« 2006年9月21日

2006年9月27日の投稿

2006年10月24日 »

企業向けのソフトウェアは、これまで多くの場合、製品または受託開発として提供されてきた。しかし、近年のソフトウェアサービスモデルが多く利用されてきたことで、ソフトウェア開発プラットフォームの選定条件が変わってきている。

ソフトウェアを製品としてまたは受託開発として提供する場合、最終的にユーザの環境の中でユーザの管理の下で動作させることになるので、プラットフォームの選定は重要な意味を持っていた。たとえば、ユーザのIT部門がサーバルーム内での環境を特定のハードウェアおよび OS に統一していれば、その環境に適合した製品を持っているほうが圧倒的に有利である。そのために製品開発をする側は、競争に勝つためにマルチプラットフォーム対応が必須であった。Lotus Domino は、OS は、Windows, Linux, Solaris, AIX, IBM iSeries, IBM zSeries などで動作する。またそれぞれの OS の複数バージョンに対応しているので、実際の組み合わせは非常に多くなる。もちろん、開発するほうは、全部を別々に作るようなことはせずに、OS 依存部分をきれいに切り離すということはしているのだが、やはり OS ごとの違いがテストで見つかってあわてることも多い。

それに対して、ASP サービスのような、ソフトウェアのサービスモデルでは、マシンも OS もサービス提供側が所有して管理するので、1つのプラットフォームの1つのバージョンだけで動けば事足りる。サービスを使うユーザは、見えないところで動いている OS は気にしない (そもそも、そのあたりを気にする IT 部門が意思決定者にならないケースが多い)。

これは、ソフトウェアを開発する立場からすると非常に喜ばしい状態で、他のプラットフォームへのポーティングや、多数のプラットフォーム上でのテストなど、ソフトウェア開発において、手間がかかり効率の悪い部分を排除し、提供するサービスを増やしたり改善したり、するなどの、本質的な部分により多くの時間を使うことができるようになる。

バージョンアップや問題修正も即座にできることになるので、開発環境や開発言語もサービスで提供する環境にあったものが使われ始めている。Ruby on Rails は、最近世界的に注目を集めている (Silicon Valley でもエンジニアが不足しているということだ) が、サービスとして提供するソフトウェアの開発に非常にフィットしていることがその理由の一つだと思う。

Katsushi Takeuchi

« 2006年9月21日

2006年9月27日の投稿

2006年10月24日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

竹内 克志

竹内 克志

電子機器のハードウェアとソフトウェアの融合を模索中。
日本およびアメリカで一貫してソフトウェアの製品開発を担当。ソフトウェアに限らずテクノロジー全般に興味を持つ。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
takeuchi
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ