« 2010年5月19日

2010年5月20日の投稿

2010年5月21日 »

 ツイッターが買収したTweetieが、装いも新たにTwitter for iPhoneとして登場しました。早速インストールしてみましたが、良い!かなり良いです。EchoFonユーザーですが、真面目に乗り換えを考えています。

 一昨日のソフトバンクの商品発表会では、各携帯端末でツイッターが簡単に使えるということでした。会場からはUstreamで中継され、ステージの後ろにはツイッターのコメントが流れ続け、まるでソフトバンクとツイッターは資本提携でもあったかと勘違いしてしまうような発表会でした。

 話は少し変わって、今週は都内の大学でiPhoneセミナーを担当しています。そこで学生たちと話す時間があるのですが、だいたい半分の学生はツイッターを知らないようです。そして、その半分のさらに半分が利用経験があるとか。
 具体的なアンケートを実施しているわけではありませんが、ツイッターのユーザーは30代以上と言われるのは、まぁ当たっているのかも知れませんね。もちろん、一方では活発に使っている学生もいますが。

 ツイッターに便乗したビジネスモデルはどんどん増えてきてますし、最近ではツイッターを説明して歩くような仕事もあるようです。(これでメシが食えるのかと、ちょっとビックリ)
 一方で、ツイッターそのものは、少なくとも日本ではビジネスとして成立しているとは言い難いように感じています。ツイッターの公式サイトにいけば少しだけ広告が出ていますが、ご存じの通り外部ウイジェットがたくさん出ており、ツイッターの公式サイトに行かなくても利用できるわけです。iPhoneアプリもたくさん登場していて、無料版は独自の広告を出しています。この広告は、ツイッターの公式サイトとは何ら関係がない。

 先日、孫さんと佐々木俊尚さんの対談の中で、孫さんがネット中継について「Ustreamでも、ニコニコ動画でも、Youtubeでも何でもいい」と仰有っていましたが、まさにユーザー側はなんでもいいわけです。
 ツイッターにしても、いつ次のツールに変わらないとは限らないということですね。コミュニケーションが出来るのであれば、何だっていいのですから。ツイッターが便利ですが、ツイッターにしか出来ないことってそんなにない。
 しかし、そのサービスを提供する側は、そんな気楽なことは言えないわけです。何とかマネタイズしていかないといけないわけで。

「付加価値を付けていけば必ず売れる」

 これは、ある意味で真理だと思います。問題は、じゃあどんな付加価値を付けるか、具体的にどうしていくか、ですね。正論は分かるけれど、それは具体的になに?ということです。
 ツイッターに限らず、サービスとしていいけれど、具体的にマネタイズが見えないものって増えてきている気がします。最初はトライアルでいいのでしょうけど、本格的に動き始めると、いつまでもベータ版でいるわけにはいかない。どこかでマネタイズしないことには、事業として立ちゆかなくなりますからね。

 最近、ウッフィーという「見えない価値」の話が出てきてから、こういうマネタイズの話を混ぜっ返す会話が増えてきているように感じます。マネタイズはマネタイズ。ビジネスはビジネス。それらは数値化されないといけないわけです。会社である以上、貸借対照表があって、損益計算書を作らないといけないわけです。右側(支出)ばかり増えていっても、左側(収入・売上)の数字が埋まらないことには、分かりやすくいうところの「赤字」になってしまうのですから。

 他社のことを詮索したり、他人のビジネスに口を出したりするつもりは毛頭ありません。自社のサービスが、きちんとマネタイズされているかということを客観的に見ないといけないな、と感じたため、他社の例で考えている今日この頃です。

kumaboo

« 2010年5月19日

2010年5月20日の投稿

2010年5月21日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

大木 豊成

大木 豊成

スマートフォン法人導入コンサルティングのイシン株式会社 代表取締役。
著書に、iPad on Business、ソフトバンク流『超』速断の仕事術、ファシリテーターの道具箱(共著)がある。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
tooki
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ