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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

インフラ投資関連の日本企業 - インフラ投資って何?(下)

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■S&P Global Infrastructure Indexが選んだ日本の6社

S&P社が設定しているテーマ別インデックスの1つ、"S&P Global Infrastructure Index"では、インフラ関連のビジネスをしている世界の75社を選んでインデックス化しています。2008年末に作成された資料では、組み入れ率上位の10社は次のようになっています。

[S&P Global Infrastructure Indexの上位10社]

  • GDF Suez フランスの電力・ガス会社
  • E.On AG ドイツの電力・ガス会社
  • Atlantia SPA イタリアの高速道路会社
  • Abertis Infraestructuras, S.A. スペインの高速道路会社
  • TransCanada Corporation カナダのエネルギー会社
  • Iberdrola S.A. スペインの電力会社
  • Transurban Group オーストラリアの高速道路会社
  • Enbridge Inc. カナダのエネルギー会社
  • RWE AG ドイツの電力・ガス会社
  • Spectra Energy Corp. アメリカのガス会社

日本のわれわれにとってはなじみのない会社ばかりですね。このインデックスに採用されている日本の会社が”5社”あります。その内訳がずっとわからなかったのですが、先日、このインデックスに連動するETFを設定しているiシェアーズ社の資料を見ていた時に、全保有銘柄のリストがあるのを見つけました。

[S&P Global Infrastructure Indexの日本企業6社]

  • 東京電力
  • 関西電力
  • 上組
  • 三菱倉庫
  • 日本空港ビルデング
  • 住友倉庫

2008年末作成のS&Pの同インデックス公式資料では日本企業の組み入れは”5社”となっているので、その後に1社加えられたのでしょう。

■東京電力の動きに注目

このインデックスは、業種ではエネルギー、輸送、公益の中から時価総額が1億ドル以上あり、過去3ヶ月に日々100万ドル以上の取引があるものを選んでいます。S&Pの視点で選んだインフラ関連の世界トップ企業と言うことができるでしょう。それに選ばれたのが上記6社です。
現時点で個別の企業のインフラ関連ビジネスの中身に踏み込んで述べることはできませんが、特に東京電力については、今年から海外の発電事業への注力を始め、非常に興味深いと思っています。

■水インフラ関連の企業の動きも活発に

上記の6社は、インフラ投資の分野で言えば、電力、物流、空港の3分野に関係した企業です。インフラ投資は、その他にも、水関連、鉄道、原子力(電力会社ではなくメーカー)などがあります。特に水関連は、先のモルガンスタンレーのレポートによれば、2030年までに世界で22兆6,100億ドルの投資が予測されています。二番目に大きい電力の9兆ドルの2倍以上あります。

日本の水関連の企業は、非常に高い技術を持っており、今後の活躍が期待されています。ただ、世界の水ビジネスの潮流を見ると、上下水道のオペレーションまでを面倒を見る、いわゆる水メジャーが非常に規模の大きなビジネスをしているのに対し、日本の水関連企業がカバーしている部分は、個別の製品、個別の機器の製造販売に留まっています。そのため、総合商社が水関連ビジネスの上流から下流までを受託できるビジネススキームの開発を急いでいるほか、経産省も関連企業100数十社を集めて今年7月に「海外水インフラPPP協議会」を設立しています。

具体的な企業名については、この記事をご覧になるとよいでしょう。

海外水インフラPPP協議会が始動、水ビジネスへの関心も

水関連の企業の動きについては、今後、積極的に取り上げて行きたいと思っています。

[関連投稿]
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