『ビジネス2.0』の視点:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 『ビジネス2.0』の視点

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年6月19日

2008年6月20日の投稿

2008年6月21日 »

iPhoneがいよいよ7月11日に発売されます。発売を心待ちにしている大人たちも多いことでしょう。

一方、学校裏サイトや有害サイトの影響で小中学生に対して携帯を持たせるか否かの議論が高まってきています。

自民党議員の有志で結成する「携帯電話から小中学生を守ろう勉強会」が6月17日、「小中学生の携帯電話所持を禁じる法規制を検討すべきだ」とする中間報告案をまとめました。学校裏サイトなどによるいじめの影響で教育的な視点から携帯を持つことに法規制をかけようとしています。

情報通信業界に勤めている立場からすると、規制をかけることにやや違和感があります。携帯電話を持つことに規制をかけるのではなく、子どもたちへの情報モラル教育やICT教育の充実、そして安全なサービスの充実などやるべきことはたくさんあるかと思います。しかし、秋葉原の通り魔事件などもあり、携帯電話を持つことにネガティブな意見が出てくるのも当然だと思っています。

私自身は、ちょっと話が強引かもしれませんが、子どもたちにiPhoneの良さを積極的に伝えて、持たせればいいのではないかと考えています。今年1月に「iPhoneが日本の若者に普及すれば学校裏サイトやネットいじめの問題は少なくなるかもしれない(仮説)」という内容を書かせていただきましたが、その理由をもう一度整理しましょう。

  1. ネットへのアクセスは携帯サイトではなくインターネットのサイトを閲覧するようになるため、学校裏サイト等の有害サイトの特定がしやすくなる。
  2. 音楽やYouTubeの動画等、魅力のあるサイトへのアクセスへのインターフェイスが充実しているため、テキストベースのサイトの利用から、動画や音楽へのアクセス比重が高まることが考えられる。
  3. 画面や文字が大きいこととタッチパネルを採用していることにより、手でタッチしながら誹謗・中傷の内容を書くことに抵抗を感じると思われる。
  4. 文字を打つのが携帯特有ではなく、パソコンに近いソフトキーボード配列のため、携帯利用からパソコン利用へ移行しやすくなる(携帯依存が減少する)。

iPhoneは子どもたちの感性を養うことのできる携帯ツールであると思っています。デザインがシンプルであり、シンプルなデザインからその活用を創造することができます。ワンセグやGPSなどの高機能な機能は搭載していません。携帯電話とインターネットそのものの良さを伝えることができるのです。iPhoneを持たせることの教育効果は高いのではないでしょうか?

iPhoneは一例ですが、規制から議論を始めるのではなく、携帯電話を使うことによって子どもたちのプラスに作用することをもっと考えていくべきではないかと感じているところです。


MASAYUKI HAYASHI

« 2008年6月19日

2008年6月20日の投稿

2008年6月21日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のトラックバック
カレンダー
2013年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
business20
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ