« 2010年7月22日

2010年7月23日の投稿

2010年7月24日 »

 先週やった「中小企業の女性活用Ustream」以降、いろいろな方と女性のみならず、採用についてお話をする機会がありました。何人かのお互い関係のない方々と話したのですが、共通した話が、

ベンチャーといえば採用しやすいけれど、中小企業というと採用しづらい

ということなんです。

 そもそもベンチャーの語源はアドベンチャー。全く新しいことに挑戦し、開拓している企業だからベンチャー企業であるわけです。
 しかし、IT企業で考えると、派遣や業務委託、受託開発などの旧来型のビジネスにもかかわらず、社歴が浅いということだけでベンチャーと名乗っている企業が多いように感じます。
 しかし、社歴が長かったり、この10年間新しい事業を立ち上げたわけではない企業などは、中小企業としか分類されなく、学生や職を探している人たちには魅力的に映らないのではないか、ということなんです。

 職を探している人はたくさんいるのに、中小企業には触手が伸びない。これは、職を探している人、人を探している中小企業の双方に課題があるように感じます。
 中小企業というだけで敬遠してしまう人たち。自分のやりたいことも決まっていないのに、企業規模だけで避けずに、いろいろと話を聴いてみると社長が魅力的だったり、大企業よりも経営者の近くで仕事ができるという利点があるかも知れません。
 また、中小企業側は、よい人材を確保するためには、もっと自分たちを知ってもらうアピールをするべきだと思います。採用広告を出すだけではなく、経営者自らが採用に時間を割く。経営者自身が人事責任者として積極的に面接に出て、自社をアピールする。
 そうなんです、採用面接というと採用する側が審査する場だと思っている企業経営者がいますが、応募する側も企業を審査していることを知るべきだと思うんですよね。

 僕が前職で採用活動をしていたときは、面接の時間は1時間。最初の20分は自社を知ってもらう時間。積極的にアピールします。そして次の20分が応募者がアピールする時間。最後の20分が双方が質問し、話し合う時間。こうすると、お互いアピールしたいという気持ちが強まると少し時間が延びてしまうことがありますが、そこはそれ。欲しい人、入社したい会社と思っていることの表れなのですから、いいんじゃないかと思うんですよね。
 むしろ、二次面接、三次面接なんかやらなくても、責任者が最初から面接すればいいわけです。

「俺は忙しいんだ」
 そうかも知れませんが、採用の優先順位を上げないことには、欲しい人は採用しづらいと思うんですよね。

kumaboo

 朝カフェ次世代研究会は、今月でいったん終了。来週が朝カフェ→夜カフェになり、その後打ち上げです。で、9月から新たに始まるという流れですね。
 9月にお話をするお約束になっている話題が「子会社経営と創業、企業(仮題)」です。ソフトバンクにいた頃は、取締役もやりましたし、その前には経営企画室の責任者として、社長(孫社長ではなく)の考えていることを実現する役割を担っていました。しかし、その仕事と創業は全然別物だということです。

 さて、最近起業ブームなのか、不況からの離脱なのかは分かりませんが、「起業したい」という言葉を聴くことが多いです。日本が元気になるためにも、もっと起業家が増えるといいと思っています。
 しかし「いつか起業したい」と言っている人が、起業したのを見たことがない、ということもお伝えしておきたいのです。半年後なのか、1年後なのか、いつ始めるのかを決めているのなら分かりますが「いつか」は、きっと来ないのではないかな、という気がするんですよね。

 当たり前のことですが、起業ってそんな楽なものではないわけです。当たり前ですけど。もっと言うと、資本金(1円以上)と多少の手続きで会社を作ることは出来ます。6万円程度の印紙を貼れば完了。
 問題は、その会社は何を生業とするのか、です。夢が膨らむのは賛成。せっかく起業するのですから、夢多きことは良いことです。しかし、霞を食って暮らすわけにはいきません。会社員を辞めた翌月から収入は途絶えるわけです。で、どうする?

 起業を志す人たちが集まる勉強会も多いようですが、こういったことがなければ、理念もビジョンもあぶり出されては来ないのだと思います。すみません、零細企業の経営者が偉そうに、とお思いでしょうが、ひと言言っておきたかったことです。

kumaboo

« 2010年7月22日

2010年7月23日の投稿

2010年7月24日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

大木 豊成

大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
tooki
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ