"スティーブ・ジョブズ I"の感想
本書はスティーブ・ジョブズ氏の公式伝記の1巻目です。予定よりも早く出版されたり、日本語の電子書籍が安くなかったり、翻訳者が大変だったり、日本語の表紙がシンプルでなかったりといろいろと注目された本になります。
私はいくつかApple本を読んでいます。"メイキング・オブ・ピクサー―創造力をつくった人々(これも面白いけどあまりジョブズ氏は出てこない)"も読んでいます。あまり知らない逸話はありませんでした(私事的な話は知らないものが多かったですが、けどそんなはどうでもいいので)。
"I"は、出生からAppleの創業、Macintoshの成功及びAppleからの離脱、NeXTの創業とピクサー買収・成功までです。"起承転結"的には、"転"まででしょうか。ただし、ジョブズ氏の偉業の8割りはApple復活後だと思うので、物語としては半分もきていないイメージです。
一番意外だったのは、Appleを追い出されるときの話です。チームを混乱に追いやり、ほとんどの人からチームから外して欲しいという嘆願による外れたと思っていました。一部には外すべきではないと考えていた人もいたようです(ハーツフェルド氏の証言)。初期のMacintoshのメンバーの幾人かも離れていたので、どれだけ疲弊していたのでしょうか。
歴史にifは意味がないことかも知れませんが、もし当時CEOのスカーリー氏がうまく調整してジョブズ氏を引きとめていたらどうなったでしょうか。一時期のApple凋落は無かったかも知れませんし、もっと本格的に空中分解してSunかSonyに買収され会社の歴史を終了していたも知れません。
もしかすると、NeXTでの失敗(経験)が下地があったからApple復活があったのかも知れないため、Apple離脱ルートはその後の成功には必須だったかも知れませんが。
そのあたりの話はIIに期待でしょうか。
ジョブズ氏の物語のメインはIIのApple復活後です。IIでこれからどのような話が続くのか楽しみです。