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メディア論を語らせたら右に出る人がいない小林弘人さんのコラムです。

あなた自身が「誰でもメディア」の勝者になるには?(後編)

ブログは、特にグーグルなどの検索エンジンがもつアルゴリズムと相性が良かったこともあり、まったく無名のブログでも更新を続けているだけで、検索エンジンの上位を独占することができました。
ブログがブームになった要因に関しては、更新が簡単にできることが挙げられると思いますが、それがグーグルとの相性につながり、ブームを加速させる要因になったのだと思います。
成功するプラットフォームはライフスタイルの変換点と合致したり、ユーザーの潜在的欲望を適えるべく、ある時点から勢いを増しますが、技術者や企業からの押しつけのほうが、ユーザーのニーズより勝ってしまったものは、当然ながらすぐに潰えます。
日本でブログやケータイ小説が流行っているのは、日記や私小説を伝統文化に持つという社会的背景を無視しては語れません。技術者や企業は黒子に徹し、ユーザのニーズを引き出すことに注力する必要があります。そういう意味では、ブログを商業化する動き(PayPerPostなど)に対しては、自重する必要があると思います。
ある意味、新しいメディア人は、周囲からは軽薄と思われるほど腰が軽く、同時にそのメディアが普及すると信じて継続する粘り強さも持ち合わせるパラノイア的資質が必要なのかもしれません。
新しいプラットフォームにのって、新しい表現方法を獲得するには、腰の軽さが重要です。ある意味で、オタクの属性との親和性があるのでしょう。
多くのプロが「誰でもメディア」時代に対応が遅れ、先の新しいフレームにおける新たな文法の発見に遅れを取った点に見いだせるからです。
雑誌の内容をそのままネットに掲載しても、同様の支持は得られません。「新たな文法の発見」が必要なのです。新たなメディアが登場した際には、必ず低い評価を受けます。テレビが登場した時でさえ、映画人から見れば、あんな質の低いものが見られる訳がない、と思われ、実際に普及した際には、視聴者の低俗化が叫ばれました。 新しいメディアが登場する際には、新たな文法を模索する訳ですから、質が低くて当然なのです。ネット文化も今後成熟化していき、コンテンツのクオリティが評価される時代に入っていくと思われます。
新しいフレームは過去の職人を排除してしまうかのように振る舞う傾向があるのも事実なのです。決して、表現できることが高度になったわけではなく、もっと多くの人たちに利用されるべく発明されるものが多いため、そこから生まれる個々の表現そのものは、それまでのツールや経験を習得する時間を短縮し、技巧よりもアイデアそのものや表現力に重心が移り、専門的な知識をもつ人よりもそうでない人たちから、新たな表現者を生む可能性が芽生えることでしょう。
旧来のメディアに関する専門的な知識を持っていると、新しいフレームへのスイッチングコストが障害になって、波に乗り遅れることになります。全否定する必要はないのですが、手持ちのスキルに拘らず、旧来の素人と一緒にスタートラインに立つ必要があると思います。
ブログをつくることでもっとも大切なことは、ほかの人じゃなくて、あなた自身がそれを読むことに興味があるのかだ。
ブログを書くのは、自分のためかみんなのためか、という議論もありますが、自分のブログの最強の読者は自分自身だと思います。
tsuji2005

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辻 俊彦

辻 俊彦

ベンチャーキャピタリスト。専門分野は、メディア系、ITサービス系。

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