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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

イケてなくてもっさりしたサービスが儲かる

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タイトルのフレーズだけでは不十分ですね。
「あるいは、開業当初はクールなサービスで儲けが少なかったとしても、だんだん角がとれて一部の顧客からイケてないと思われる段階になると、自然と儲けは大きくなってくる」も付加したいところ。

これは事実だと思いませんか?少し条件をつければ法則化できると思う。

96年に「インターネットでデッカク儲けよう」というものすごいタイトルの本で単行本デビューを果たして以来、インターネット上の様々なビジネスを見てきました(ちなみに同書は3万部弱売りました。最初が最高記録…)。上の法則?に適合するいろんな事例があります。でも具体的に挙げるのはやめよう(爆。

イケてるサービスが年を経てイケてないサービスになってくると、なぜか収益規模はケタが違ってくるというのは、イノベーション普及の理論で説明できますよね。

イケてる状況=市場の2.5%しかいないイノベーターが主顧客である状況においては、売上の基盤はすごく小さいです。
しかし、イケてない状況=例えば市場の68%を占めるアーリーマジョリティとレイトマジョリティとが主顧客になっている状況においては、売上の基盤は30倍近くに膨らんでいます。

誰もがイケていない状況を目指すべきだと言うつもりはありません。時代の前衛を走り抜く企業はあってよいと思います。

ただ一方で、企業は普通、年を経るごとに規模が大きくなっていきます。大きな事業基盤を大きな組織で維持していかなければならなくなります。そういう状況において、小さな市場のみを見ていて、「オレらががんばるべきは、このイノベーター市場なのだ」と突っ張るのはよいことなのか。
イケてなくてもっさりしたサービス…だけれども、それを支持する顧客基盤は非常に分厚いというサービスを志向するようになってもよいのではないか。それで生計を立てる人が多くなってくる状況では、そうした路線の変更は是とされるべきではないのか。そこにおいても立派なブランドを確立することは可能ではないか?

ビジネススクールの教科書に取り上げられるような優れた事例には、実はイケてるとは言えないような製品やサービスに注力している企業が少なくありません。シェア最大手で超クール!という製品を出し続けている企業はあるのか…?
例外として、唯一Appleが思い浮かびます。しかしご存知のように、現在のAppleもスティーブ・ジョブズが復帰する前にはいろんな路線に行っていました。iPodにしても、稼ぎ頭はイケてるiPod Touchではなくて定番化したClassicなはず。

セブン-イレブンの収益の大きな柱がおにぎりやお弁当だったり、主要家電メーカーの最大の収益源はやっぱりテレビだという事実。地味な製品、こなれたジャンル、ファッショナブルだとは見なされていない分野。そういう部分が実はかなり儲かる。インターネット関連のビジネスにも、この見方は適用できると思います。

ただ、イケてない状況になると、メディアが報じてくれなくなるというデメリットがありますね。トレードオフですね。

追記。
経済学がわかっているなら、「ネットワーク効果によるレント」と一言、言えば済む話だったんですね。(←やはりよくわかっていない)

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