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4月21日から24日の3日間にわたって開かれた、IBM の Smarter Plant University Jam のレポートが出来上がったという連絡を受けた。詳細は、こちらを参照してください。

これは、世界中の大学の学生と学校関係の方々が、IBM の vision である Smarter Planet についての議論をオンラインで行うというイベントで、私は IBM の方のご好意で参加することができて、以前ブログでも紹介した。

議論は、以下の5つのフォーラムに分かれた掲示板に書き込む形で同時に行われたが、参加者はどのフォーラムの議論にでも参加することができた。

- Smarter planet skills and education
- Smart water management and green planet
- Smart grid
- Smarter healthcare
- Smart cities

残念ながらサイトへアクセスして生の議論を見ることはできないが、今回発表されたレポートで、全体の議論がまとめられているので、興味がある人は直接レポートを見てほしい。レポートの中で、私が注目した情報を簡単に紹介する。

1. 72時間連続で行われた議論へは、40か国から約2000人の参加者があり、投稿数は約3000であった。参加者の半数は、北米からの参加者で、約1/3 はアジアから、20%はヨーロッパからの参加者であった。

2. 参加者の75%が、学生だったこともあり、"Smarter planet skills and education" が最も活発に議論が行われたフォーラムであり、世界経済がサービス型に移行していくことで、教育機関、政府、産業界が共同で、T型人間を生み出していくことが必要だという議論が行われた。また、教育が技術の変化についていっていないということも議論されたようである。

3. 2番目に活発に議論が行われた、"Smart Cities" のフォーラムでは、ゲーム、仮想現実などの技術を将来の都市設計に使うというアイデアが議論された。また現在の集中型の都市の脆弱性を強固にするために、技術を使った都市の分散化を計るというアイデアが議論された。

レポートを読んでいて、安心したことは、学生の多くが未来に対して楽天的であったと書かれていたことだ。20世紀に公害が社会問題になったときに、科学技術に対して懐疑的な見方が出てきたことがあったが、その多くは技術によって克服された。技術による明るい未来を期待している学生が多くいることは、重要なことである。技術を信じなければ、技術によって地球を良くしていくという発想は消えてしまう。

レポートにも書かれていたが、中国のある学生が Jam の投稿を中国語で書いた。それ以外の投稿がすべて英語で行われている中、中国語の書き込みはその場としては不自然で、排除または無視されてもおかしくない状況であった。しかし、それを見た中国語を理解できない学生の一部は中国語の書き込みをオンラインの翻訳サービスで翻訳して理解し、英語で返答を書いたのである。言語の違いという壁は、技術によって取り去ることが可能であることを、この中国語の書き込みが明らかにしてくれた。

今回の Jam への日本からの参加は、残念ながら非常に少なかった(少なくとも投稿数で見る限り)。世界中の学生が集まる議論に参加できるというこの機会を、日本の学生ももっと利用して、意見を出していってほしかった。英語力の問題と言う見方もあるが、こういったテーマに対して自分の意見を持っていないということであったら、問題はより大きい。もし意見を持っているのなら、自分の意見を投稿して、議論を起こしていくくらいの姿勢が必要だと思う。また、もし意見がなくても、質問を書けば、それに対する反応があり、その問題に対する理解も深まることは明らかである。今後同じような機会があれば、本当の意味で「参加」することをお勧めする。

Katsushi Takeuchi

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竹内 克志

竹内 克志

電子機器のハードウェアとソフトウェアの融合を模索中。
日本およびアメリカで一貫してソフトウェアの製品開発を担当。ソフトウェアに限らずテクノロジー全般に興味を持つ。

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