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2013年3月18日の投稿

交通系 IC カードの全国相互利用サービスという長い名前のサービスが、3月23日から始まります。簡単に言えば、Suica とか Pasmo とか ICOCA とかいう名前の電車やバスに乗るための IC カードを1枚もっていれば、全国どこでも使えるということです。IC カードは、各鉄道会社やバス会社などが単独にまたはグループを作って運営していますが、同じ地域の複数のカードの間などの一部を除いて、そのグループ以外では使うことができませんでした。そのため、旅行に行った先では、IC カードの改札はあるのに、自分が持っているカードを使うことができないことが、普通でした。しかし、今回の「交通系 ... 相互利用サービス」によって、IC カードを使って旅行先でも電車やバスに乗ることができるようになります。とても便利です。

しかし、この相互利用サービスの例外があります。それは、PiTaPa です。PiTaPa は関西の私鉄系の IC カードで、JR西日本の ICOCA と並んで、関西では多くの利用者がいる カードですが、ショッピングでの利用で、PiTaPa は、PiTaPa 以外の加盟店でのショッピングに使うことができず、また PiTaPa 以外のカードは、PiTaPa の加盟店でのショッピングに使うことができません。その理由は、PiTaPa 以外のカードが先にお金をチャージするプリペイドカードであるのに対して、PiTaPa は後からお金を引き落とされるポストペイカードだからです。後から引き落とされるということは、クレジットカードと同じです。

クレジットカードなので、加入時に審査などがあって面倒ですが、この方法をとった理由の一つに割引サービスなどのサービスを提供しやすいからだと思われます。実際、PiTaPa には、鉄道会社ごとに独自の割引サービスが提供されています。たとえば、神戸地下鉄では、PiTaPa での利用が1ヶ月 1000 円に達すると請求時に割引された額で計算されます。2000円の利用で、7.5% の割引となるので、150 円お得です。

この仕組みを使った頭の良い割引サービスの一つが、定期券の金額を上限とする割引サービスです。これは、あらかじめ乗車駅と下車駅を指定しておけば、1ヶ月間にこの駅間の利用金額が定期券の金額を超えたら、定期券の金額が上限になるというものです。もし定期券の額に達しなければ普通に乗っただけの支払いになり、損をすることもありませんので、その月の利用回数と定期券の額を計算しながら、定期券を買うかどうか迷うこともありません。

残念なことに、ポストペイのカードは PiTaPa だけですので、全国相互利用で制限がつく結果になってしまいましたが、どこかがやっているのを真似するのではなく、独自にサービスを考えて利用者を満足させる形で定着させているのは、良いことだと思います。今後の発展の中で、PiTaPa の良さも取り入れたサービスに進化して行くことを期待しています。

Katsushi Takeuchi

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竹内 克志

竹内 克志

電子機器のハードウェアとソフトウェアの融合を模索中。
日本およびアメリカで一貫してソフトウェアの製品開発を担当。ソフトウェアに限らずテクノロジー全般に興味を持つ。

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