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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

【ITエンジニアセカンドライフ】何も知らなかった

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ITに強いビジネスライターの森川です。

前回の続きです。

売れない営業という立場から逃げるために、訪れたチャンスに乗っかり、ITコンサルタントとして独立することを決めたのが、2005年の初夏でした。

退職願いを出したところ、売れないのであっさり辞めさせてくれました。何とか最後に1件だけ、案件を取ることができたのですが、インセンティブも付かないような案件でした。

ちょっと寂しい辞め方でしたし、勤めていた会社には今でも申し訳なく思っているのですが、とはいえ、当時の私は解放感で一杯で意気揚々としていました。

貯金はほとんどなかったし、最初の仕事は半年の約束だったので、普通の人なら乗らないような話だったと思います。

しかし、私自身は、半年もあれば次を考えることができるだろうと楽観的に考えていました。たぶん、それほど売れない営業という立場はつらかったのでしょう。他人事みたいですが、もう12年以上も前のことなので、当時の気持ちを完全に思い出すことは難しいです。

とはいえ、本当に何も知らなかったので、もう明日からは独立の身だという2005年8月31日、42歳の誕生日の翌日に、たまたま開催されていた雑誌「アントレ」の独立・起業セミナーに参加しました。

半日コースで1万円。軽食とビールの懇親会付きでしたが、何とも微妙な価格設定のセミナーでした。

分かったことは、本当に何も知らずに独立してしまったということだけでした。

信じてもらえないかもしれませんが、社会保険料(健康保険と年金)の半分を会社が支払ってくれていたことさえ、私は知りませんでした。

毎月の給与明細を見て、社会保険料が高いなあとは思っていたのですが、まさかあれで半分だったとは!!!

このことを先日、他の独立している友人に話したところ、「そこまで無知なやつはほとんどいないだろう」と言われたので、「だけど、青色申告控除65万円のありがたみが分からずに白色申告している人もたくさんいたぜ」と応酬したら、「なるほど、そうかもね」と納得していました。

知らなくてもあまり差し支えはないといえばないのですが、ある程度の「常識」は独立を決める前に調べておくべきだったかもしれません。

セミナーの懇親会で、20代の若い人に「42歳で独立なんてもう遅いですよ」と言われました。無礼な若者という感じではなく、お酒があまり強くないので少しのビールで本音が出てしまったんでしょう。自分の無知さを知ったばかりだったので言い返す元気もありませんでした(内心では見返してやると思いましたけれど)。

【教訓】

  • 独立すると何が変わるか(社会保険、税制、請求書や領収証の扱い等)ぐらいは知ってから独立するほうがいい
  • とはいえ、知らなくてもなんとかなる
  • 青色申告だけはやったほうがいい
  • 40歳でも50歳でも独立に遅すぎるということはない

【付録:確定申告に関する私見】

  • 青色申告に関しては、白色申告でも帳簿類の提出が必要になったのでやる人が増えました
  • フリーランスの青色申告程度であれば大した時間はかからないので、税理士に頼む必要はありません
  • 「自分で帳簿を付ける時間に稼げる額>税理士費用」であれば、税理士にお願いしましょう(そのぐらい稼げるならいっそ法人にすべきでしょうけれど)
  • ただし、年1回の確定申告のときにしか帳簿を付けないという人であれば、税理士に頼むほうがいいかもしれません(数日から1週間程度かかりますが、その間仕事になりません)
  • 自分で帳簿を付けると会計に明るくなれます。これはビジネスをやる上では大きなメリットだと考えます

つづきはこちら


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