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2011年読んだ本を振り返る

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"2010年読んだ本を振り返る"で2010年に読んだ本を振り返ったので、2011年も同様に振り返りを行います。

2011年はあまり本を読むなかったと反省しています。私は通勤時間を活用して読書タイムを確保しているのですが、疲れていると読めずに寝ることを選択してします。また時々作っているアプリのアイデアだしなども行うため読書タイムが削減されてしまったのではないかと思います。

そのような状況で書評をいくつか書いてきましたが、その中で2011年で最も面白いと思った本を10冊上げてみます。

■10.まおゆう

私はライトノベルも読むので、まおゆうも読みます。1巻目は2010年末に、完結する5巻は2012年1月には出ます。WEB版未読のため面白く読んでいます(ここで書評をしないのはITやビジネスよりではなかったため)。

ハルヒを読んだときも1人称小説って新鮮だと思ったのですが、まおゆうの会話劇スタイルはより斬新です。情景説明がないにも関わらず小説として成り立つのか心配したほどですが、著書の力量なのかそのあたりは違和感を感じません(ログホラを読む限りは著者の力量な気がします)。風変わりの作風以外でも、著者の知識量もかなりのものを見受けられます。私はトリビア風な小説やマンガ(司馬遼太郎氏の小説中の脱線、王様の仕立て屋、獣医ドリトル等)が好きなのでそのあたりも面白いと感じているのかも知れません。

まおゆうはみんな主人公と言うぐらいに話の広がりがあったり、メディアミックス展開も非常に広範囲に行われ早くアニメするといいですね(テレビはみないけどBDは買ってもいい)。ついでに同じ著者のログホラを読む限りは普通の小説タイプも書けるみたいです(こっちもかなり面白い)。

■9.十字軍物語

塩野七生氏ファンならば既に手にとっていることでしょうし、もし違うならば十字軍物語よりも先にローマ人の物語(カエサルのところまで読んでおくと良いと思う)かもしくは海の都の物語を先に読まれることをお勧めします。また十字軍を読む上には海の都の物語は先に読むことは必須になっています。もし海の都の物語が未読ならば、読むことを非常に強くお勧めします。

宗教色が薄い日本人だから書けたことなのかも知れないと思ったりもするため、歴史書は客観的にみるためにも当事者でない集団・個人が書いたほうがいいように思えます。

■8.実践JS サーバサイドJavascript入門

node.jsがCommonJSサポートしないとかありますが、node.jsのWindows版登場などのサーバサイドのJavascriptがなかなか普及し始めている感じがします。webOSがしょんぼりな感じになって残念ではなありますが。

スマートフォンでブラウザ経由しないでnode.jsを使う仕組みとか出来ないものでしょうかねと思ったり、サーバサイドだけではなくネイティブアプリぽく使えればまた違った面白さが出てくるような気がしました。

■7.自分のアタマで考えよう

なかなか考えさせられる内容の本です。ちきりんのブログを読んでいると軽い内容ですが、やっぱりその形成する洞察の下地はなかなかものがあります。本書はその一端が分かる内容となっています。

■6.スティーブ・ジョブズI.II

亡くなったスティーブ・ジョブズ氏の公式伝記です。Iのほうはジョブズ本などをいくつか読んでいると同じ内容が含まれているのでそのリピートになってしまいますが、IIは最近の話を網羅しているので各ビジネス上の選択理由などが分かります。

また、IIはApple復帰後のジョブズ氏の仕事の集大成が詰まっている箇所のため、Iは読まなくてもIIは読んでおいたほう良いと思います。

■5.プロセッサを支える技術

私は"Ando's Processor Information Page"の読者なので、当然著者の本を購入しました。

現在の日本で初心者でも理解できるCPU解説をできるのは、後藤氏か大原氏かもしくは著者の安藤氏ぐらいです。スパコン関係に関しては著者の最も強い感じがします(出身だからかも知れませんが)。

本書は単なるIT系ニュースを読む程度の知識のユーザでもある程度CPU関係が分かる良書です。

■4.ジョブズ・ウェイ

ジョブズ本の中では少し異色な本だと思います。著者がジョブズ氏配下で働いたことと技術職での関わりはしなかったためか、経営者よりにジョブズ氏を評価した本になります。このため、現実歪曲空間に関する言及はありません。

ジョブズ本では私は本書が一番面白いと思います(全て読んでいるわけではないので私が読んだ本の範疇において)。

■3.不合理だからすべてがうまくいく

2010年に発売され私が読んだのも2010年中だったのですが書評が2011年だったため、こちらでカウントしました。

純粋に面白いです。ダン・アリエリー氏の本を今まで知らなかったことを後悔したほどです。読み終わった後に"予想どおり不合理"を買いに走りました。

人間ハックがわりと容易ではないかと思えてしまう内容ですが、案外人間はそんなものなのかも知れません。

■2.「新しい働き方」ができる人の時代

本書はかなり目からうろこがぽろぽろと落ちた思いましでした。いや、"天才!成功する人々の法則"や"不合理だからすべてがうまくいく"や本書を読むと統計データの結果から推測する本の説得力は高いと思うと、なぜ日本では似たような本がでないのか不思議に思うほどです(あるのかも知れませんが)。

今までの常識を覆すデータとか見ると、もっといろいろなことが実は間違っていたり誰かにミスリードされていたりするのだろうかと思いなおされました。

■1.エンジニアとしての生き方

本の評価に関してはいろいろとあると思いますが、私は人に押し付けても読ませたいと思うことが最も評価が高いと思っています。"天才!成功する人々の法則"と海の都の物語は人に読ませたい衝動に駆られましたが、"エンジニアとしての生き方"も同様な本です。若ければ若いほど本書を手に取るべきです。イベントなども行われるようなので若い人は参加したほうが良いともいます。

インプレス選書はまだ冊数(2011年末の時点でまだ3冊)は少ないですが、レーベル買いしても良いと思うほど面白い本ばかりです。

■まとめ

2011年末に自炊代行業者に対して訴えられた事件がありました。作家や漫画家の方には自分の収益を被害がでる状況を看過できないからだと思いますが、やっぱり電子書籍が売られない状況が悪いと思います。とはいえ、今Amazonとの交渉がうまくいっていなかったりしていることを考えると、この状況がよくなるとは思えません。

電車の中で本を読むことが多い私には厚い本は苦痛でしかありません。あるものすごく厚いJavascript本を読んでいたのですが途中であきらめました。このような本こそ電子書籍して欲しいと思うほどです。製造コストも高いでしょうから。

上記で上げた本が全て電子書籍で出版されれば私はすぐにでもKindleでもiBooksで読める環境でも整えて移行したいものです。日本ではもう少しかかりそうですが、ユーザの利便性を考えて欲しいと思いますし、もっと言えば電子書籍にすることで少しだけ読んでみることが簡易に出来ることで積読ことも無くなり回転が早くなるのではないかと思えるので出版社や著者の方のメリットの方が多いと考えるのですが...

今は4冊程度積読状態の本の処理のをどうしようと悩んでいますが、2012年も良い本をめぐり合えることを期待します。

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