明文化する
 →「私のサービス」がその人固有の能力や特技や知識や経験のパッケージという形になる
 ②「私のサービス」を提供する時間を15分単位、30分単位といった形で設定して、公開する
 →その時間を最終顧客に予約してもらって、買ってもらえるようにする

というデザインにしています。

「人」が持つポテンシャルが擬似的にパッケージングされて売り買いされることにより、ある程度の取引規模が生じてくると、需要と供給によって、おおよその適正な価格が決まってきます。

例えば、著名な戦略コンサルティングファームの高名なシニアコンサルタントの方が[pepoz]で「私のサービス」を明文化し、自分の空き時間を30分単位で売るということがあれば、引き合い次第では、30分数万円という価格がつく可能性があります。非常に特殊な職務領域で高度に専門的な技量や知識や経験をお持ちであり、日本には他の誰にも尋ねることができないといったテーマの「私のサービス」が公開されると(売りに出されると)、その方の価格は、かなりの確度でもって高止まりするのです。
ここで売られる「私のサービス」は、単にブログを書くだけでは伝授不能な知識や経験ということになります。例えば、電話で受け答えしてお伝えするといった形になります。(2011年頃のハイビジョン等身大ビジュアルコミュニケーションでもよい)

まったく別な世界では、先日来弊ブログで論じている「消費者経験情報」を膨大にお持ちの方による購買エージェントのようなサービスがあります。最終顧客としては準富裕層ないし富裕層の方を想定します。
例えば、ハイエンドオーディオの世界で、特にアンプの分野で、膨大な金額を投資して、膨大な経験を蓄積し、それの一端をブログで公開している方がいらっしゃるとします。アンプの世界ははっきり言ってキリがないです。アキュフェーズ、マークレビンソン、ゴールドムンド、アンプジラ…。オーディオ屋さんで試聴もできるけれども、やはり自分で買って、自室に置いて、自分のシステムにつないで鳴らしてという「経験」を持つにこしたことはありません。自分で投資して自分の耳で聴いている。これが購入を検討している人から見れば、ノドから手が出るほどほしい情報ということになります。あれが持つ空気感とこれが持つ空気感とではどう違うのかと。

的確な投資を行っていて、的確に「これとあれでは、あれがこう違う」と言える人ならば、おそらく、これから購入を検討している人でそれなりにお財布に余裕がある人ならば、15分単位のアドバイスに対して、相応の金額を支払うと思います。なぜならば、他のどこでも得られない情報だから。

こういった希少性に値がつく世界を思い描いています。

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