« 2011年3月26日

2011年3月27日の投稿

2011年3月28日 »

 過去にもご紹介をしたことがありますが、P.F.ドラッカーのネクスト・ソサエティ を、今一度振り返ってみたいと思いました。というのは、この記事および関連記事を読んだからです。

被災企業、内定取り消し相次ぐ=従業員からも相談急増-東北3県(時事通信)

 地震による内定取り消しは、実は東北だけではないと聞きました。関東でも、東北をビジネスの本拠地としていた企業もありますし、関東でも地震の影響の大きい地域もあります。内定取り消しをしないほうが良いけれど、せざるを得ない現状も分かる気がします。むずかしい問題です。

 

 さて、ドラッカーのネクスト・ソサエティでは、雇用形態の多様化について書かれています。終身雇用を中心としてきた日本では、この本が出版された2002年当時には馴染まなかったかも知れませんが、今こそ考えるべき時期なのかも知れません。これは個人も考えるべきですが、企業側も、兼務を認めるなどの措置が必要になります。そのためには、兼務を認めるルールを策定する必要がありますね。

 正社員だけにこだわらず、契約形態の多様化、そして日本ではまだまだ少ないですが、独立をする人ももっと増えるのかも知れません。無闇に独立することは薦めませんが。

 また、本書の中では「情報技術が重大な影響をもたらす」とも書かれています。過去には、知識を伝達するには時間がかかっていたものが、新しい技術を活用することで、瞬時に人手に渡っていく、というものです。

 ここで書かれている情報技術は、僕はあえてITではなく、情報技術という「情報」と「技術」がセットになったものだと考えています。情報だけではだめだし、技術だけでもない。IT業界には、技術だけを考える人が多いのですが、情報とセットであることで意味をなす、ということだと思うのです。ですから本書には、コンピュータリテラシーの時代から、情報リテラシーの時代になる、ということも書かれています。

 情報を集め、情報を捨て(取捨選択)、情報を加工し、技術を使って多くの人に渡していく。受け取った人は、その情報をどのように活かすか、ということを考え、実践していく。

 昨年はドラッカーがブームになりましたが、今年はそれを実践していく時代なのかも知れない、と感じている今日この頃です。

kumaboo

« 2011年3月26日

2011年3月27日の投稿

2011年3月28日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

大木 豊成

大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
tooki
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ