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« 2011年7月5日

2011年7月6日の投稿

2011年7月7日 »

3月11日の震災後、公共サービスとしてのソーシャルメディアの活用が広がりを見せています。ITmediaエンタープライズに震災直後からの活用事例などをご紹介したところ、多くの反響をいただいています。

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1106/17/news014.html

クラウド ビフォア・アフター:公共サービスとして広がるソーシャルメディア - ITmedia エンタープライズ via kwout

震災直後から、公共機関の開設が相次ぎ、「Jガバメント on ツイナビ」では、国や地方自治体が運営する公式 Twitter アカウント情報を確認することができます。7月6日時点で、244のアカウントが登録されています。

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経済産業省が2011年4月5日に発表した「公共機関向けのTwitter アカウントの認証スキーム構築について」によると、震災前の3月の調査では国・地方公共団体等のツイッターアカウントの利用が121でしたが、4月4日時点で148に増加し、そして7月6日には244(一部自治体以外のアカウントあり)と、大きな伸びを見せていると言えるでしょう。

また、経済産業省は、2011年7月4日、内閣官房IT室、総務省、文部科学省他関係府省と連携し、インターネットを通じて民間の創意工夫を集めることで、東日本大震災からの復旧・復興につなげていく国民運動「ネットアクション2011」の呼び掛けを開始したことを発表しました。

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公共データを収集・公開し、民間企業がどのデータを活用し、震災からの復旧、復興や節電のためのアプリケーションやコンテンツの開発、創作の呼びかけを推進していくとしています。

以上のような公共機関のソーシャルメディアの活用や、公共データの民間企業の活用の流れは、オープンガバメントの流れの一つといえるでしょう。

IT戦略本部の「電子行政に関するタスクフォース」は2011年7月4日、「電子行政推進に関する基本方針に係る提言(PDF)」を公表しました。

オープンガバメントは、本タスクフォースの重要な提言の一つとなっており、以下のとおりの内容となっっています。

(1)基本的な考え方

これまで政府は、国民の利便性及び行政運営の透明性の向上を図る観点から、国民が行政情報を容易に利用することができるようにするとともに、行政として必要な説明責任を果たすため、行政機関が保有する情報の積極的な公開・提供に努めてきたところである。今後はこれに加え、行政の質の向上を図る観点
から、社会に存在する有益な情報・知見等を政策に活用するため、国民との情報の共有化や政策形成過程の可視化を進め、国民が政策を検証又は提案し、政策形成過程に参加できるようにすることが求められている。
また、今般の東日本大震災の経験を踏まえると、特に緊急時には、利用可能な情報通信インフラやリソースが制限された環境下において、必要な人に必要な情報を迅速かつ確実に届けられるようにすることが求められている。このための取組は、必ずしも電子的手段に限定されるものではないが、不特定多数の者が容易かつ同時に情報のやりとりができるという情報通信技術の特性を最大限に活用する必要がある。
オープンガバメントの在り方及び具体的な進め方については、引き続き検討することとするが、平時から緊急時にも有効な方策を視野に入れて、利用者の具体的なニーズや費用対効果を踏まえつつ、実現可能なものから順次取り組んでいくこととする。

(2)行政情報の公開・提供

行政機関が保有する情報については、各府省のホームページや電子政府の総合窓口(e-Gov)等を通じて電子的に提供されているが、国民に十分認知されていない、提供される情報が十分ではない、情報が提供されるまでに時間がかかる、提供される情報が分かりにくい、必要とする情報が探しにくいといった課題が指摘されている。国民が必要とする行政情報を容易に利用できるようにする観点から、利用者の属性、利用環境、利用目的等も考慮しつつ、提供する情報の拡充、迅速な情報提供、情報の分かりやすさや探しやすさの向上を図るとともに、統計情報、測定情報、防災情報等について2次利用が可能な標準的な形式での情報提供を推進する必要がある。併せて、特に緊急時においては、限られたリソースの中で確実に情報を提供する観点から、携帯端末向け情報提供、ネットワークへの負荷が少ない形式での情報提供を進めるとともに、アクセスの集中により情報提供が不可能となる事態を回避するための方策を検討する必
要がある。また、迅速な情報提供の観点からは、今回の震災に際しての有効性や留意点を検証しつつ、情報伝達を容易にするソーシャルメディアの効果的な活用方策について検討する必要がある。
また、国民による政策の検証や政策形成過程への参加を可能とする観点からも、政策に係る各種情報の提供を推進する必要がある。
これらを実現する取組の一環として、各府省ホームページにおける情報提供の在り方の見直しや電子政府の総合窓口(e-Gov)の抜本的な改善を図る。また、徹底した業務改革を行った上で文書管理の電子化(ペーパーレス化)を行い、原則として電子決裁機能を使用するなど文書管理システムの利用を推進する。

(3)国民の意見の収集と政策形成過程への参加

国民が政策を提案し、政策形成過程に参加するためには、そのための手段が用意されていなければならない。現在、国民の意見・要望・提案等を募集し、政策形成に活用するための各般の取組が行われているが、国民に十分認知されていない、意見等が十分に活用されていないといった課題が指摘されている。
国民の意見を積極的に収集するとともに、国民が政策形成過程へ参加するための手段として情報通信技術を有効に活用する方策について検討する。

(4)推進体制 

今後整備される政府CIO体制の下、オープンガバメント関連施策を府省横断的に強力に推進する。

今後、提言に基づき、政府CIO体制の下で、オープンガバメント関連施策を省庁横断的に推進するとしており、今後のさらなる展開が期待されるところです。

 

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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