« 2010年8月2日

2010年8月11日の投稿

2010年9月5日 »

ICAgile というアジャイルの国際コンソーシアムが、Alistair Cockburn のリードで設立され、アジャイルのスキル認定を行うらしい。

http://www.icagile.com/

これまで、Scrumという手法の認定があったが、アジャイル全体に関するものはこれが初めてだ。内容をWebサイトで確認できるが、現在は、"Soft Launch" モードであり、正式公開への準備を進めている。サイトを読んで、特徴だと思った点を列挙しておく。

  • オープンなプロセスにしようとしている。
  • ソフトウェア開発が「学びのプロセス」(Learning)であることを重視。
  • IIBA(International Institute for Business Analysis)やSQE(Software Quality Engineering)ともパートナシップを持つ。
  • スキルは学びであることから、3フェーズの認定とし、取得を journey としている。
  • 1フェーズ目のアジャイル基礎に続いて、2フェーズ目のスキルには、Software Design, Testing, BA(Business Analysis), PM(Project Management), Facilitation, などのトラックも入っている。(ここは、平鍋の好印象だ)
  • それぞれの教育は、「目的」(Learning Objective)のセットとして定義されている。このセットはオープンになっており、これで、教育や評価の基準としよう、というわけだ。(ここもとても良く出来ていると思う)
  • Soft Launch モードであり、正式ローンチは今年末を目指している。

2フェーズ目のFocus Track Development として現在選ばれているのは、

  • Agile Software Design and Programming(ソフトウェア設計とプログラミング)
  • Agile Project Management(プロジェクトマネジメント)
  • Agile Coaching and Facilitation(コーチングとファシリテーション)
  • Agile Business Analysis(ビジネス分析:BA)
  • Agile Product Management(プロダクトマネジメント)
  • Agile Testing(テスティング)
  • Agile User Experience Design(ユーザー体験)

ICAgile

といった、とても納得できる、スキル群を構築している。ソフトウェアの設計やプログラミングといった、おそらくオブジェクト指向の原則やパターン、テスト駆動開発、テスト容易性とリファクタリングなどからなるであろう構築スキル、PMやBA、QAといった、ウォーターフォールでも昔から重要なスキル、アジャイルでは特に重要になる人間を扱うコーチングとファシリテーション、そして、アジャイルが最も恩恵を与えるであろう新興分野としてのユーザインターフェイス設計。新旧織り交ぜてバランスの取れたスキルセットになっている。

ぼくは、アジャイルが「本では伝わらない」もので、それを人づてに伝えていく、ということは本質だと思っている。また、優秀なコンサルタントたちがちゃんと職業として続けていくためにも、偽者と本物を区別する何らかの認定はあったほうがよいと思う。ただ、お金が絡む問題でもあるために、アジャイルコミュニティの中ではいつも政治的な議論が絶えない話題であることも確かだ。

この認定が、今後どういう反響が起きるかはまだ分からない。アリスター自身も、いま Agile2010 に参加して、これについてディスカッションをしているだろう。ぜひ、日本からも応援したいと思っている。

平鍋

« 2010年8月2日

2010年8月11日の投稿

2010年9月5日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

平鍋 健児

平鍋 健児

株式会社チェンジビジョン代表取締役社長、永和システムマネジメント副社長。
オブジェクト指向開発、UMLの勘所、アジャイルな開発手法の未来、マインドマップのソフトウェア開発での利用方法、プロジェクトファシリテーション(見える化)を語ります。現在、マインドマップとUMLの融合エディタ、astah*(アスター、旧JUDE)を開発中。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
hiranabe
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ