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知識労働者という言葉は、あまり正しくない。英語で言うと、Knowledge Worker というよりも Intelligent Worker と言った方が良いかもしれない。伝統的な労働者の区別として、大きく管理職と非管理職という分類があり、法律もそれを前提に作られている。管理職には残業代がつかないという(厳密には違うそうだが)点がわかりやすい区別であろう。

管理職は、時間で拘束されずに残業代もつかないということは、法律がそれを認めていることに加えて、社会的にも合意されたルールとなっているが、その本質は私はよく理解できていない。管理職は会社の経営側で非管理職のいわゆる労働者ではないので、勤務時間は管理しないという説明もある程度は納得できる部分もあるが、すっきりしない。別の説明として、管理職の仕事は時間を切り売りする仕事ではないということも聞く。こちらの説明のほうが納得感が高い。

では、時間を切り売りしない(生産性に対する時間の要素が小さい)仕事をする人に対しては、管理職でなくても残業代はつけなくても良いのではないか? その時間に制約されない仕事を説明するために、新たな定義が必要になっているように思う。それが、タイトルに書いた「知識労働者(仮称)」である。

立ち消えになった「ホワイトカラーエグゼンプション」は、知識労働者に限定したルールにするべきところを、ホワイトカラーとブルーカラーの2つという時代遅れの区別を前提に、あまりにも大きな範囲の「ホワイトカラー」をその名称にしてしまったところが、そもそもの失敗であった。「知識労働者エグゼンプション」というような名称ならば、マスコミに揚げ足をとられることも少なく、まともな議論ができたかも知れない。

たとえば、アメリカの IBM をはじめとする多くのコンピュータ企業のソフトウェアエンジニアは、新卒で入社したときから "Exempt" と呼ばれる、残業代の対象外の社員として扱われる。一方、たとえば秘書は、ホワイトカラーではあるが、"Exempt" とはならない。「知識労働者」が明確に区別されているのである。

世界と戦っていくためには、知識労働者を法律上も明確に区別して、知識労働者が煩わしい労務管理に邪魔されずに、そのパフォーマンスを最大限に発揮できるようにしていくことが必要だと思う。

Katsushi Takeuchi

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竹内 克志

竹内 克志

電子機器のハードウェアとソフトウェアの融合を模索中。
日本およびアメリカで一貫してソフトウェアの製品開発を担当。ソフトウェアに限らずテクノロジー全般に興味を持つ。

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