リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その10・最終回 ~華麗なる脇役たち~
「テクノファイブ リモート研修における講師映像の裏側」の第10回。
やっと、最終回です。今回は、名脇役たちをご紹介します。
グリーンバック
やはり、これがないと始まりませんね。多くの会議アプリは、わざわざグリーンバックを用意しなくても映像から人物だけを見事に抜き出し、仮想背景と組み合わせたり背景だけをぼかしたりすることができます。しかし時々、人物が背景に溶け込んじゃったり、綺麗に抜けなかったりすることもありますよね。やはり、人物を綺麗に抜くためには背景が緑色になっていることが望ましい。
というわけで、グリーンバックです。これは当初、「緑の布だとシワになるなぁ。シワを伸ばすのが大変だなぁ」と思って、緑色のプラスチック製段ボール、いわゆるプラダンを購入したんですが、これが意外と光るんですよ。で、どうしてもその光っている部分がクロマキーで奇麗に抜けなくて・・・仕方がないから、プラダンの上からこんな緑色の布を貼ることにしました。しかし、これは怪我の功名でして。プラダンが無駄になったかな、と一瞬思ったんですが、思い直してプラダンを芯にしてその上に布を貼ることにしました。プラダンに布を貼る時は、こんな両面テープを使いました。布があまりシワにならずに済んでいます。
プラダンと布をどうやって固定しようか迷ったんですが、弊社の場合は後ろが壁ですから、こんな額縁を吊り下げるためのレールを買って、天井近くの壁にとりつけました。
後ろが壁でない人は、こういうスタンドつきの布を買われてもいいと思います。
照明
最初は照明なんていらないかな、と思っていたんですが、やはり講師の姿が暗いと色々な意味でまずいと思いまして、買うことにしました。イマドキは雑誌の付録に照明がついていたりもする時代になりましたが、当時はそんなものはありませんからね。人気Youtuberの人たちはどんな照明を使っているんだろう、と少し研究しまして、こんな照明を買いました。色温度や明るさを調節できるところがいいです。
しかし、いざ灯してみたら、意外とまぶしい!明るさを調節できるとはいえ、まぶしくないほど暗くすると照明としての意味をなさず・・・本格的なレフ板も試してみたんですが、弊社の環境にはなじみませんでした。悩んだ結果、照明の前にA3用紙をクリップで留めてみました。これが結構いい感じ。今はこれで落ち着いています。
照明のスタンドは、ちゃんと計って買いましょうね。弊社は最初、勧められるがままにこんなスタンドを買いましたが、高さが高すぎました・・・。あと、照明とスタンドを別々に買う時は、照明をスタンドにどうやって取り付けるか、その形状を確認しておきましょうね。こんなスタンドのリンクを見ていただければわかりますが、本格的な照明を取り付けるためのスタンドには、先端に雲台がありません。カメラ用の三脚を買うと、先端が雲台になっていて取り付けられないやつがありますから要注意。
ケーブル
HDMIケーブルとUSBケーブルはケチらないことです。品質の良いものを買いましょう。また、弊社の環境ではPCの設置位置と講師が立つ位置が結構離れているうえに、ケーブル類をこのように壁際に這わせることにしたので、余計に長いケーブルが必要になります。
ここで注意しないといけないのは、ケーブルの最大長です。USB 3.0 は 3m、USB 2.0 でも 5m しか保証されていません。世の中 10m の USB 3.0 ケーブルとかもありますけれど、正直ものすごく怖いです。保証された長さを超える場合は、リピーターケーブルを使って延長するようにしましょう。「そんなことしなくても大丈夫だよ」という方もいらっしゃるんですが、おそらくスタジオを組もうとするとそこら辺ケーブルだらけになりますからね。ケーブルが発するノイズで信号が思いのほか減衰する、ということもあり得ます。
同じことはHDMIケーブルにもいえます。HDMIケーブルの場合、厳密には最大長という概念はありません。しかし一般には10mを超える場合はリピーターが必要だと言われています。弊社では念のために、5mを超える距離をHDMIで接続する際には、間にこんなリピーターを入れています。具体的には、
2mのケーブル
+
リピーター
+
5mのケーブル
で 7m を稼ぐ、という感じです。
スタンディングデスク
最近は「立って仕事をする」ってのが一部で流行っていまして、そのためのスタンディングデスクなるものも結構売れているそうです。これも色々試してみたんですが、研修をやる際は、座ってやるより立ってやるほうが何かと都合がいいことがわかりました。背筋も伸びるし、声も前に出るし。そうそう、リモート研修では、多少オーバーアクション気味に動くほうが効果が上がります。そのためにも講師は立って講義をすることをオススメします。
とはいえ、弊社のオフィスにある机を買い替えるのはちょっともったいない。後になってから、机の上に乗せる机なるものがある、ということがわかったんですが、私が環境を作った時にはそういうものの存在に気付きませんでした。
で、どうやったかというと、塩ビパイプをちょうどいい長さに切って、既存の机の脚に履かせたんです。あらかじめ、机の適切な高さを算出しておきます。自分の身長に合わせて適切な机の高さを教えてくれる、こういうサイトもあるんですね。これによると、私の身長における適切な高さは約100センチ。机の天板の厚みも考慮に入れて、塩ビパイプは95センチにカットすることにしました。とはいえ自分でカットするのは大変だから、塩ビパイプを買ったホームセンターで切ってもらうことにしました。
さて、これは塩ビパイプの正しい使い方ではありません。そもそも塩ビパイプに縦方向に荷重をかけるなんて、想定していないはずです。といはいえ、地中に埋められることもある塩ビパイプ。そんなヤワなものでもないはずです。私自身が上に乗らなければ大丈夫でしょう。
iPad
弊社の研修では、しょっちゅうグループワークをしています。それはリモート研修でも同じこと。最近では、Microsoft Teams や Google Meet でも「ブレイクアウトルーム」が作れるようになりましたね。グループに分かれての演習をする際には重宝しています。
各ブレイクアウトルームの様子を観察したり、停滞しているグループに話しかけたりするために、グループ数分の iPad を用意しています。弊社では中古の iPad Air をおよそ1万5千円ぐらいで買い漁りました。iPad Air にしたのは、あまりお金をかけたくなかったののと、それ以前の iPad では Microsoft Teams が動作しなかったからです(厳密には iOS が対応していない)。わー、iPad、ホコリだらけ。拡大して見ないでー。あ、iPadを立てているスタンドは、これです。
終わりに
さて、長い連載記事もこれで終わりです。少しでも真似してみよう、と思われた方への参考になれば幸いです。スタジオ環境のコンサルティングも行いますので、ご希望の方はお問い合わせくださいね。
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リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その6 ~全体を俯瞰して~
リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その7 ~画面表示用PC コントロールソフトのインストール~
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