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日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

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「狂い」のすすめ』という本を読みました。タイトルはこの本からの引用。

なぜ目的を持つべきでないか。大まかに言えば、目的地を設定してしまうと「現在」を楽しめなくなってしまうからというのがその理由。

同じ章に、とても印象的なエピソードが引用されていました。孫引きします。

 フランスのノーベル賞作家のアナトール・フランス(一八四四-一九二四)の随想録である『エピクロスの園』に、こんな話があります。

《九年級の受け持ちのグレピネ先生が、教室で、「人と精」という寓話をわたくしたちに読んで聞かせられた時、わたくしはまだ十歳にもなっていなかった。とはいえわたくしはあの寓話を昨日聞いたよりもはっきりと思い出す。ある精が一人の子供に一つの糸毬(いとまり)を与えていう。「この糸はおまえの一生の日々の糸だ。これを取るがよい。時間がおまえのために流れてほしいと思う時には、糸を引っぱるのだ。糸毬を早く繰るか永くかかって繰るかによって、おまえの一生の日々は急速にも緩慢にも過ぎてゆくだろう。糸に手を触れない限りは、お前は生涯の同じ時刻にとどまっているだろう。」子供はその糸を取った。そしてまず、大人になるために、それから愛する婚約者と結婚するために、それから子供たちが大きくなるのを見たり、職や利得や名誉を手に入れたり、心配事から早く解放されたり、悲しみや、年齢とともにやって来た病気を避けたりするために、そして最後に、かなしいかな、厄介な老年に止めを刺すために、糸を引っぱった。その結果は、子供は精の訪れを受けて以来、四か月と六日しか生きていなかったという》(大塚幸男訳、岩波文庫)

―ひろ さちや、『「狂い」のすすめ』p82

自分で糸を繰らないと時間が進まないし、繰れば繰っただけ早く進むという設定が恐ろしい。
不幸せな時は早くそれをやり過ごしたくて、幸せな時は早く次のシーンを見たくて、
糸をどんどん繰ってしまいそうです。

まあ、世の中の時間と比べて短い時間しか生きなかったとしても、
その中で一生を生き切ったということであれば後悔しない気もしますが。

koji

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堀内 浩二

堀内 浩二

(株)アーキット代表。
「個が立つ社会」をキャッチフレーズに、起業・転職支援やビジネスリテラシー研修などを提供しています。 個人向けにはチャレンジ応援サイト「起-動線(きどうせん)」を運営。

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