発想七日!:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 発想七日!

日々の「ハッ、そうなのか!」を書き留める職遊渾然blog

« 2006年10月11日

2006年10月12日の投稿

2006年10月13日 »

毎週金曜日に、運営しているサイトのユーザーの方にメールでお便りを出しています。
先週思うところあって、これまで付けていた罫線・枠線と行頭記号(■●▼※)の類を極力無くしてみました。

なぜそう思ったか。

  • 装飾の本来の目的は「読みやすさ」のはず。長いメールをセクション毎に罫線で区切ったり、行頭記号を付けたりすることで、読みやすさが向上するのは明らか。
  • しかし、副作用もありそう。
    • 時間が経つにつれて装飾過剰になる傾向がある。これは、一度作成したテンプレートに準拠しつつ、さらに特定のコンテンツを目立たせようとする工夫が積み重なっていくためかと思われる。
    • 罫線や記号が過剰に使われると、相対的に「文字」が埋もれ、スキャンしづらい。ここでいうスキャンとは、ページをざっと眺めて興味のある単語を探すこと。
    • メルマガのようなフォーマットを仕事やプライベートで使うかといえば、使わない。明らかに「メルマガっぽい」体裁は、むしろ読み流されるリスクが高まる。

そこで今週、メールマガジン(対象はHTMLメールでなくテキストメール)の体裁を再考するためのガイドラインを考えておりました。ミーティングの待ち時間に手帳にメモした内容をまとめ直します。

  • 内容と構造
    • そもそも、本当に伝えたいことに絞る。長くしない。
    • 「目次」は必要か?目次が必要なほど長いメールが、本当に読まれているか?キーワードを注意深く選んで語りかける、短い概要文の方が効果的ではないか?
    • 複雑な構造にしない。章―節―項のような構造をテキストで表現しようとすれば、装飾文字に頼りたくなる。章―節で済ませられないか?
  • 表現
    • 区切りは罫線でなく空行で済ませられないか?現在のデザインをリセットし、罫線は章の区切りだけに使うというルールで再デザインしたらどうなるか?
    • リストは行頭記号でなくインデント(+空行)で表現できないか?■●▼◆の類は、使えば使うほど目立たなくなっていく。
    • 行頭記号は一貫性を持って使われているか?目立つ順(■●▼◆・など)に並べた上で、使用ポリシーを決めよう。
    • 長めの文章を配信しているなら、文章を読ませる工夫があるか?適切な小見出しなど、長い文章の構造を明らかにする装飾ならば読者に有益。文章の部分だけ段落を一字下げて始めると、なぜか文章らしい体裁になり、「じっくり読むところだな」というメッセージが送れる。
  • トーン
    • パーソナルに。しかし時候のあいさつでは意味がない。テーマに即した小咄(時事ネタや考察など)を探しておきたい。
    • 語りかけるが問いかけない」を基本路線に。つい反応が欲しくて問いかけたくなるが、過剰に問われるのは読み手には負担。読者に問いかける質問は厳選しよう。

制約は創造の母」です。一度厳しい制約を課してみることで、本来の目的である「読みやすさ」に即したデザインが見つかるかも知れません。

その点では、使える文字の少ない英語のメールマガジンが参考になるのではないかと思い、メールボックスを漁ってみました。残念ながら、ハッとするような体裁のメルマガは見つかりませんでした。明日発行のメールニュースはどうしようかな。

koji

« 2006年10月11日

2006年10月12日の投稿

2006年10月13日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

堀内 浩二

堀内 浩二

(株)アーキット代表。
「個が立つ社会」をキャッチフレーズに、起業・転職支援やビジネスリテラシー研修などを提供しています。 個人向けにはチャレンジ応援サイト「起-動線(きどうせん)」を運営。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
koji
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ