年金事務所が中小企業を潰す?
2007年、「消えた年金問題」として、日本中が騒然とした「事件」がありました。はい、あれは事故ではなく、事件でした。
その後、社会保険庁がなくなり、日本年金機構というものが設立されました。当時は、「歳入庁」というものを設立し、税金、年金などを、一括で徴収する仕組みを作ろうという案が上がり、それは今でも言われているのですが、結果的に設立されず、我々は、年金、保険など、法人税、消費税、そして都税、住民税など、別々の組織とやり取りが必要になるという、苦行を強いられています。
さて、その日本年金機構、各地域的には年金事務所ですが、昭和の時代のサラ金の取り立てのような行為が、問題化されているようです。
動画の概要ですが、大阪の運送会社で、従業員の使い込みが発覚し、税金、年金などの支払が困難になった。会社は、税務署に相談すると、これは職権で猶予を与えます、との回答を得た。
一方で、年金事務所は「社内不正があったのは御社の問題。そして、収めるべき年金のお金の調達も御社の問題」と一蹴された。
「猶予できる法律があるはずですが」
「そんな法律は知りません。何の法律の何条ですか?」
と撥ねつけられた。
しかし、その後、年金事務所は間違いを認め、そういう法律が存在したが、御社は猶予願いの書類を提出していないので知りません、と。なので、差し押さえします、とのこと。
もう、めちゃくちゃな話です。年金事務所の従業員の無知識が原因なのに、それを会社に押し付けるという。
これは、ここに出てくる吹田年金事務所だけの問題ではありません。東京でも、同じことが起きています。年金事務所のGoogleマップにも、担当者を名指しで不満を漏らしている人を見かけますし。
もちろん、納めるべきものを納めていない場合は別問題。きちんと、正当に対応すべきです。しかし、中小企業を潰すことが仕事ではないはず。
弊社でも、1年前、2年前と同じ人数、給与支給額も当時と大差ないですが、明らかに年金事務所の納付書の額は大きく増えています。そこには、明細がないので、正しいのかどうかも分かりません。
以前、年金事務所に行って、明細を教えてくれと交渉したところ、かなり渋られた末に見せられた資料は、コピー不可、閲覧のみ、という、なんだか自分たちが納めるものさえ公開されない、という摩訶不思議な対応でした。
これらは、彼ら従業員の問題ではなく(口のききかたとかありますけど)、組織的な問題ですよね。こういう報道が大きくなり、変わってくれることを祈りたいです。