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 プロ、プロフェッショナル、プロ論と盛り上がって(一部で?)いますが、以前ある人が「全ての仕事はプロジェクトである(と考える)」と言っていたことがあります。以前、とは言ってもずいぶん前のことで、当時は「そんなことないんじゃない?」なぁんて軽く考えていたのですが、その後プロジェクト・マネジメントに関して学ぶ機会が増え、自分自身もプロジェクトに携わることが増え、さらには自身でプロジェクトをマネジメントする立場になり、その考え方は正しいな、と感じるようになってきました。

 
 2005年に発売された「パイロットが空から学んだ一番大切なこと」という本に書いてあるのですが、「パイロットにとって全てのフライトはプロジェクト」ということなのだそうです。同じ路線と飛ぶとしても、乗客は当然毎回違うわけですし、クルーは毎回変わるし、航路・高度も同じだとは言えない。むしろ、フライトをルーティンだと思った瞬間に、事故になりかねない、ということなのですね。たしかに、操縦をルーティンなどと思ってほしくないですよね。
 
 僕たちの仕事も、毎回同じお客さんとは限らないですし、同じお客さんでも同じ業務だとは言えないわけです。さらに、時期が違うだけでも大きく変わることがあります。決して、ルーティンにしてはいけないと思っていますし、ルーティンにすると大きなミスを犯しそうです。
 
「ああ、いつものヤツですね」
 いきつけの居酒屋さんならその会話でいいのでしょうが、我々が「いつもの」と思った瞬間に、チェックが甘くなるでしょうし、抜け漏れが発生しそうです。プロは、どんなに簡単な業務だと感じたとしても、きちんとプロジェクトとして捉え、取り組むものだと思いますし、僕自身もそうあらねば、と感じている今日この頃です。

kumaboo

 IT業界にいると、やたらと2文字、3文字の略語が多くて、他業界の人にはとても分かりづらいものですね。CRM、PLM、ERP、SFAにIVR。あ、これはITといえばそうだけど。(苦笑)

 
 最近は人材紹介ビジネスの方々が「HR」という言葉を使うことがあり、ちょっと気になっています。あ、ちなみに人材紹介ビジネスと人材派遣ビジネスは、似て非なり。人材派遣ビジネスを開業するには、いろいろな資格が必要ですし、研修室を設けないといけないなど、ハードルは(人材紹介ビジネスに比べて)数段高いようです。
 
 さて、「HR」。ヒューマンリソースのことなのですが、日本語で言えば「人材」。だからなに?という気がします。「HRM」なら分かります。ヒューマンリソースマネジメントですから、人材を管理し、あるいはケアをしながらビジネスを推進していく。また、人材を育成し、成長の伴走をする。これは、上長、そして人事部門の大事な役目です。社内にいると、紹介されただけでは終わらない。紹介されて採用した社員に対して、その後にも責任があります。採用した社員が自社で仕事ができるようにし、あるいは売上があがるように補助をする。
 
「あいつは売上が全然なんだよな」
 そんなことを言っている上長がいるとしたら、それはアマチュア。プロの上長なら、その言葉は天に向かって唾を吐いているようなもの、ということを知っていますから、そんなことは言わない。
 
 以前、ある企業の取締役が、自分が採用した社員がいっこうに売上を上げることができないからと、その社員の給与の一部を自分自身の給与から支払っていたというお話を聴いたことがあります。ま、この善し悪しはあるとして、自分が採用した社員に対しては、これほど責任を持っているということですね。ちなみに、この部下の方は、現在はものすごく成長しておられ、優良子会社の社長を勤めておられます。
 
 人材紹介ビジネスの方々全てが、紹介しっぱなしとは思いませんし、そうではない方々も存じ上げていますが、我々採用する側は、「HR」ではなく「HRM」を考えているのだということを知っておいていただきたいものですね。そして、僕たちは本気でHRMを考え続けなければならないのだと思います。

kumaboo

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プロフィール

大木 豊成

大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

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