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iPhoneが日本の若者に普及すれば学校裏サイトやネットいじめの問題は少なくなるかもしれない(仮説)

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未成年の携帯電話の利用に関して、政府や企業等の動きがあわただしくなってきています。「学校裏サイトの現状と対策の取り組み」や「出会い系サイト届出義務によるSNSとプロフへの影響は?」等でもご紹介させていただきましたが、有害サイトへのフィルタリングサービスの導入や出会いサイトの届出義務、そして文科省の学校裏サイトの現状調査等です。

 
私も時々参加させていただきますが、1月21日、慶応義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(DMC機構)では、「コンテンツ政策フォーラム:「インターネット上の安全・安心に関する緊急フォーラム」開催」が開催されました。およそ250名ほどが参加し立ち見が出る等関心度の高さが伺えます。今回のフォーラムからみえることは、フィルタリング規制により事業者からの不満が噴出している現状です(関連記事)。そして、モバゲーを運営するDeNAの時価総額は1500億円毀損と大きな波紋を呼んでいます。(関連記事

 
今後、日本の未成年を対象とした日本の携帯ビジネスはどこに向かっていくのでしょうか?

 
携帯電話事業者のビジネスモデルの転換も進みつつあります。通信サービスのID共通化やGoogle Androidの登場等によりオープン化が進み水平分散型のモデルにシフトしようとしています。また、122日にはウォルト・ディズニー・ジャパンが携帯電話サービス「ディズニー・モバイル」を31日に開始すると発表し、ソフトバンクモバイルから3G通信網を借りるMVNO(仮想移動体通信事業者)方式を採用しています(関連記事)。

 
そして、最もインパクトが大きいのはiPhoneの日本上陸です。現在NTTドコモやソフトバンクと交渉をしている模様ですが、AT&Tで実施していると思われる上納金等の調整に時間がかかると推測されますが、提携が進めば、キャリア主導からメーカ主導型への転換が加速することになることが予測されます。

 
つまり、iPhoneが日本に進出すれば、「iTuneストア」のようにキャリアを介さず、アップルのサイトへ直接アクセスすることによって、アップルにそのまま収益が計上されるというモデルができあがってしまうことも考えられます。

 
今後、交渉が順調に進めば日本にもiPhoneが販売されることになると思いますが、タイトルにもあるように、何故、iPhoneが普及すれば学校裏サイトやネットいじめ等の問題が減少すると言えるのでしょうか?

 

いくつか仮説を立ててみましょう。

  1. ネットへのアクセスは携帯サイトではなく通常のサイトを閲覧するようになるため、学校裏サイト等の有害サイトの特定がしやすくなる。
  2. 音楽やYouTubeの動画等、魅力のあるサイトへのアクセスへのインターフェイスが充実しているため、テキストベースのサイトの利用から、動画や音楽へのアクセス比重が高まると考えられる(ワイヤレスブロードバンドが普及している前提)。
  3. 画面や文字が大きいこととタッチパネルを採用していることにより、手でタッチしながら誹謗・中傷の内容を書くことに抵抗を感じる比率が高まる。
  4. 文字を打つのが携帯特有ではなく、パソコンに近いソフトキーボード配列のため、携帯利用からパソコン利用へ移行しやすくなる(携帯依存が減少する)。

以上のことから、あくまで仮説になりますが、iPhoneのようなインターフェイスと魅力あるコンテンツサービスがあれば、若者たちの利用スタイルも変化が見られるのではないかと考えられます。

 
これまで携帯事業者は多機能携帯電話を目指し、機能の高度化を競ってきましたが、今後はサービスの品質を重視するとともに、より洗練されたシンプルさも追及していく考え方も高まってきたように感じています。携帯ビジネス(特にモバイルコンテンツ)の発展には、規制よりも違ったアプローチがあるのではないかと感じているところです。


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