イノベーションに取り組む人材を手当てするための一方策
現在、仕事をさせていただいているシスコシステムズのインターネットビジネスソリューションズグループ(IBSG)という部門は、フォーチュングローバル500社および各国の政府機関のCXOの方々に、事業戦略とIT戦略の融合に関するノウハウを伝達させていただくという、非常に特殊なミッションを持った部門です。
顧客対象を限定させていただく代わりに、提供される一種のコンサルティングサービスのフィーはいただかないという、かなりユニークな路線をとっています(厳密に言えば、フルスペックのコンサルテーションではなく、アドバイザリーサービスと言うべき内容のものをご提供しています)。
顧客企業のCXOとやりとりするコンサルタントの多くは、旧デロイトトーマツ、マッキンゼー、アクセンチュアなどで経験を積んだ方々ばかりです。戦略コンサル寄りの方々が主体で、「経営の言語でIT戦略を説く」ということをしています。
この部門で私がやっていることの多くは、守秘義務契約を結んだ個々の顧客企業に関係したプロジェクトであり、外に出すことができません。
けれども時折、外部の方に向けた小冊子(一種のホワイトペーパー)などをリリースすることがあり、それについては公開情報ということでここでもご紹介できます。
最近公開されたのが「イノベーションを加速化するITアウトタスキング」という小冊子です(PDF版へダイレクトリンク)。
このなかでは、企業がイノベーションに継続的に取り組むには、社内の優秀なリソース(特に人材)を恒常的に再配置する仕組みを走らせる必要があり、”アウトタスキング”がその鍵だということを述べています。一種のリソースアロケーション論ですね。
アウトタスキングというのは、従来型のアウトソーシングがいわば丸投げであるのに対して、戦術的なオプションがいつでも駆使できるような、コントロールのかかったアウトソーシングを指す言葉として用いています。
サンノゼ本社IBSGの基本論調に基づき、日本の現況を踏まえて、不肖、私がオリジナルに執筆しています。
今年の4月ぐらいには完了した仕事ですが、今読んでもうむなかなかと思わせる内容になっていると思います(^^;。
アウトソーシング戦略、オフショアリング戦略などに興味のある方は一度読んでみてください。
追記。
今日付けの堀内さんのエントリ「イノベーションの先にあるもの ― ジェフリー・ムーア氏のblogから」が非常にいいですね。ものすごく的確な認識だと思います。