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知的好奇心を満たすために、いろいろなことにチャレンジする

"自分のアタマで考えよう"の感想

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本書は、有名なブロガーのちきりんの視点の持ち方や思考に関して解説本になります。

まずは思考に関してかなり面白く且つ実用的なアドバイスがされています。ちょっと書き出します。

・詳しくなればなるほど、その分野での新しいアイデアに否定的になる
・知識が思考を邪魔している
・成功体験による過去の知識にとらわれる

これらはよくあることだと思います。頭が固いと思われる事象を具体的に表現していると思います。例えば、会社の創業時にDNAがどうしても引き継がれて、時代になかなか追いつけないことがあります。今それがマイナス側に働いているのはMicrosoftでしょうか。これこそ上のアドバイスのとおりです。

また、以下の様に知識と思考に関して表現しています。

"知識とは「過去の事実の積み重ね」であり、思考とは「未来に通用する論理の到達点」"

これは面白いと思います。知識 > 思考の傾向が強い人は、大きく社会が動く(株価下落とか、円高とか)と知識がマッチしないため、対応できなくなります。この言葉だと思っていれば、新しい時代が来たと割とすぐに順応できるのではないでしょうか。

また、"数字を見たら、「なぜ?」と「だからなんなの?」"で数字を見て、どのように行動するか示唆しています。私は、"予想せずにはいられない"で予想するのが面白いと書きましたが、自分で予想する本当の意味は、"だからなんなの?=次は何が起こるのか=自分はどうすべきか"にいくつからなのでしょう。

"ARMはどこに向かうのか"で私が本当は言いたかったこと、ARMがHPC~サーバ~PCのCPUシェアが一定(10%前後)勝ち取ると思っています。特にサーバ部門ではPOWERとSPARCを追い抜くと思っています(HPCではNVIDIAはものすごくシェアを奪うシナリオもあるかも知れない)。

と言っても私は別に何かそのために行動しているわけで無いところがなんとも情け無いところですが(半導体屋さんでもないですし、Linuxのカーネル開発とかしているわけでも、サーバの筐体を作っているわけではないですしね)。予想を単なる趣味の領域で終わらせている間は、だめかも知れない

さらに、グラフを作るときに"縦=歴史的観点でものごとを見ること横=国際的な視点でものごとを見ることの比較"に関して言及していますが、はたっと気づきました。

私は定期的に"PC・サーバ・携帯電話・スマートフォンの出荷台数推移"をグラフ化しています。これは前年同期比で縦の比較をして、PC、サーバ、携帯電話で横の比較を知らないうちにしていました。縦の比較は意図的ですが、横の比較はグラフが寂しいからつけていただけで、意図的ではありません。

本書の説明を読むとなるほど比較対象があることはより理解しやすいですし、物事を整理が容易であることを知りました。今後ももう少し他のデータを比較してみたいと思います。

またのChikirinの日記でも図がよく出てきますが、それは"自分の考えを「まず言語化し、次に視覚化する」"を行っているためのようです。私はグラフはよく使いますし、表もよく書きます。ですが、図はほとんど描きません。理由は時間がかかるためで、そこを文章で良いかと思っていました(書いている途中で結論変えるときもある往々にしてあるので...)。

ですが、視覚によるほうがより理解しやすいですし、考えもまとめやすいと思います。今後ブログを書く上でちょっと見習ってみたいものです。

私はたまにChikirinの日記を読む程度でそれほど熱心に読む方でありません。理由は私が好きなネタをそれほど多く扱っていないためです。ですが、本書のような思考方法に関しては普遍的で、扱うネタとは関係なく参考になります。本書は思考方法に関して非常に知見が広がる良書だと思います。

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