リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その1 ~プロローグ~
今回は大作です。あまりにも大作なので、数回に分けてお届けします。
その名も、
テクノファイブ リモート研修における講師映像の裏側
です。え?別に知りたくない?
プロローグ
以前、リモート研修での講師のカメラ映りに気を配ってます(という名目で凝ってます)というお話をしました。
カメラの前にこんなふうに立って(うしろは緑色の布)
こんな「仮想背景」と組み合わせたら
こんな風に映ります、
というのだけでは、Zoom や Microsoft Teams だけでも実現できます。
また、いまや
こんな「PowerPoint スライドを背負ってプレゼンテーションをやる」というのも Zoom 単体で実現可能です。
もっと、受講者を惹きつけ、飽きずに受講していただけるような
見た目で講義(プレゼンテーション)がしたい!
と心から思い、私の試行錯誤が始まりました。5か月ほどの時間をかけて、やっと満足のいくものができあがりました。
で、ここで公開をしたら、同業の方から「それはどうやって実現しているのか教えてほしい」というリクエストをいくつもいただきました。リモート研修業界をもっと活性化させたい、という思いを込めて、この場を借りて公開することにいたしました。何かの参考にしていただければ幸いです。
まずは、何をやっているか
弊社では、こういうスタジオを作って研修を実施しています。
なんだか、ごちゃごちゃしていますねぇ。上の白いディスプレイのあたりから反対側を見ると、下のような感じです。黒いディスプレイの上にあるビデオカメラで、私を狙っています。
グリーンバックの前にさっきの写真のように、ビデオカメラのほうを向いて立ちます。
講義をすると、受講者からはこのように見えます。
あるいは、普通に
こんなふうに立って「テキストの15ページをご覧ください」なんて喋ったら
こんなふうに喋っていることが字幕になって、これと話者の映像とを合成したら
テレビ番組のように、喋っている内容が自動的に字幕として表示される、というようなことを実現しています。
今回は、これをどうやって実現しているか?ということについてお話します。
PC構成
ざっくり言うと、これは3台のPCと2台のビデオスイッチャー ATEM Mini で実現しています。
疾風のZoom号
Zoom、Microsoft Teams、Google Meet、WebExなど、いわゆるリモート会議ツールを起動・実行するためのメインシステムです。また、研修によっては裏でWebブラウザ経由で別ツール(Webインバスケット、Google Drive、lino、miro など)を使う必要があり、そのためのマシンとしても使用します。
筐体はAcer製ですが、中身は完全に入れ替えており、いわば自作PCです。本稿は自作PCをターゲットにしたものではないので詳細は省略しますが、第4世代 Core i7、メモリ 8GB で動いています。
弊社のメインツールが Zoom なので、それを冠して「疾風のZoom号」。疾風は、今は落ち着いていますが当初は冷却ファンが結構うるさかったことに由来しています。
漆黒のパワポ号
PowerPointのスライドやエディタのウインドウなど、受講者に見ていただきたい画面を投影するためのPCです。つまり弊社では、会議ツールを起動しているPCと、受講者の方に見ていただきたい画面を表示しているPCが異なります。
右の写真では、PowerPointのスライドショーを表示していますね。この画面を表示するために使っているのが、まさにこのPCです。白いディスプレイの下、写真下部にあるキューブ型の筐体が「漆黒のパワポ号」。筐体が黒いから「漆黒」、とヒネリもなにもないネーミングです。
こいつも自作PCで、第4世代 Core i3、メモリ 8GB で動作しています。本格的な開発演習をするのであればもう少しメモリを足すほうがいいかもしれません。
縁下(えんのした)の字幕号
机の下に鎮座している小型PC。こいつの役割はただひとつ、私の声を字幕化することです。それ以外のことはしていません。ちょっと贅沢な使い方ですね。
中古の超小型PCを、ヤフオク!で2万円以下で手に入れました。第4世代 Core i3、メモリ8GB。音声の字幕化のみに使っているので、性能はその程度で十分です。メモリは4GBでも足りると思います。あまり日の目を見ることはなく、机の下にいるという日陰の存在ではありますが、しっかり役に立ってくれています。というわけで、「縁の下の力持ち」から、「縁下」という名前をつけました。
詳しい人ならお気づきの通り、これらのPCはすべて非常に古いもので、スペック的にもたいしたものではありません。限られた予算をどう配分するか、ということを考え、「高性能なPCを1台」ではなく「そこそこの性能のPCを3台」で環境を実現することにしました。役割を分散させることで、2つの目的を達成します。
- それぞれのPCの負荷を軽くする
- 1台のPCが壊れても20分もあれば代替機が用意できる、という環境を実現する(例えば一時的に「縁下の字幕号を疾風のZoom号の代替として使う」とか)
得に2番目は重要です。どのような理由であれ、研修を途中で止めるわけにはいきませんからね。
ATEM Mini
上記の複雑な映像出力は、2台の ATEM Mini で実現しています。ATEM Mini 1台 + ソフトウェア OBS という選択肢もあったんですが、こちらも
- できるだけ PC 側に負担をかけたくない
- ATEM Mini が1台壊れても研修の配信を続けられるという予備機的な存在を準備する
という理由で、ATEM Mini 2台構成にしました。
この2台がどう使われているかは・・・
ああ、でも、長くなっちゃいました。具体的な話は、次回以降に・・・(ぉぃ)
リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その1 ~プロローグ~
リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その2 ~最小限の構成~
リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その3 ~画面表示用PCの構成 前編~
リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その4 ~画面表示用PCの構成 後編~
リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その5 ~字幕表示用PCの構成~
リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その6 ~全体を俯瞰して~
リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その7 ~画面表示用PC コントロールソフトのインストール~
リモート研修・講師映像の裏側 一挙公開! その8 ~画面表示用PC コントロールソフトの設定~