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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

モバイル時代のマーケティングの新潮流とは?

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モバイル時代です。スマホが当たり前の時代です。WebページのPVがどうとか、CPP広告のコンバージョン率がどうこう言っている場合では――あるのですがw、それだけではもうつらいかもしれません。お金があるなら、ちゃんとしたマーケティング・システムを構築しましょう。それがいい・・・、たぶん。


ITに強いビジネスライターの森川滋之です。取材等で知ったことを、言えない固有名詞は伏せてお伝えしております。

ちょっと前(昨年11月)の仕事になりますが、あるアプリをPRするためのFactbookの原稿依頼をいただきました。

すごくラフなドラフトを渡されて、そこから再構成したのですが、骨子はすぐに分かりました。

モバイル時代になってダイレクト・マーケティングが見直されている。潮流としては、MA(マーケティング・オートメーション)、O2O(Online to Offline)、Always On、マイクロモーメントの4つだ(MAはモバイルに限らないが)。以上をサポートするツールとして●●●●は最善の選択肢の一つであり、その中でも当社の□□□□が最強だ。

こういう内容を事実ベースで組み立てていくのがFactbookというもので、なかなか難しい仕事です。実入りもいいのでまた来ないかな・・・。

●まず4つの潮流を理解しよう

さて、この4つの潮流ですが、ご存知でしたか?

図にするとこんな感じです。

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前述したとおり、MAはモバイルかどうかは関係なく、今やダイレクトマーケティング(あるいはOne to Oneマーケティング)では基本的な考え方となっています。本格的な運用には専門のITツールが必要となりますが、考え方だけでも知っておいたほういいでしょう。

残りの3つは、モバイル時代ならではの考え方で、顧客が常にスマホを持ち歩いていることが前提になっています。

詳細を書くと死ぬほど長くなるので、参考書およびリンクをご紹介します。

MAについては1冊本を読むことをお勧めします。僕が読んだ本は『マーケティングオートメーション入門』(電通イーマーケティングワン著、日経BP社)です。

O2Oは、こちらが分かりやすい。なお、O2Oとオムニチャネルの違いが即座に言える人は「わかっている人」と言っていいかもしれません。

Always Onは第一人者であるソーニー教授の発言が引用されているこちらがいいでしょう。

マイクロモーメントはこちらがよくまとまっています。

●カスタマージャーニーとは

さて、Factbookは無事納品できたのですが、本当は「カスタマージャーニー」も含めておくべきだったかもしれません。

「カスタマージャーニー」という言葉がいつからあるかは知りませんが、2015年ぐらいにはすでにあったようです。頻繁に聞くようになったのは、僕は今年に入ってからです。

概念としては昔からあるもので、一言でいえば「顧客の購入プロセス」です。ですので、「AIDMA」や「AIDCA」、「AISAS」などもカスタマージャーニーの一種かもしれません。

ただ、カスタマージャーニーというともう少し細かいのです。

概念的には、こちらを参考にするといいでしょう。社内で自社製品のカスタマージャーニーを検討し大枠を共有するには、今でもこのようなポストイットや模造紙を使ったワークショップは役に立つはずです。

しかし、2015年当時だったらこれでもよかったかもしれなかったのですが、現在のカスタマージャーニーはもっと詳細化されています。スマホから入ってくる位置情報や購買情報をビッグデータとして蓄積し、それを解析してカスタマージャーニーを導き出すということが、流通(楽天など)や情報(ヤフーなど)の先進企業では当たり前になりつつあります。

そうしなければ、O2O、Always On、そしてマイクロモーメントなどに対応できないからです。これらには秒単位のカスタマージャーニー・マップ(カスタマージャーニーを時系列に可視化したもの)が必要です。

それどころか、「カスタマージャーニー」を外販している会社さえあります。顧客プロフィールや商品特性に合わせて実施すべき施策を、顧客リスト込みで売っているのです。

●ITが本当に必要になった

数年前なら、模造紙とポストイットとペンがあれば作れていたカスタマージャーニー・マップが、モバイルが当たり前になった今では、もはやITの助けなしには作れなくなったのだと僕は理解しています。

元々MAなども本格的にやろうと思ったらITが必要になりますし、O2Oもそうです。Always Onやマイクロモーメントに至ってはITなしで実施するのは不可能でしょう。

今まで上げてきたマーケティングの潮流に共通することは、恐ろしいまでのきめ細かさです。今後AIがもっと身近になると、きめ細かさはすさまじいレベルに達するでしょう。

なので、PVもコンバージョン率も大切ですが、それらをモニタリングして頭の中で試行錯誤しているだけでは、最初から高い確率でコンバージョンに結び付く施策を展開し、結果を見て即座にAIなどを使って施策を改善してくる相手に勝ち目はない――と僕は思うのです。

ITというものが、企業規模に関わらず、本当に必要な時代になった気がします。


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◆立ち読みはこちらで → http://s-morikawa.jp/etc/galley.pdf
 97ページ分(全体の44%)読めますので、お暇ならどうぞ。
 ただ電車で読むのはお勧めできません。


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