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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

« 2008年6月6日

2008年6月7日の投稿

2008年6月8日 »

セカンドライフに代表される仮想社会ですが、利用ユーザがあまり増えていません。 

しかし、仮想世界のICT教育の活用においては何か成長へのヒントが見え隠れしているような気がしています。 

内田洋行は6月2日、「Second Life」を教育に利用する研究を開始することを発表しました(報道発表資料:教育分野における仮想世界「セカンドライフ」活用の実証研究に着手)。 

 

 

 

実施方法は、主に2点をあげています。 

  1. セカンドライフに教育用3Diコンテンツの実証研究の場を提供 
  2. 教育用3Diコンテンツおよび利用技術の協同研究

今回の内田洋行は教育用コンテンツ制作を中心にセカンドライフ内での教育利用の研究を進めていくようです。 

 

仮想世界の中で学ぶ社会

今年の1月に「仮想世界と新しい学びのスタイル(1)」と「仮想世界と新しい学びのスタイル(2)」の記事(ブログ)を書かせていただきました。 

(1)では主に小中学校の事例を紹介しました。米国の事例を見ると、子どもたちは仮想世界の中で、大人との付き合い方、ITの使い方を学び、経済やお金の流れを知ることのメリットを指摘しています。そして、家族といっしょに仮想社会に出ることの必要性も述べています。今人気の「キッザニア」もそのイメージに近いでしょう。 

また、セカンドライフにこだわる必要はなく、東京を再現した仮想世界「meet-me」で修学旅行前に、東京を先生と子どもたちで散策し、下調べをしておくというのも活用方法になるのではないでしょうか。 

現在、学校裏サイトや有害サイトのフィルタリングが社会問題となっています。仮想社会に出れば、少なくとも人の顔が見えます。総務省では、仮想社会での実名による実証実験の検討も始まっています。学校裏サイトのようなテキスト中心だと、匿名であれば、誹謗・中傷などの乱暴な文言を使ってしまうこともあるでしょう。しかし、相手の顔が見えれば、もう少しモラルをもってコミュニケーションができるのかもしれません。 

 

仮想世界もゲームも教育に!?

学校裏サイトの利用は主に携帯電話の利用からが中心です。ですので、現状の携帯電話ですと、携帯電話から仮想世界にアクセスすることは難しいでしょう。そして、仮想世界はパソコンからのアクセスでもスペックがある程度必要です。ただ、子どもたちはWiiやプレイステーションで実際にゲームを通じて仮想世界のイメージを経験しています。 

将来の技術の進化にあわせて、ゲームの世界をもう少し教育視点に誘導していく考えはあるのではないでしょうか。現にNINTENDO DSを授業に活用する事例も出てきています。 

 

仮想世界にICT教育のヒントは見えるか?

学校裏サイトや有害サイトのフィルタリングなど、学校のICT教育において、ネガティブな部分が表面化し、最近は教育への効果があまり取り上げられることがありません。そして、有害サイト規制法案が6月6日に衆院を可決しました。

インターネットは危険という意識が、先生が子どもたちにICTを教えることに躊躇しているケースも多々あるのではないでしょうか? 残念ながら、今の日本のICT教育は世界と比べて遅れているのが現状です。 

そういった意味でこれから成長が見込まれる仮想世界を教育に活用することは考え方としてはありでしょう。子どもたちが自らネットの街を進むことによって、新たな「発見」に出会い、その中で危険なことを学ぶということが大切なのではないでしょうか?

仮想世界に学校裏サイトや有害サイト規制、そしてICT教育のヒントが何か見えるのではないかと感じています


MASAYUKI HAYASHI

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プロフィール

林 雅之

林 雅之

ICT企業勤務。クラウドサービスのマーケティングを担当。
国際大学GLOCOM客員研究員。社団法人クラウド利用促進機構アドバイザー。
著書『オープンクラウド入門(インプレスR&D)』『「クラウド・ビジネス」入門(創元社)』

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