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先月出版した本「愚直に積め!」に関して、いろんな人から感想を頂いた。出版の目的のひとつには、平均寿命が伸びているにも関わらず、近視眼的なスタンスで結果だけを追い求めている風潮に警鐘を鳴らしたい想いがあった。要領良く結果を得る方法や効率の良さだけをPRするタイトルの本は、書店に溢れている。

「幸せを実現するXXの法則」、「XXすれば成功する」、「1分でわかる財務諸表」といった類いの本である。8歳になる娘が、「3時間で専門家になる方法」という本を本棚から取り出して、「3時間で専門家になれる訳ないじゃん。パパ騙されているよ!」と言ったことには、否定できない真実が含まれている。

望ましい結果が得られるかどうかは時の運。望んでいる結果を目指して行動するプロセスに注目したのが、「愚直に積め!」というタイトルに込めた想いである。結果が得られないと空しい人生かと言えば、そうではない。目指していることに対して真摯に行動しているかどうかで、人生の価値が決まるような気がしている。

目指している結果は崇高な方がいいかも知れないが、他人に迷惑をかけないのであれば、何でもいい。毎日きちんと行動しているかどうかで、その人が生き抜いている価値が決まるのだと思う。

「愚直」さとは、要領の悪さを言うのではない。結果を早急には求めない真摯な姿勢を指すものだ。目指す方向に確信が持てれば、かかる時間は問題ではない。逆に長い方が、余計に楽しめることもある。素早く結果を得れば、残るのは燃え尽き症候群である。得られそうもない壮大な夢を目指していれば、一生かけて楽しめる。

要領が良くてもいいのだが、望んだものかどうかは極めて重要だと思う。ケータイやメールで便利になっても幸福感が得られないのは、求めているものや望んでいるものが見えていないからだろう。望んでもいない結果に対して、効率を求めても仕方ない。しかし、MBAでは効率追及の方法は教えても、ビジョンに関しては教えていない。せいぜい倫理観くらいが関の山である。

自分が望んでいるものが見えれば、愚直に積むことが苦でなくなる。楽しければ、週100時間でも働ける。そのくらいやれば大概のことはうまくいく。圧倒的な行動量が質を生み出し、望んだ方向にある結果が得られ、幸せになる。

望んでいるものを見極め、目標を設定し、行動を積み重ね、愚直に続けていれば、生きている充実感が得られ、楽しく生きていける。逆に、ビジョンがなければ、行動は徒労に終わり、仮に結果が得られても幸福感は得られないのではないかと思っている。

tsuji2005

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辻 俊彦

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ベンチャーキャピタリスト。専門分野は、メディア系、ITサービス系。

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