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その昔、僕が若い頃に流行った言葉が「脱サラ」。今の若い人はご存じないかも知れませんが、サラリーマンから脱出して独立する、という意味ですね。当時の脱サラというのは、居酒屋さんを始めるとか、どちらかというと会社生活から抜け出すイメージが強かった気がします。一方で、現在は脱サラという言葉を使わず、独立とか起業という言葉が主流ですね。

最近、以前にもまして独立、起業のご相談を受ける機会が増えてきました。皆さんいろいろと考えておられたり、考えておられなかったり。(笑)それぞれに重いはあるのですが、思いだけに留まっている人も少なくありません。独立のご相談のはずなのに、現在の会社に対する不平不満ばかり口にする人もいます。それはただ、現在の環境から逃げ出したいだけなんじゃないか、と率直に意見を言うようにしていますが。

そんな中でも、独立、起業に対する熱い思いを持ち、具体的なプランを考えている方もいらっしゃいます。なるほど、これならしばらく食っていくことも問題ないな、と思うような内容ですね。しかし、何か足りないのです。何かモヤモヤする。

「ずっと、一人でやっていくつもりですか?」「あ、いや、儲かったら社員も入れようかと」

いつになったら、どれくらいの社員を採用して、売上と会社の双方の規模はどれくらいにして、という絵がないのです。これは、僕自身の反省でもあるのですが、この絵を描いているのと、描いていないのとでは雲泥の差です。ここでいう雲泥の差というのは、人としての差という意味ではなく、今後のビジネスをハンドリングしていくうえで、方向性が定まっているか、あるいは行き当たりばったりなのか、ということです。

事業計画書というものを作るのは大変なのですが、正直言って数字のところは最初はエイヤッですし、根拠のない数字を作り上げていくしかありません。むしろ、その売り上げをつくり上げるため、その事業を成し遂げるために必要な社員は何人で、どのように集めていくのか、あるいは既に知り合いの中で候補がいるのか、といったことを考えていくことですね。

もちろん、その逆に何がなんでも一人で出来る規模だけをやっていく、というのもあると思います。それはそれでプロフェッショナルですし、そういう人は「何かあったら、誰かに助けてもらえばいいや」なんて甘い考えはありません。自分で出来るサイズを精一杯やる。大勢いないとできないこと、誰かの手を借りないとできないことには手を出さない。それもひとつの考え方だと思います。

この「一人でやるのか」あるいは「いつ、何人くらい採用していくのか」といったことが、事業計画書でなくとも、プランに盛り込んでいくことは、とても大事なことだという気がします。もちろん、そのとおりにならないといけない、ということはありません。プランは常に見直せばいいと思います。ただ、最初にプランがあり、予定と実績を比べながら動くことって大事なのですよね。僕は最初のころ、こういうところが詰め切れていなかったように思うので、余計にアドバイスしたいところです。

投資家としても有名な、やまもといちろうさんのブログに「あるスタートアップの資金調達失敗談」というお話が書かれています。とても勉強になるブログですが、その最後に以下のようなことが書かれています。

それってフリーランスやノマドとどう違うの? という話になるかも知れないけど、決定的に違うのは「目的を達成するために、人を雇うということ」だと思ってくだされ。部下や社員の生活を預かるようになって初めて見えるものはあると思います。

サクッと書かれていますが、結構重いお話だと感じた次第です。

kumaboo

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プロフィール

大木 豊成

大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

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