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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2009年3月14日

2009年3月15日の投稿

2009年3月16日 »

関さんが「CEOがクラウド採用をドライブする?」というブログを書かれており、大変興味深く読ませていただきました。CEOがクラウドコンピューティングの導入を推進し、IT部門が抵抗するという構図は、今後頻繁に出てくることが予想されます。関さんのおっしゃるように、IT部門の業務はシステムの運用保守という業務から、全社全体のガバナンスや社内全体のシステムの最適化をはかるという動きにシフトしていくことが予想されます。

そうなれば、サービス提供者側、つまり、システムやサービスを提案する側も変わらなければならないでしょう。これまでは、システムの更改時などを機にIT部門に提案をしていれば良かったのですが、クラウドサービスに移行するようになれば、システムのバージョンアップがクラウド側で処理をされることになれば、提案機会は減少してしまうのかもしれません。 

そして、仮にクラウドサービスを受注してもSIの案件と比べれば金額は、低く押されられることになり、企業ユーザ側にとってはコスト削減ができるものの、ノルマのある営業担当者にとっては、非常に厳しいことになるかもしれません

市場は縮小し、IT業界の人間にとっては受難の時代を迎える可能性も考えられます。一方、CEOクラスに提案する機会が増えることになれば、自社に取り込むクラウドサービスのパイが増え、全社導入など、案件規模が拡大する可能性も十分に考えられるでしょう。ただし、これまでの営業は、CEOに対して経営課題の視点でITのシステムを提案したり、コンサルティングをするといったケースは必ずしも多くはありません。

サービス提供者側や営業担当者は、これまでの営業スタイルや成果指標の見直しをしていかなければならないことになるでしょう。もちろんSEの業務も、システム自体がクラウド側にうつってしまうことになれば、これまでの業務は大きく変化させていかなければならないでしょう。つまり、クラウドコンピューティングが普及していけば、業界における人材像を大きく見直しをしていく必要が出てくるかもしれません。

クラウド時代に求められる人材像とは何なのか、どのような資質が求められるのか、どのような営業をしていければいいのか、景気が低迷する中において、これからの人材像の模索が始まっているような気がしています。

MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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