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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

新入社員の方へ:最も簡単な「論理思考」を身につけよう

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果たして、どれくらいの「新入社員」の方がこの記事を見てくださるか・・・若い方々にとって、ブログはオワコンらしいですからね。

さて、今回のお話は、表題のとおり「論理思考を身につけよう」です。
ビジネスにおいて論理思考を身につける目的はただひとつ、「相手を納得させるため」です。決して「相手を論破する」ためではありませんよ。

相手を納得させるためには、いわゆる「ロジカルシンキング」とか「MECE」とか「ロジックツリー」とか、小難しいことを覚える必要はありません。使いこなせたらそれはそれでいいのですけれど。

まずはただひとつ、

「〇〇だから〇〇である」

という流れで話ができるようになることが重要です。

論証.PNG

「〇〇である」の部分が、主張、結論です。
「〇〇だから」の部分が、理由、根拠です。
最も簡単な論理思考は、この「〇〇だから」と「〇〇である」が両方存在していて、両者が直接繋がっている必要があります。

じつはこの「直接繋がっている」というのがやっかいでして。
例えば、こんなの。

おかしい論証.PNG

これは論理的であるとはいえません

なんで論理的じゃないの?
電気が流れるなら冷却が必要なのは当然でしょ?

と思ったあなた。それはあなたが「途中経過を知っているから」に過ぎません。言い換えれば、上記の説明は

「理由、根拠」と「主張、結論」が直接繋がっていない

のです。上記の説明の正体は、こうです。

論理の飛び.PNG

「コンピュータは電気で動くから冷却が必要である」という論証は、上記のようにいくつかの「〇〇だから〇〇である」の組み合わせで成立しています。このような、論理の流れの途中を省略し、最初と最後だけを提示することを論理の飛びといいます。

論理の飛びは、同様の経験や思想を持つ人同士であれば、冗長部分の省略として認められることがあります。しかし、相手が同様の経験や思想を持っているとは限らない場合、相手の経験や思想がわからない場合は、論理の飛びは望ましいことではありません。

というわけで、最初は

  1. 「理由、根拠」と「主張、結論」が共に明示されていること。
  2. 「理由、根拠」が「主張、結論」を正しく支えていること。

この2つを強く意識するようにしましょう。すべてはそこから始まります。

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