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震災から1ヶ月がたち、政府や自治体による復興に向けた会議や方針が出されました。

震災復興会議の開催

政府は3月11日、枝野官房長官の記者会見で「東日本大震災復興会議」を14日に開催することが明らかになりました。

枝野官房長官は11日の記者会見で以下のとおり発言されています。

今回の震災からの復興に当たっては、それぞれの地域で住民の意見を踏まえながら、具体的な復興計画を策定していくことと並行し、被災者の方々が希望を持ち、国民全体が共有できるような大きなビジョンを描くことがきわめて重要

この大きなビジョンを描いて頂くために、本日、有識者からなる復興構想会議を立ち上げることとした。この会議では従来の枠にとらわれず、歴史的評価にも耐えるような大胆かつ骨太の復興ビジョンを作って頂くことを期待

復興構想会議の人選にあたっては、東北ゆかりの方を軸に全国からの英知を結集した。

議長は五百旗頭真氏に、議長代理は安藤忠雄氏、御厨貴氏にお願いした。いずれも阪神淡路大震災復興に携わるなど、我が国を代表する政治学者や建築家だ。この他被災された福島の佐藤知事、岩手の達増知事、宮城の村井知事等15名で構成。

この他、哲学者の梅原猛さんに特別顧問になっていただく。

第一回会合は、14日を予定しており、6月目途に基本的提言をまとめて頂きたいと考えている。政府としては、「提言」を受け、速やかに復興基本方針に反映させ、一丸となって復興に取り組む。

福島第一原発及び第二原発の事故により被災している地域の復興については、事故の推移を見つつ一定のめどがついた段階で集中的に検討する体制を考えていく。

首相官邸の「東日本大震災復興会議」のホームページでは、開催趣旨は以下のとおり、書かれています。

未曾有の被害をもたらした東日本大震災からの復興に当たっては、被災者、被災地の住民のみならず、今を生きる国民全体が相互扶助と連帯の下でそれぞれの役割を担っていくことが必要不可欠であるとともに、復旧の段階から、単なる復旧ではなく、未来に向けた創造的復興を目指していくことが重要である。このため、被災地の住民に未来への明るい希望と勇気を与えるとともに、国民全体が共有でき、豊かで活力ある日本の再生につながる復興構想を早期に取りまとめることが求められている。
このため、有識者からなる東日本大震災復興構想会議(以下「会議」という。)を開催し、復興に向けた指針策定のための復興構想について幅広く議論を行うこ
ととし、会議の議論の結果を、復興に関する指針等に反映させるものとする。

会議の構成員は以下のとおりです。

議    長: 五百旗頭 真 防衛大学校長、神戸大学名誉教授
議長代理: 安 藤 忠 雄 建築家、東京大学名誉教授
議長代理: 御 厨 貴 東京大学教授
委員: 赤 坂 憲 雄 学習院大学教授、福島県立博物館館長
内 館 牧 子 脚本家
大 西 隆 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授
河 田 惠昭 関西大学社会安全学部長・教授
阪神・淡路大震災記念  人と防災未来センター長
玄 侑 宗 久 臨済宗福聚寺住職、作家
佐 藤 雄 平 福島県知事
清 家 篤 慶應義塾長
高 成 田 享 仙台大学教授
達 増 拓 也 岩手県知事
中 鉢 良 治 ソニー株式会社代表執行役副会長
橋 本 五 郎 読売新聞特別編集委員 
村 井 嘉 浩 宮城県知事
(15名)(五十音順、敬称略)
特別顧問(名誉議長):梅 原 猛 哲学者

復興会議では復興方針を提言し、首相と全閣僚による対策本部がその提言を受けて政策を実行する流れとなります。また、震災復興担当相が長官を兼務する「復興庁」も新設の検討を進めています。


宮城県の震災復興基本指針(素案)

宮城県は3月11日、「宮城県震災復興基本方針(素案) 」を公表しました。

策定にあたっての基本理念は以下のとおりです。

1 県民一人ひとりが復興の主体
宮城・東北・日本の絆を胸に,県民一人ひとりが復興への役割を自覚し主体となるとともに,国・県・市町村・団体等が総力を結集して,県勢の復興とさらなる発展を図ります。

2 単なる「復旧」ではなく「再構築」
単なる被災地の「復旧」にとどまらず,これからの県民生活のあり方を見据えて,県の農林水産業・商工業・製造業のあり方や,公共施設・防災施設の整備・配置など,様々な面から抜本的に「再構築」することにより,最適な基盤づくりを図ります。

3 現代社会の課題に対応した先進的な地域づくり
災害からの復興を図っていく中で,人口の減少,少子高齢化,環境保全,自然との共生,安全・安心な地域社会づくりなど現代社会を取り巻く諸課題に対応した先進的な地域づくりを目指します。

4 壊滅的な被害からの復興モデルの構築
震災から10年後(平成32年度)には,新しい考え方や取組を取り入れた復興を成し遂げることにより,壊滅的な被害からの復興モデルを構築します。

復興にあたっての基本的な考え方は、平成32年度までの10年間(復旧期(3年),再生期(4年),発展期(3年)に区分して実施していくことを計画し、復興の主体は県民で民間の活動を行政がサポートするなどの記述がされています。

①計 画 期 間 ・平成 23 年度~平成 32 年度までの 10 年間
         ・復旧期(3 年)、再生期(4 年)、発展期(3 年)に区分
②復興の主体
・県民一人ひとりが主体となるとともに、民間の活動を行政が全力でサポートする体制で復興を図る。
③必要な支援
・国、他都道府県、他市町村、民間からの人的・物的支援
・大規模な復興事業の国の直轄施行(県・被災市町村の負担軽減)
・国の大規模な災害復興交付金・地方交付税等による自由度の高い確実
な財政措置(県・被災市町村の財源確保) ・被災地復興を最優先とする柔軟な制度運用、被災地の実情にあった特別立法や特区制度の適用等(各種規制の柔軟な運用)

詳細な内容は、「宮城県震災復興基本方針(素案) ~ 宮城・東北・日本の絆・再生からさらなる発展へ ~ (PDF) 」に基本的理念や復興の基本的な考えのほか、緊急重点事項、沿岸被災市長の復興の方向性、県全体の復興の方向性、県の行政財政運営の基本方針などが、21ページにわたって書かれています。

菅首相の復興における基本的な考え方

今回の政府や会議開催や宮城県の方針策定にあたっては、4月4日のブログ「復興にむけてのこれからの街づくり」でとりあげましたが、菅首相の4月1日の記者会見がベースとなっています。菅首相の記者会見のコメントを一部引用させていただきます。

まず最優先すべきはこの震災に対して被災者の支援、更には復旧復興に向けての政策を最優先しなければなりません。そこで、成立した予算ではありますけれども、一部を執行停止して、そして、そうした大震災の被災者に充てるための補正予算の準備に入りたいと思っております。補正予算は復旧復興の段階に応じて何段階かで必要になると考えておりまして、まず第一弾としてはがれきの処理、仮設住宅、更には雇用の確保、そして産業復旧の準備、こうしたことを第一弾として準備をしてまいりたい。今月中には第1次補正の中身をかためて、国会に提出をしていきたいと考えております。

次いで、いよいよ復興に向けての準備に入らなければなりません。復興は従来に戻すという復旧を超えて、素晴らしい東北を、素晴らしい日本をつくっていく。そういう大きな夢を持った復興計画を進めてまいりたいと思っております。この間、被災を受けられた自治体の市町村長の皆さんと電話などでいろいろと御意見を伺いました。そうした御意見も踏まえて、例えばこれからは山を削って高台に住むところを置き、そして海岸沿いに水産業、漁港などまでは通勤する。更には地域で植物、バイオマスを使った地域暖房を完備したエコタウンをつくる。そこで福祉都市としての性格も持たせる。そうした世界で1つのモデルになるような新たな町づくりを是非、目指してまいりたいと思っております。

宮城県仙台市の震災復興基本方針

4月1日には、宮城県の仙台市が「仙台市震災復興基本方針」を公表し、以下の4つの施策の方向に沿って、今後の震災復興を推進していくとしています。

1.被災された方々が安心できる一日も早い生活再建
2.暮らしの安心を支えるライフラインや交通、各種の施設やサービスの安定化
3.痛手を負った経済や被災地域(コミュニティ)の復興・再生
4.杜の都・仙台の再生推進と東北地方全体の再生の牽引

 

以上のように、政府そして被災地の自治体による復興に向けての検討が進められています。どのような体制で中長期のビジョンを策定し、どのように復興をさせ、日本を元気にさせていくか、今後の取り組みが注目されます。

 

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MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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