ICT関連の事業仕分け結果について(フューチャースクール、地域ICT利活用広域連携事業、新ICT利活用サービス創出支援事業、ICT海外展開関係事業、総合特区推進事業など)
「行政刷新会議」による事業仕分け(第3弾)が11月15日から4日間にわたって実施されていますが、ICT関連の施策に関しても、厳しい結果出ています。以下のとおりまとめてみました。
11月15日 月曜日 再仕分け (1日目)
A-2: 地域ICT利活用広域連携事業 (総務省)
事業概要:
複数の地方公共団体等(地方公共団体、第3セクター法人、NPO法人及びこれらの連携主体)が広域連携し、地域に密着したICT人材を育成・活用しながらICTを導入・利活用することによって地域の公共サービスの充実を図る取組を国の委託事業として実施し、そこで得られる情報通信技術面及び地域ICT人材育成・活用面を中心とした課題に関する標準仕様を策定し、全国への普及展開を図る。平成23年度要求:
4,724百万円
結果概要:
国の事業として廃止
・他省との役割分担を明確にすべき
・安全・安心i-City推進事業と実質的に同じという評価
A-3: フューチャースクール推進事業 (総務省)
事業概要:
(1)ICTによる教育改革(協働教育システムの実現)を推進するため、学校、家庭、地域が連携した教育を、小型PCや無線LAN等のICT機器及び協働教育プラットフォームの活用による教育分野におけるICTの利活用を推進するための実証研究を実施し、情報通信技術面を中心とした課題を抽出する。調査結果については、教育分野におけるICT利用環境を整備するためのガイドライン(手引書)等としてとりまとめる。(2)平成22年度において小学校を対象に実施したフューチャースクール推進事業の実証研究の成果を踏まえ、教育分野におけるICTの効果的な利活用の全国展開に向け、中学校、高等学校、特別支援学校を対象に加え、文部科学省との緊密な連携の下、子どもたちの発達段階、教科、地域性等を考慮したICTによる教育環境の整備を推進する。平成23年度要求:
2,868百万円
結果概要:
(継続分)廃止(看板の掛け替え。中身について文部科学省が主導的な役割を果たすべき。文部科学省実施事業において、現場の影響が最小限になるような努力はするべき。)
(特別枠)見直しを要する
11月16日 火曜日 再仕分け (2日目)
A-12: ICT関係事業 (総務省)
(1)新ICT利活用サービス創出支援事業(ユビキタス特区事業の推進)
(2)アジアユビキタスシティ構想推進事業
事業概要(1):
国が解決を要すべき課題について、ICTを利活用したソリューションを実現する技術の確立、標準化等を達成するための開発・実証プロジェクトを委託することを通じて、「持続的経済成長」、「新たな市場の創造」を達成するもの。平成22年度は「電子出版の環境整備」をテーマとして提案の公募を行い、「国内ファイルフォーマット(中間(交換)フォーマット)の共通化に向けた環境整備」等、10件の委託先候補を決定。また、平成23年度の具体的な課題については、本施策の目的に照らし、「新成長戦略」(平成22年6月18日閣議決定)にも取り上げられている「環境未来都市構想」の推進等の分野を想定している。平成23年度要求(1):
811百万円
結果概要(1):
来年度の予算計上は見送り
・積算根拠があまりにもあいまい
・「ユビキタス特区事業」の検証が不十分
事業概要(2):
平成23年度要求(2):
・アジア各国との連携により、相手国のニーズや事情に合致したICTモデルを特定地域で集中的に実証・体験し、相手国での社会的課題の解決や更なる成長に資するモデル都市の構築を目指す。
・具体的には、対象国を選定の上、①当該国と実証すべきICT分野や技術・制度面の課題等の洗い出し・調整、②相手国のニーズや事情に応じて改良したICTモデルの特定地域での実証実験の実施、③実証実験の実施に伴う人材育成、④実証結果を踏まえた当該国ICTモデルの確立等、の支援を行う。この過程を通じて我が国のICT利活用に係る技術や知見・ノウハウの海外普及を促進し、もって我が国技術の国際標準化の実現や我が国ICTシステムの相手国導入等を通じた国際競争力の強化を図る。
1,000百万円
結果概要(2):
見直しを要する
・中身があいまいで、積算根拠不明
A-13: ICT海外展開関係事業 (総務省)
(1)ICT海外展開の推進(ICT先進事業国際展開プロジェクト)
(2)地域コンテンツの海外展開に関する実証実験
事業概要(1):
新成長戦略、新たな情報通信技術戦略、グローバル時代におけるICTタスクフォースのとりまとめの結果等に留意して、「主要通信・放送インフラシステム」、「ICTを組み込んだ次世代システム」等の国際展開活動を実施する。
具体的には、民間企業の国際展開を容易にするため、政府間において、我が国の高度のICTシステムの展開に向けたハイレベルの戦略的協調関係を構築する一方で、それぞれのシステムごとに企業の枠を超えたICT産業の国際展開方針を地域の実情に応じてロードマップを作成し、関連調査の支援、モデルシステムの構築、セミナーの開催等を戦略的に実施する。
① 我が国のICTシステムの採用を働きかけようとする国又は地域については、当該システムの展開方策を検討するための調査等を行う。
② 我が国のICTシステムの採用が見込まれる国又は地域については、業種横断的な連携体制の下、相手国の社会・経済のニーズに対応したモデルシステムを構築・運用し、我が国のICTシステムの優位性を「見える化」して、我が国システムの導入を図る。
③ 各国のICTシステムの導入度合いに応じて、当該ICTシステムの普及等を目的としてセミナー等を開催する。平成23年度から「ICT先進実証実験事業」、「サイバー特区事業」を廃止。(対前年比30%減)平成23年度予算要求(1):
1,701百万円
結果概要(1):
予算要求の縮減(半額)
(賛同する企業に負担を求めるべき)
事業概要(2):
本施策は、新成長戦略における「21世紀の日本の復活に向けた21の国家戦略プロジェクト」のうち「クール・ジャパンの海外展開」として位置づけられており、同戦略の工程表においても、「クール・ジャパンの発信、輸出、海外展開施策の実施」として「クール・ジャパン番組の海外放送」を2010(平成22)年度から実施することとされている。(別添資料参照) 具体的には
(1) 各地域の物産・観光資源等の地域情報を映像コンテンツにより効果的かつ継続的に世界へ発信することにより、観光客誘致、地域の物産販売を促進し、地域経済を活性化
(2) 地域の物産・観光資源等地域の魅力を紹介するコンテンツを継続的に製作・発信する機会とノウハウを創出し、新たな流通経路を開拓することにより、経済情勢等の影響を受け疲弊している地域のコンテンツ製作力を再生・強化
(3) 地域のコンテンツを海外に情報発信することにより、我が国への理解の醸成、認知度の向上平成23年度予算要求(2):
400百万円
結果概要(2):
国の事業として廃止
11月17日 水曜日 再仕分け (3日目)
A-19: 総合特区推進調整費 (内閣府)
事業概要:
総合特区推進調整費は、地域の責任ある戦略、民間の知恵と資金、国の施策の「選択と集中」の観点を最大限活かし、規制の特例措置や税制・財政・金融上の支援措置等を一体として実施する「総合特区」の推進調整に必要な経費である。
総合特区の目標達成のための様々な事業に活用できる経費とすることで、地域の知恵と工夫を活かした意欲的な取組を支援する。平成23年度予算要求:
82,000百万円
結果概要:
来年度の予算計上は見送り
(・しっかりとした説明ができるようにならない限り見送り)
※データセンター特区などへの影響が想定。