PC・サーバ・携帯電話・スマートフォンの出荷台数推移(2Q'11)~PC低成長時代突入?~
Gartnerは、PC・サーバ・携帯電話・スマートフォンの出荷台数を発表しています。2Q'11のデータが出揃ったので、前年同期比及び上半期の出荷台数をグラフ化してみました。
・前年同期比
・上半期比率
(出典:Gartner)
サーバはようやく出荷台数に限れば2008年レベルに戻りました。3年ばかりかかったことになります。長かったと思いますが、これからは通常の成長期に戻ったといえるかも知れません。
1H'11の携帯電話は統計データの範囲が変わったためだと思うのでとりあえず横に置くとして、1H'11のPC出荷台数は横ばいです。PCは低成長時代に突入した感じがします。HPがPC部門に未来はないと考えるのは仕方が無いデータです。
今回はスマートフォンを追加しました。スマートフォンのデータは2007年以降からしか四半期のデータが無いため前年同期比は2008年以降、1Hの出荷台数の基準は2007年にしました。
スマートフォン・メディアタブレット(iPadだけだけど)が好調であることを考えるとインターネット端末のあり方及びアプリ・サービスの考え方を大きく変えないといけないように思えます。PCの売り上げが大幅に増えることがない時代に突入するならばです。
メディアタブレットの出荷台数はまだ年間ぐらいでしかデータが出てきません。iPadだけ好調と言われていますが、LenovoもThinkPadブランドで出すため、今後はもう少しAndroidタブレットはシェアをとることができるかも知れません(まだわかりませんが)。
私はメディアタブレットはまだまだ重く、スマートフォン並の勢いになるにはもっと軽くないといけないと思っています(Android 3.2タブレットGALAPAGOS(A01SH)のタッチ&トライブロガーミーティングにいってきました)。もし、技術的に軽くできるようになった場合(ほとんどバッテリーだと思いますが)、PC及びスマートフォン市場は大きく数字を変えることになると思います。それはスマートフォンの出荷台数を大きく減らすことになると予想しています(注:軽くなればの話)。
サーバは一定の復活を遂げましたが、PCは低成長時代に突入した可能性があります。この状況を打破するために、各社いろいろな手段をとると思います。
Intelは非常に薄いノートPCを作れることができるCPU開発を目指していますし、HPはPC部門のスピンアウト画策していますし、MicrosoftはARM版Windowsで廉価カテゴリの拡大を目指し、Lenovo等のPCメーカはAndroidタブレットを出してPCの売り上げ補完をしようとしています。
どの対策が最も効果的かわかりませんが、Appleはその中で群を抜いて成功しているメーカです(引退したCEOがすごかったからだと思いますが)。
今後また大きく市場は大きく変わると思われるため、HPのPC部門の切り離しなどの大きなニュースはもっと出てくると思います。
グラフに用いたデータはここにあるため、ご自由に参照してください(Gartnerのデータをまとめただけだし)。