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リアルコムでは、インド子会社の Realcom Technologies India Pvt. Ltd. と連携した形で、ソフトウェア開発のグローバルチームを構築する支援サービスを始めた。(以下のリリース参照)

http://www.realcom.co.jp/news/20090729_global_development.html

このサービスは、ソフトウェア開発のオフショアリングによるコスト最適化と共に、将来的にはグローバルな環境でソフトウェア開発チームを構築し管理するためのノウハウを提供するサービスである。

日本でソフトウェアの「プロダクト」(製品や自社サービス)を開発している会社の比率がアメリカなどにくらべて少ないこともあって、オフショア開発は個別のプロジェクト単位で実施されることが多く、時間的制約およびコミュニケーションの問題を処理するために、多くの場合ブリッジSE と呼ばれる専門職を介して行われる。しかし、プロダクト開発においては、開発途中での仕様変更や優先度変更に柔軟に対応する開発体制が重要なため、最初に仕様と納期を決めてそれを確実に守ることを主眼に置いたプロセスでは、うまくいかない。それよりも、仕様変更や優先度変更の情報を密にコミュニケーションして、それにフレキシブルに対応してもらうことの重要度が高い。

今回のサービスでは、Realcom Technology India の開発チームをオフショア開発先として利用できるわけであるが、それに加えてインドのオフショア開発先を有効に利用するためのトレーニングなども合わせて提供する予定である。短期的にはコミュニケーションの仲介としてのブリッジエンジニアが必要になるかも知れないが、最終的には日本側のリーダー、さらには個々のエンジニアがインドのエンジニアと直接つながることを目指している。インドは、アメリカからのソフトウェア開発オフショア開発の中心地であり、アメリカで標準的なソフトウェア開発プロセスでオフショア開発が行われている。そこに新しく独自のプロセスを持ち込むのではなく、世界標準と言っても良いプロセスに合わせたほうが良いという考え方である。世界標準のプロセスに合わせることで、結果的にオフショア開発のコストが下がり、将来オフショア開発先を変更する必要が出たときにでも、その時点で、技術的にもコスト的にも最適なオフショア開発先を選択することができるという大きなメリットを得ることができる。

日本のソフトウェア開発(特にプロダクト開発)におけるオフショア開発の活用度合いは低い。プロセスの標準化と自社チームの国際化を進めて、世界的な競争力をつけていかなければならないと思う。リアルコムとしてサービスを始めたわけであるが、個人的には、日本のソフトウェア産業全体を活性化していくための小さな一歩だと思っている。

Katsushi Takeuchi

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竹内 克志

竹内 克志

電子機器のハードウェアとソフトウェアの融合を模索中。
日本およびアメリカで一貫してソフトウェアの製品開発を担当。ソフトウェアに限らずテクノロジー全般に興味を持つ。

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