『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年7月30日

2008年7月31日の投稿

2008年8月1日 »

学校裏サイトやネットいじめなど、学校教育のネット活用においてネガティブなイメージが先行しているような気がしています。私は時々学校の現場に足を運ぶケースがあり、ブログやSNS等のネットの活用を説明すると、「それは学校裏サイトとどう違うのか?」という説明に時間を費やすこともありました。

文部科学省は、7月22日、「学校のICT化のサポート体制の在り方に関する検討会」が作成した「学校のICT化のサポート体制の在り方について-教育の情報化の計画的かつ組織的な推進のために」の報告書を発表しました。その概要の一部をご紹介しましょう。

image 

学校のICT環境は平成19年3月時点で56.2%と先進国と比べても大幅に遅れており。また、ICTを活用して指導できる教員の割合も平成19年3月時点で6割となっております。

また、学校のICT環境の整備計画の未策定が6割(H18.1)、授業でのICT活用についての研修が不十分、ICT活用のサポート人材の不足等も7割を超えているのが現状です。

そこで、学校のICT化について統括的な責任をもち、ビジョンを構築し実行するため、教育委員会及び学校に、それぞれ「教育CIO」「学校CIO」を置くことを提言しています。

教育CIO
・教育長や教育次長などが「教育CIO」として、学校のICT化について地域レベルで統括する。教育CIOは、自治体CIOの兼任や外部人材の登用によることも考えられる。

・教育CIOの機能を十分発揮するため、これを補佐する人材(教育CIO補佐官)や組織(「教育情報化推進本部」など)を置く。

学校CIO
・校長、副校長又は教頭が「学校CIO」として、地域レベルのビジョン等に基づき、各学校レベルでICT化をマネジメント・実行する。

・各学校の情報主任(又は情報化担当教員)が学校CIOを補佐する。  

その他、外部人材の登用などのICT支援員などの配置なども考えているようです。

7月30日が締め切りとなりますが、教育の情報化を進める「教育情報化総合支援モデル事業」の調査研究も募集しています。

ビジネスの世界では、企業にCIOを設置することは一般的になってきました。また地方公共団体においてもCIO設置が進んでいます。

学校教育において、CIOというコンセプトがどの程度浸透していくか興味深いところです。ICT国際競争力の低下が懸念されている日本。ICTの力を高めていくためには、まず原点にあるのは教育であると考えています。学校裏サイトなど、教育現場におけるICTの活用は必ずしもポジティブな意見ばかりではないように見受けられますが、教育現場のICT利活用において世界からも注目される日本になってほしいと感じているところです。


MASAYUKI HAYASHI

« 2008年7月30日

2008年7月31日の投稿

2008年8月1日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ